2005年6月1日水曜日

新娘與我 (The Bride and I)

〔えいが〕

1969年、台湾(中影)。白景瑞監督。甄珍、王戎、魏蘇主演。

今、まさに結婚式を挙げようとしているテレビ局の広告デザイナー・方大維(王戎)と花嫁・林美雲(甄珍)の過去の恋愛から2人の出会い、そしてゴールインまでを描いたロマンチック・コメディ
第7回台湾金馬奨監督賞、編集賞、第15回アジア映画祭(現・アジア太平洋映画祭)録音賞受賞。
1969年の台北市における北京語映画興行収入第2位。

冒頭、軽快なアニメーションによるタイトルバックから、このアニメの登場人物が狂言回しとなって、まず現代の結婚式の色々を紹介、その後、主人公のカップルが紹介されて、2人が過去どんな恋人と付き合ってきたかに話題が移ります。
この辺りから2人の出会いまでは非常にテンポのよいストーリー運びで、「こりゃ、おもろいわい!」とわくわくしながら観ていましたが、美雲が大維を両親(父親役は「中影の明佳男(ミョン・ゲナム)」〔勝手に命名〕こと魏蘇)に紹介して父親が大反対する件から徐々にもたつき始め、停滞気味になってしまったのがいかにも惜しまれます。

東宝作品でもおなじみの甄珍(チェン・チェン)は元々李翰祥率いる國聯の看板女優(國聯五鳳)の1人でしたが、國聯の解散後、中影作品を中心に活躍するようになりました。
これはその最も早い時期の1本です。
ちなみに、この方と結婚していた時期もあります。

主役2人の他、大維の最初のガールフレンド(贅沢好き)役に張小燕、図書館で一目惚れするものの振られてしまう娘の恋人に馮海、美雲の最初のボーイフレンド(ドケチ)に武家麒、等々、主役級の俳優がちょこっとずつ顔を出していました。

ところで、一見、政府のプロパガンダとは無縁のように思える本作品ですが(登場人物が全て外省人という点は除く)、大維が開く「国産衣料品によるファッション・ショー」は、おそらくは政府による国産衣料の国内消費&輸出量拡大という(当時の)方針に乗っ取ったものと思われ、やはりこんなところにも政治がちらりと顔を出すのだなと思いました。
ラスト、ファッション・ショーの撮影にあたって協賛した企業の名前が出てきますが、その中には繊維業界から身を起こして一大コンツェルンを築いた新光の名前もありました。

返す返すも中だるみが惜しまれる一品です。

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