2005年9月、扶桑社。柳美里、福田和也、坪内祐三、リリー・フランキー責任編集。
今朝の新聞広告で発見。
大特集が、
「七〇年代東映」蹂躙の光学。
こいつを見たあっしは、昨日の「香港映画フォーラム」で王晶監督が、「現在の香港映画界が置かれている状況は、70年代の日本映画界と似ている」というコメントをしていたのを思い出し(ただし、70年代にはDVDはなかったけど)、「まあ、なんとタイムリーな!」と思い、さっそく購入いたしました。
表紙は、『脱獄広島殺人囚』の松方弘樹。
内容はというと、ざっとこんな感じ。
「現代暴力論-もしくは、ヤタケタな東映映画作品について」福田和也
対談「脚本家・笠原和夫の『反』」荒井晴彦×絓秀実
「美能幸三に初めて会った夏。」岡田純良
特別取材「『仁義なき戦い』の頃を思い出すと・・・・・・」松方弘樹
「つるりとした気品-成田三樹夫の俳句」石井英夫
「飲み、書き、演じたオトウさんたち-殿山さんとコミさんのこと」内藤 誠
「東横映画史略 -満映後史・東映前史」田中眞澄
追悼:石井輝男監督「キング・オブ・カルト 不死鳥の死」リリー・フランキー
これに「別冊付録」(昔のお子様雑誌みたい)として、笠原和夫の『実録・共産党(未映画化シナリオ)』と『日本暗殺秘録』が付いてきます。
しめて860円也(レジのあるお店では859円みたい)。
で、中島貞夫監督(来月、これやります!)へのインタビューも収められた福田氏の評論の最後には、
今年の春、フジテレビの衛星放送の番組で、東映の岡田茂相談役にインタビューする機会があった。いろいろ伺った最後に、結局プログラム・ピクチャーが復活しないかぎり、映画は復活しません、とおっしゃった。
とあり、やはりここでも、昨日の王晶監督の「娯楽至上」発言を思い起こしたせんきちなのでありました。
王晶監督、岡田さんと気が合うと思うよ、きっと。
付記:福田氏の評論の中で「京都の『T撮影所』に、『温泉たこつぼ芸者』という作品のためにやってきた、と『三文役者のニッポンひとり旅』、「京都のパラダイス」と題された回で殿山泰司は書いている。『T撮影所』が、東映京都撮影所だろうということはすぐに推察できるが、『温泉たこつぼ芸者』という作品はよくわからない」という件がありましたが、これはご周知の通り『温泉みみず芸者』の当初のタイトル。岡田さんが「たこつぼ」を「みみず」に変えちゃったらしいです。
こんにちは。
返信削除扶桑社の雑誌なんて買いたくないのに、せんきちさんにそそのかされて(?)買ってしまいました。付録がすごすぎ。
しゃおがんさん
返信削除こんにちわ。
そそのかして(?)すいません。
扶桑社なのに、『実録・共産党』ってところがすごいですよね。
保存版だと思います。