1969年、日活。井田探監督。和田浩治、藤竜也、岡崎二朗、佐藤サト子主演。
帰ってきました。
で、新年一発目です。
「女狩り」と書いて、「すけがり」と読みます。
以前購入した『別冊近代映画 春のムードグラマー特集号』(1969年4月号)に本作の記事が載っていて、なんとなく気になっていたのですが、このたび鑑賞することができましたので、取り上げてみることにいたしました。
ちなみに、『別冊近代映画』にはこの映画に関して、
若者の街!新宿の夜の盛り場に拡がる、GOGOクラブ、アングラバー、デイトクラブをバックに、そこにうごめくセックスと悪と執念に賭ける男どものリアルなアクション篇
とありますが、実際の作品にGOGOクラブは一切出てきませんでした。
おおまかなストーリーはこちらをご参照して頂くとして、つまりは工場でせっせと働いて貯めた金を握り締め恋人と駆け落ち、夢の大都会・新宿へやって来たものの、やくざに因縁つけられて恋人を拉致された上有り金巻き上げられた挙句、自分は傷害罪でムショに送り込まれるという不幸に見舞われた純情青年が、臭い飯食う中で大変貌を遂げ、かつて自分をどん底に陥れた街・新宿の夜の世界でのし上がってゆく、というお話のようです。
そんな中で、夜の世界を牛耳る大物華僑・康成哲(「こう」「こう」と言ってるので、てっきり「黄」かと思ったら「康」でした)との対決に突入するわけですが、あの日拉致された恋人が今では康の愛人になっていた(浮気ができないように貞操帯で拘束されています。『責め地獄』みたいに鍵が折れるというベタなギャグはなし)というおまけも付いて、「下克上プラス復讐」な展開となります。
全体としては、無国籍アクションの残り香漂う任侠物(でいいのかしらん?藤竜也なんか、最初はスーツなのに後半は着流しにドスというルックスに変貌)に現代の風俗とエロ風味を加えた映画・・・・のような感じでしたが、それにしても、拉致された恋人の両親、娘が行方不明になって捜索願とか出さなかったんだろうか。わからん。
岡崎二朗が学生運動崩れのフーテン役で「カストロ」というニックネームなのですが、見た目は「ゲバラ」でした。
で、最後はこの岡崎率いるフーテングループがヘルメットにゲバ棒握り締めて駆けつけ和田浩治に加勢、投石や火炎瓶攻撃で康一味を蹴散らします。
和田浩治はなんか暗いだけでいいとこ無し。
さらに、流しにして藤竜也の子分である矢吹健(うちの近所でカラオケスナックやってました)の歌声と、恋人役・佐藤サト子の地味なルックスがその暗さにいっそうの拍車をかけておりまして、なんというか、どことなく裏淋しい心持のする映画でおました。
で。『別冊近代映画』では本作のことを「夜の最前線シリーズの第1弾」と書いていまして、いろいろ調べてみたところ、2作目もちゃんと製作されておりました。
最後にもう一言だけ付け加えると、悪役=華僑という図式もワンパターンのような。
新宿歌舞伎町だから、これって台湾華僑なのでしょう、きっと。
なんだかなあ。
付記:ラスト、岡崎扮するフーテンはガールフレンドの故郷である北海道で暮らす道を選びますが、この人、今頃は環境保護運動(自らも無農薬野菜を栽培)とかに深入りしてそうな予感が・・・・。
お刺身を持ってきてくれました。
さっそくお昼に頂きました。
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