2007年7月5日木曜日

橋 (Bridge)

〔えいが〕

アタシモ出テルヨ!

1966年、台湾(中華、龍裕)。張曾澤監督。張美瑤、柯俊雄、武家麒主演。

拙ブログのBBSで既に取り上げましたが、楊德昌監督がお亡くなりになりました。
はからずも遺作となった『ヤンヤン 夏の思い出(一一)』に出てくる熱海のつるやホテルには、うちの母の友人が勤めていた関係でよく泊まりに行っていました。
だもんで、映画館のスクリーンに見慣れた2階のラウンジが映ったときにはびっくり仰天。
しかし、その後泊まりに行った時に「台湾映画のロケ隊が来ていたでしょう?」と母の友人に聞いたら、「ああ、なんだか、そんなような人たちが来ていたなあ」と気のない返事でがっかりしたものです。
しばらくして、吹き荒れる不景気風をもろに受けたホテルは閉館、母の友人も別のホテルに移っていきました。
つるやも監督もいなくなってしまいました。

では、本題に移りましょう。

表題の作品は、以前にも書いたとおり、張美瑤と柯俊雄の出会いのきっかけになった作品であり、また、歌手になる前の歐陽菲菲が張美瑤の家のメイド役でちょっこし出演していることでも特筆すべき作品であります(原作は冷冰の『曇花夢』)。

が!

これがまあ、先だってご紹介した『珊珊』(やけくそ気味の感想文はこちら)をしのぐ、

突っ込みどころてんこ盛り

の映画でしたわ、奥さん!

以下、超いいかげんなストーリー解説に沿って、ガンガン突っ込んでいきたいと思います。

両親を亡くし、おば夫婦と暮らす女子大生・沙心涓(張美瑤)は、いつも通りかかる橋の袂で出会う1人の孤独な紳士(柯俊雄)に胸のときめきを覚えます。

お若いねーちゃんがロマンスグレイ(死語)の紳士に胸ときめかせるというパターンですけど、柯さんのいでたちといったら、黒づくめの服(シャツのみ白)にオールバック、そしてなぜかプードルを連れているという不気味なもので、正直、

公園の見せ見せおじさん

かと思いましたよ。

その後いろいろあって2人は案の定恋に落ちるんですが、年の差を理由に交際をためらう白希達(柯桑。ほとんど老けメイクをしていないため、あんまり年取って見えない)に燃えろアタック!を繰り返す心涓、ほどなく2人はラブラブまっしぐらとなるものの、しかし、白は大きな秘密を心涓に隠していました。
それは、

妻子持ち

だということ。
しかも、白の息子は心涓に思いを寄せるクラスメートの白鋼(武家麒)だったのです・・・・って、あんた、柯桑の息子が武家麒だなんて(老け役とはいえ)、

いくつの時に作った子だよ!

やがて心涓と白の関係は鋼の知るところとなり、白の妻が心涓に別れてくれと迫ります・・・・が、すげーよ、奥さん、すげーババアだよ。
さては柯桑、

フケ専だったのか?

と思いきや、鋼は奥さんの連れ子で、しかも愛のない結婚だったため長いこと別居中であったことがわかって、少し安心(何を安心?)。

このまま2人が生きて添い遂げることは不可能だと悟った心涓は、思い出の橋で白に心中を持ちかけます。
おお、橋と心中といえば、

天の網島』じゃないの!

しかし、白はこの申し出をやんわり拒否、心涓は「君の長い髪が好きだ」と言ってくれた白(何故かというとね、それは、白さんの昔の恋人も長い髪の女性だったからなんだよ。ほんと、男って、昔の恋を引きずるものなんだねえ)に己の黒髪を託してその場を立ち去るのでした。
でも、髪の毛って、ふつう、

呪詛の対象

じゃありませんか?

こわいよー。

白は去っていく心涓を追いかけるものの途中で転倒、そのまま誤って崖下に転落してしまいます。
白の命が危ないという知らせを聞いて病院へかけつけた心涓でしたが、心涓の姿を見届けた白はそのまま息を引き取ります。
心涓は、愛する人とは結ばれないこの世の定めを1人嘆くのでした(劇終)・・・・って、

おいおいおいおい!

あんたが髪の毛なんか渡すから

呪われちゃったんだろ!

気付けよ!


というわけで、映画の内容もすごかったですが、それ以前の問題として柯桑が全くのミスキャストで、たそがれた中年紳士というよりは年上のお姉さん(張美瑤)に甘えるやんちゃな弟分にしか見えないのが致命的でおました。

でもなんでさあ、白さんはあんなおばさんと結婚しちゃったんだろう?
しかもおばさん再婚だよ。

付記:この他、おばのビジネスパートナー(魏蘇)がしつこく心涓に言い寄ってレイプ未遂、とか、そのビジネスパートナーは実はおばの昔の恋人で、親の反対で結婚できず今の夫と結ばれたものの夫は浮気三昧、心涓は愛のない結婚について考える、なんていう件もありましたが、あまりにメインのストーリーがすごいため、割愛させていただきました(スマソ)。

(於:香港電影資料館)

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こんにちは。この映画は有名なのか、香港で毎年1回は深夜に放映されていました。以前、二度ほど見た記憶がありますが、うろ覚えで(途中で寝たり)、そうですか~、ほんと突っ込みどころが満載なのですね。また改めて見返してみたいです。どちらで売っていましたか?Yesasiaさんでしょうか?

匿名 さんのコメント...

hoisamさん

こんにちわ。
ソフトは出ていないみたいです。
電影資料館にビデオがあったので、それを視聴しました。
1年3ヶ月ぶりに行きましたが、手荷物預け用ロッカーが設置されたり、視聴ブース入口にも受付が出来たりと、けっこう厳重になっていました。
テレビも薄型テレビに機種変更していました。