2010年11月3日水曜日

チャコの海底物語 こんなん出てますけど編

〔えいが〕〔ちょっとお耳に〕

ま~しこ~思い通りに~ま~しこ~生きてごらん
(J○S○A○に睨まれる前に撤退)
どーでもいいけど"Choko"(チョコ)になってるよ。

どうも。
トド@風邪が治りませんです。

えー、わたくしの個人的な趣味ですっかりシリーズ化しつつあるこのネタ(第1回第2回第3回。自分のブログなんだから何をどうしようと自分の勝手なんですけど)、今回は知られざる(?)アメリカ留学時代の出演作品に関するメモ。

The Love Statue
1965年、アメリカ。David E. Durston監督。Peter Ratray、Beti Seay、筑波久子、他。


処刑軍団ザップ(I Drink Your Blood)』のデヴィッド・ダーストン監督が、1965年に撮った作品(DVDタイトル:The Love Statue LSD Experience →追記:LSDを扱った映画としては、本作はロジャー・コーマン(Roger Corman)の『白昼の幻想(The Trip)』より2年早く、DVDのジャケットには"The First LSD Exploitation Film!"の文字が躍っています。DVD化にあたっての改題もその辺を強調するためなのでしょう)。

英文字幕が無かったので、英語圏の家で飼われている犬猫なみの英語力しかないせんきちにはちいとばかし難物でおましたが、持てる頭脳(?)を駆使して掴んだストーリーは下記の通り(あ、ちなみにビデマのHPにあるストーリーは実態とはかけ離れたものです)。

グリニッジ・ヴィレッジの画家・タイラー(Peter Ratray)は、ダンサーのリサ(Beti Seay)と交際していましたが、リサはいつもタイラーのことを侮辱し、2人の間には諍いが耐えませんでした。
そんな折、タイラーの友人である彫刻家・スタン(Harvey J. Goldenberg)がやって来て、タイラーの部屋へ居候し始めます。
もやもやした気分を抱えたままリサが踊っているバーを訪れたタイラーは、そこで魅力的な歌手・マシコ(筑波久子)に出会います。
マシコは極上の気分になれる物があるといい、タイラーにそれを試すよう促しますが、彼はそれを拒みます。
帰宅後、訪ねて来たリサにまたしても侮辱されたタイラーはついにマシコの許を訪問、マシコは彼にLSDを薦めるのでした。
それから3日間、マシコの許でLSD漬けの生活を送ったタイラーは家へ戻りますが、激しい幻覚症状に襲われながらスタンの作った彫像の中に理想の女性を見出し、その女性と夢のようなひとときを過ごします。
幻覚から覚めたタイラーはリサに別れ話を切り出し、彼女を置いて1人街を彷徨いますが、帰宅後、彼を待っていたのはリサの惨殺死体でした…。

DVDに付いていたブックレットによれば、この映画に筑波久子が起用されたのは

監督が彼女の歌に惚れ込んでいた

からで、そのために彼女の登場シーンを作っちゃったんだとか。
でも、当時の彼女はまだ英語がよくできなかったので、監督自らセリフの特訓に乗り出し、どうにかこうにか格好がついたという次第。

しかし、彼女の歌に惚れ込んでいたって、どこで聴いたんでしょ、歌。
っていうか、どういうお知り合い?

追記:DVDの特典に付いていた監督のインタビューとオーディオコメンタリーによると(あくまで自力で聞き取れた範囲です。他にもいろいろくっちゃべっていたのですが、細かい部分までは聞き取れず仕舞い…orz)、監督が日本へ行った時、ナイトクラブで歌う筑波久子を見て一目惚れ、彼女は英語が全くできなかったけれどマネージャー(たぶん彼女のお姉さん〔禎子〕→"he"を使っていたので男性マネージャーらしいです)が英語ができたので「アメリカへ来て映画に出ないか?」と交渉、出演にこぎつけたのだそうです。
でも、そうなると、彼女の渡米の直接のきっかけはこの映画に出るためだった…ってことになるのでしょうか?
また、後述するように彼女のふっくら加減から類推すると、映画の完成及び公開は1965年ですが、撮影自体はもっと以前(1964年頃)に行われたような気がします。→DVD付属のブックレットによれば、クランクインは「1965年1月頃」とのことでした。

