2008年2月4日月曜日

やっぱり、やめちゃいました

〔ちょっとお耳に〕

1965年、おめでとう。

『西施』の話が出たついでに。

ご存知の通り、『西施』は李翰祥率いる國聯と官製映画会社・台製の提携作品ですが、実は両者の提携作品はもう1本あったようで、せんきちが以前台北の古道具屋で入手した1965年のカレンダーには、『風塵三俠』なる作品が『西施』と共に大々的に取り上げられています。

カレンダーに記されたところによると、『風塵三俠』のスタッフ及びキャストは下記の通り。

スタッフ

製作:周天固、楊樵
脚本:高陽
監督:李翰祥(この他「執行導演」として、王月汀、趙振秋、楊文淦の名前があります)
助監督:陳汝霖
美術:顧毅、曹年龍
撮影:祁和煕
録音:洪瑞庭

キャスト

紅佛:張美瑤
李靖:楊群
虬髯客:洪波
楊素:李冠章
李世民:佟林
劉文静:古軍
孫道士:呉桓
隋文帝:馬驥
隋煬帝:趙雷
宣華夫人:李湄

タイトルとキャストからおわかりの通り、李靖、紅佛(最近では舒淇も演じてましたね、たしか)、虬髯客のいわゆる「風塵三俠」のお話です。

張美瑤演じる紅佛。


李靖(楊群)と紅佛(張美瑤)。


同上。張美瑤の乗馬姿。

『西施』が國聯の看板女優・江青が主演だったのに対して、こちらは台製之寶・張美瑤が主演でして、つまり、互いに1本ずつ看板女優の歴史超大作を撮る、ということでバランスを図ろうとしたのでしょうが、この映画、『台灣電影筆記』にある張美瑤のプロフィールでは本文でこそ触れられているものの、作品年表には記載がありません。
「おかしいなあ」と思っていたら、同じく『台灣電影筆記』所収の龍芳(台製中興の祖)のプロフィールにはこの作品が「未完成」とあり、なるほど、お蔵入りしちゃったんですね。

うーむ。
カレンダーの写真を見る限りでは、かなりの部分撮り終えていたようなのですが・・・・。
ここまで撮っておいて止めるか、李監督よ。

李監督と言えば、村木忍を台湾に呼んで美術デザインまでさせておきながら製作を止めちゃった映画もあったみたいですから、ここまで来ると、単に

飽きっぽい人

なのではないかと勘ぐりたくなってきます。

ちなみに、昨年香港で出た『風花雪月李翰祥』巻末の李監督の作品リストにこの作品の名前はもちろんありませんし、「李翰祥未完成的作品」の項からも漏れています。

未完成でもいいので、フィルムが残っていたら、ちょいと観てみたいもんですけどねえ。

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