2007年3月6日火曜日

無責任ABC

〔ちょっとお耳に〕

『無責任遊侠伝』撮影の合間に
あやとりをして遊ぶ莫愁。
ハナ肇、犬塚弘、藤本真澄の顔が見えます。

先日の「お知らせ」で予告した通り、台湾の友人がやってまいりました。
さっそくこき使われております。
そんなわけで大物ネタに取り組む気力も体力もないため、今さらな感のある製品情報でお茶を濁しますです(スマソ)。

香港クレージー作戦』と同時期(1963年)に香港・澳門ロケを行ったクレージーキャッツのもう1つの中華映画『無責任遊侠伝(澳門風雲)』のDVDが、昨年暮れにリリースされました。


お馴染の無責任男・植木等がここではギャンブルの天才に扮し、澳門で一か八かのギャンブル勝負に打って出るというお話。
クライマックスとなる平田昭彦(悪役)との決戦では、澳門が舞台というのになぜか丁半勝負の壺ふり対決なのがご愛敬です。

杉江敏男監督から壺ふりを教わる白冰。
向かって一番左は馬力。

当時、東宝と深い関係にあった電懋から白冰、莫愁、高翔、馬力が参加していますが、悪役である平田昭彦が中国人ではなく実は敵前逃亡した元日本兵、つまり日本人だったという設定になっているのは、おそらく電懋側への配慮ではないかと考えられます。
谷啓(白冰の兄役)の元恋人でありながら、彼を捨てて平田昭彦の情婦となっている莫愁も100%悪い女ではありませんでしたし。
『香港の夜』で中村哲の用心棒をやっていた天本英世が、ここでも平田昭彦の用心棒に扮していました。

そして。

社長シリーズの追尾を飾る作品である『社長学ABC』のDVDについて。
こちらこちらのDVDレンタルのサイトには情報があるのですが、なぜかセルDVDのリリース情報はありません。
レンタルオンリーということなのでしょうか。


森繁社長が会長に勇退し、小林桂樹が社長に昇進する本作は、台湾ロケが売り物の1本。
日月潭でロケを行っている点が、日本映画としてはきわめて珍しいと言えます(今の九族文化村みたいな原住民のテーマパークも登場)。
ま、そうは言っても、単なる観光映画からは一歩も出ていないのですけれど。

また、香港へ渡って邵氏に加入する前の恬妮が、ちょうど『社長洋行記』における尤敏のような役どころで出演しているのも見もの。
『社長洋行記』での尤敏の婚約者は三船敏郎ですが、恬妮の婚約者はなんと王貞治(写真のみの出演)でした。

それでは、またこき使われてきます。

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