追記(その2):というわけで、困ったときの友人頼み。信頼できるお友達にお願いして該当部分を翻訳して頂きました。で、以下はその要約。

・監督のコメント
(監督が日本で彼女を見て一目惚れしてスカウトした、という話は前記の通りなので省略)
台詞は監督が口移しで教え、彼女はそれを耳で聴いて覚えた上で喋った。
ニューヨークには5~6日間滞在し、グリニッジ・ヴィレッジのナイトクラブ「ビター・エンド」で撮影を行った。
撮影のさいの歌は口パクで、後から彼女が連れてきたバンドと一緒に(歌を)吹き込んだ。
彼女を映画に起用して正解だった。本当に美しい女性だった。

・(ついでに)タイラーを演じたPeter Ratrayのコメント
彼女の周囲にはマネージャーたちが常にいて、(彼女を)アメリカでビッグスターにしようと努力していた、彼女は英語ができないのに。
彼女が喋れたのは「ハロー」だけだった。
彼女が初めて撮影現場にやってきたときのことをよく覚えている。彼女は白いミンクのコートを着てやって来たが、その姿はとても神々しかった。「わあ、本物のスターだ」と思った。

しかし、監督もPeter Ratrayも聞き手の映画評論家(お名前失念)の方も皆、彼女が後の『ピラニア(Piranha)』のプロデューサー・Chako Van Leeuwenであることを全く認識していないご様子。
監督や俳優さんはともかく、評論家の方はそのぐらい調べて(監督や俳優さんに)教えてあげなきゃ。

アメリカでも歌うグラマー。

で、監督の肝いりで映画の主題歌も歌っているんですけれど(タイトルバック及び劇中で流れます)、それがまるっきり日本語のムード歌謡なのよ、奥さん。
一応歌詞をメモしたのですが、これが既成曲なのか、それとも彼女のために誰かが作ったオリジナル曲なのかは残念ながら解明できず。
コソーリうpしておきますんで、ご存知の方がいらっしゃいましたらご教示下されば幸いです。

序唱 
小さなクラブの片隅で
ほのかに燃えた愛の火が
むせび泣くよなトレモロに
今宵静かに消えました

一、
一人ぼっちにさせないで 私は夜が怖いのよ
あなたの瞳が笑ったら 私もこれきり泣かないわ
手を取りあっていつまでも 見つめていたい私なの

二、
一人ぼっちにさせないで 私は夜が怖いのよ
あなたに会えなくなってから 余計に淋しくなりました
肩寄せあっていつまでも 抱かれていたい私なの


『海女の岩礁』の中で彼女の歌を聴いた香月美奈子が、

おかしな気持ちになった

と言っていましたが(セリフね、セリフ)、監督もやっぱりおかしな気持ち(どんな気持ちだよ、それ)になっちゃったのでしょうか。

ところで、1963年の暮れ(ないしは64年初め)に渡米後、66年に一時帰国して出演した『黄金バット』では、思わず「くちなしの花」を歌いたくなるような激ヤセぶりを見せていたチャコさんですが、

こちら、『黄金バット』のチャコさん。
ヒロインである高見エミリーがその後激太り
したのとは対照的ですわね。

この映画ではまだ若干ふっくら感があり、渡米する少し前の作品(『残月大川流し』あたり)とそう変わらない印象です。

しかし、かつての正義の味方(くれない天使)がLSDをご推奨って、『処女監禁』の伴直弥みたいなもんか?(ちょっと違うと思うけど)

LSDでラリったタイラーとの
熱烈キスシーンもございます。

『処刑軍団ザップ』+LSDということで、もっと過激な映画を想像していたのですが(幻覚の中で大量殺人、流血の大惨事!とか、ラリって乱交オパーイ三昧、とか)、至って普通の映画でした…というか、普通過ぎて拍子抜け。
お色気ムード歌謡からサイコサスペンスへ、という落差の激しさはまあ面白かったけどね。


おまけ:『黄金バット』でのチャコさんの役どころは国連の秘密機関員・ナオミ。
途中、敵であるナゾーの部下(国景子)とのキャットファイト(おいおい)に敗れてしまうんですが、この部下の名前がよりによってピラニア

あたしがピラニアよ!

で、ピラニアはまんまとナオミに化けて組織に潜入するんですけど、
向かって右が本物のナオミ、
左がピラニアが化けた偽ナオミ。

この邪悪な偽ナオミ様がかなりいい線イってます。

思い通りに事が運ばず
いらだつ偽ナオミ様。


夜更けに高見エミリーを
たぶらかす偽ナオミ様。

せんきち的にはかなりのツボですた。



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