らしいんだが、最後までどこか荒んでるな。
どうも。
トド@崖っぷちです。
さて、ただいま放映中の『元祖!大食い王決定戦』(テレビ東京)。
毎度おなじみ海外ロケの舞台(テレ東的には精一杯気張ってます)は、今回、なんと澳門だそうです。
今現在別のチャンネルを観ている方も、大食いが大嫌いな方も、今日ばかりは観ましょう!
ちなみに、不肖せんきちは大食い番組が大好きです。
でも、魔女不在なのはさみしーなあ。
観たかったよ、澳門の魔女。
というわけで、本題。
木本正次の小説『香港の水 日本人の記録』というと、張曼玉が出演した1991年のNHKドラマ『ホンコン・ドリーム 私の愛した日本人』の原作として、ご記憶の方も多いことと思います。
1991年にはドラマ放映に合わせて
日本放送出版協会から新たな単行本が
出ました。
ところがこれ、1967年の初版当時には石原裕次郎率いる石原プロが映画化を予定しており、初版本の帯にはこんな記載(下記参照)があるのみならず、
裕次郎自身が推薦文を寄せています。
以下に、その推薦文を引用してみましょう。
骨の太い真のロマンを 石原裕次郎
毎日新聞連載中にこの作品を読んで、私は壮大なロマンに感銘した。日本映画の復興には、骨格の太く逞しい、真のロマンが必要で、そのために私はいま三船敏郎氏と協力して、「黒部の太陽」の製作に全力を傾注しているのだが、同じ著者による本書は、その上にさらに国際的な規模の雄大さを加えて、感動の振幅は一そう大きい。私は次作をこの原作と決めて、欧米の一流映画製作者との提携を準備中である。日本では始めて(原文ママ)の、本当の意味での国際的映画の実現を決意している。
裕次郎の推薦文にもある通り、この小説を書いた木本正次は『黒部の太陽』の原作者でもあり、香港の上水道建設のために命をかける日本の男たちのドラマを読んだ裕次郎が「日本のダムの次は香港のダムだ!」と閃いても一つもおかしくはないのですが、結局、この映画化は実現することがありませんでした。
小説を読んだ方ならおわかりかと思いますが、内容的に中国が絡んでくることも映画製作を困難にしたでしょうし(なんたって当時は文革の真っ最中)、何よりも予算面でかなり厳しかったのではないかと思います。
仮に映画化が実現していたとすれば、裕次郎は工事半ばで殉職する西松建設(!)の技術者・藤沢功の役を演じていたはずで、そうなると、彼と恋に落ちる香港女性・何麗芬は誰が演じる予定だったのかなあとも思いますし、裕次郎の言う「欧米の一流映画製作者」もいったい誰のことを指しているのか、ひじょーに気になりますです。
ま、キャスティングだの何だのといった、そんな段階まで行く以前に計画が頓挫してしまったのかもしれませんけどね。
こんにちは。ひと昔前の香港駐在員のバイブルとうか、みんなが知っていた本ですね。私も会う人ごとに「貸すよ」と言われ、たしか読みましたわ。面白かったと思います。その中に出てくる実在の人と、実際お会いしたこともあります。なんだか懐かしいな~。
返信削除hoisamさん
返信削除こんにちは。
>その中に出てくる実在の人と、実際お会
>いしたこともあります。
まあ、そうなんですか。
西松建設も、あの頃は裏金なんてことは考えず、純粋な情熱に燃えていたんだなあと、思わず遠い目をしてしまいそうな小説ですね、これ。
さすがせんきちさん、「香港の水」をお持ちなのですね。
返信削除というか、本があることすら知りませんでした。
NHKのドラマは観ました。
この本、探そうかな。
ドラマは最初の本放送を見逃したので、
再放送の予定はないかとNHKに電話しましたら、
さんざんたらい回しにされたあげく
最後の電話での回答は、
「質問は文書にして郵送してください」と
言われました(笑)。
もちろん文書にしませんでしたが、
再放送があったので観ることができました。
学芸員Kさん
返信削除こんにちは。
『香港の水』の初版、デパートの古書展でたまたま見つけました。
価格もお手ごろだったと思います。
内容よりもむしろ帯に価値があるのではないかと、個人的には考えています。
NHKのたらい回し、なんともお役所的な対応ですね。