感じで始まるんですけど、その後は…
1961年、ニュー東映東京。小沢茂弘監督。片岡千恵蔵、進藤英太郎、三島雅夫、佐久間良子、水谷良重、江原真二郎、筑波久子、他。
どうも。
トド@相変わらず食べてますです。
この間観た映画のメモ。
ニュー東映のバカ映画。
どのくらいバカかというと、香港映画ファンなら皆知ってる『大英雄(射鵰英雄伝之東成西就)』ぐらいバカです。
詳しいストーリーはこちらをご参照いただくとして、雪男を巡るすったもんだの大騒ぎがやがて国際的な重大犯罪の犯人探しへと展開する…と書くと、なにやら物々しいですけど、何しろバカですんで出てくる国際捜査官もヨッチィ・三谷(水谷良重)とかあやしい、というか、テキトー過ぎるネーミング。
話のオチも、実は雪男はシェルパだったというもので、身長はともかくあんなに毛深くて凶暴でしかも生きたヤギが大好物のシェルパなんて、よく
ネパール大使館から抗議が来なかった
ものだと思います。
一歩間違えれば『九十九本目の生娘』や『獣人雪男』と並ぶ「禁じられた山の民」映画になるところをぎりぎりで踏みとどまったのは、山の神がなせる奇跡か、それともあまりのバカさ加減ゆえか(たぶん後者)。
胸毛コンテストに景品のヤギ2頭目当てで参加する大学教授・片岡千恵蔵御大(「教授があんなバカなことするの?」という筑波久子の台詞に場内から笑いが)もさることながら、特筆すべきはボリショイの熊三こと進藤英太郎のはじけっぷり。
梁朝偉のタラコ唇に匹敵するバカ演技で、「あの名優が」と否定的な見方をするむきもありそうですけれど、わたくしはむしろそのプロ意識に感服しました。
東映映画らしく(?)、そこが(大泉の)ラスベガスであろうと、その人がアメリカ人であろうとフランス人(ヌーヴェルヴァーグ博士って、どんな博士だよ)であろうと話す言語はあくまで日本語ですが(ラスベガスのラジオ放送も日本語)、そんな中で三島雅夫扮するチャン博士の日本語が、いかにも日本語が流暢な外国人の日本語といった雰囲気でなかなかよく感じが出ていました。
ちなみに、雪男実はシェルパを演じた羅生門は台湾出身の元力士でプロレスラー(詳しい経歴はこちら)。
力士時代の最初の四股名が「新高山」というところが台湾出身らしいですが、この映画では毛むくじゃらのメイクで、千恵蔵御大と「イポカルチョ」とか「~サンチョ」とか「ダダ!」とか、謎の言語で会話していました。
ところで、この映画の進藤英太郎を観ていて「もしかして、これって『道』のアンソニー・クインのイメージなのかしらん」とも思ったのですけれど、アンソニー・クインを東映流に翻訳するとああなっちゃうんでしょうかねえ。
となると、筑波久子演じるジーナは、
アンソニー・クイン→『ノートルダムのせむし男』→ジーナ・ロロブリジーダ
という連想なのかという気もしますが、2人の出会いも「日本アルプスで遭難していたジーナをきこりの熊三が助けた」という「こんなんで登山やってまーす!」(by.ジーナ)な謎のシチュエーションで、あんまり深く考えないほうがいいですね、やっぱり。
どーでもいいけど、この頃の水谷良重ってエリカ様と同じ匂いがするね。
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