〔えいが〕
1969年、香港(邵氏)。張徹監督。林沖、何莉莉、羅烈、林嘉主演。
1960年代、日本を拠点に歌手・俳優として活躍した台湾男星・林沖(リン・チョン)が邵氏で主演した作品。
この作品以降、本作のタイトルからとった「大盗歌王」が彼の代名詞となりました。
ストーリーは、ヒッチコックの名作『泥棒成金』の翻案です。
かつて宝石泥棒として鳴らし、今は歌手としてナイトクラブを経営する潘(林沖)の名を騙る連続窃盗事件が発生、警察は彼を疑いますが、潘は警察の手を逃れながら真犯人を探し、ついにその正体を突き止めます。しかし、それは意外な人物でした・・・・。
念のため、『泥棒成金』と本作のメインキャストとを対照させると、ケイリー・グラント=林沖、グレース・ケリー=何莉莉(リリー・ホー)、シャルル・ヴァネル=羅烈(ロー・リエ)です。
林沖の歌を活かしたミュージカルシーンとアクションシーンを中心にお話は進みますが、全体にテンポが悪いため、87分という上映時間にも拘らず、かなり長く感じられました。
ヒロインも、はっきり言って何莉莉よりも羅烈のパートナーを演じていた林嘉(リン・チア)の方がキュートで魅力的だったので、なぜ彼女がヒロインじゃないんだ?と疑問に思いましたです。
ただし、衣装をとっかえひっかえして出てくる林沖はかっこいいので、「林沖男前ムービー」として観る分にはいいかも知れません。
ちなみに、劇中の挿入歌の歌詞も張徹(チャン・チェー)監督が書いています。
監督、林沖のことをけっこう気に入ってたんじゃないでしょうか。
彼のことを素敵に撮ろう素敵に撮ろうとしている意欲が、画面から溢れ出していました。
なお、付け加えると、この映画の林沖の台詞は吹替です。
歌は本人のものが使われていたようですが、羅文(ロー・マン)ヴァージョンも存在するとかしないとか。
ご本人の声が聞きたい向きは、東宝の『香港の星』や『ホノルル・東京・香港』、『香港クレージー作戦』をご覧下さい。
台湾訛りのある北京語と日本語が聞けます。
荔園と、
香港殯儀館が出てきました。
>林沖の歌を活かしたミュージカルシーン
返信削除ここが羨ましい(笑。セリフは吹替えでも歌は本人ですよね?
先日出た姜大衛の「小煞星」の吹替えミュージカルシーンは酷かったです。歌は良いのですが大衛があまりにやる気が無いのバレバレで。こちらの方も張徹が作詞をしてました。
「小煞星是我、我是小煞星~」となかなか良かったデス。
DHSさん
返信削除こんにちわ。
たぶん、歌は本人のものだったと思います。
ただ、レコード会社の契約の関係で(たぶん)、サントラでは羅文が歌っているみたいなのですが。
また、この後の『青春萬歳』になると、林沖オリジナル歌声ヴァージョンと羅文吹替歌声ヴァージョンの2ヴァージョンが、同時上映になったそうです。
歌はともかく、ダンスはかなりぬるかったです。