2005年6月8日水曜日

Viva Tonal 跳舞時代

〔えいが〕

2003年、台湾(簡偉斯・郭珍弟、公共電視)。簡偉斯、郭珍弟監督。

日本統治時代、台湾コロムビア(古倫美亞)の柏野正次郎が仕掛け人となってもたらされた戦前の台湾語歌謡黄金期を追ったドキュメンタリー映画
第40回(2003年)台湾金馬奨最優秀ドキュメンタリー映画賞受賞作。

台湾コロムビアの専属歌手だった愛愛(やはり台湾コロムビアに所属していた作詞家の周添旺夫人)や当時の台湾コロムビアスタッフ、台湾コロムビアの特約店だった宜蘭の林屋商店店主・林平泉、作曲家・郭芝苑といったゆかりの人々への取材映像と当時の映像を中心に、再現映像も交えながら映画は進行します。
内容についてあまり詳しく書くのも何なので軽く触れる程度にしますが、当時のスタッフが口々に「私の人生の中で、あの時代が一番輝いていた」と言っていたのが印象に残ります。
日本による植民地支配自体は決して正当化できるものではないのですけれど、ただ単純に「いい」「悪い」、「支配」「被支配」というだけでは割り切れないものが沢山あるのだなと、今回改めて思いました。
当時、愛愛が柏野に連れられてよく来たというレストラン・波麗路(ボレロ)で、皆が和気藹々と思い出を語り合いながら食事をする姿にも、心温まるものを感じます。

ぜひ日本でも公開してほしい1本です。

付記:ここのところ、台湾ではドキュメンタリー映画が元気のようで、現在公開中の『無米樂』は大反響を巻き起こし、同じく公開中の『翻滾吧!男孩』も興行的にそこそこ健闘(今年のアジア・フォーカス福岡映画祭で上映される模様)、昨年の台湾映画興行収入第1位(台北市のデータ)は、先だって日本でも公開された『生命(いのち)』でした。


波麗路のチキン・カレー。懐かしい洋食屋さんの味です。

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