以前、旧ブログに邵氏の『金瓶梅(金瓶雙艶)』日本版チラシの紹介を載せたことがありました。
そのとき、
ビクターからサントラレコード、角川書店から原作本も発売された模様です。
と書きましたが、つい最近サントラレコードを発見しましたので、ちょっとばかしご報告を。
このレコード、かつてよくあったEPサイズのやつで、レコード会社が出しているリストには、
A面 金瓶梅のテーマ
B面 金瓶梅第2のテーマ
とありましたが、実際には、
A面 金瓶梅のテーマ
B面 武則天のテーマ(モノラル)
という、『金瓶梅』に『武則天』の音楽をむりやりカップリングした不思議なレコードでした。
なんで『金瓶梅』と『武則天』をくっつけちゃったんでしょう?
日本上陸を果たしていました。
と、まあ、なんだか奇妙なサントラですが、解説もふるっています。
★欲望の華「金瓶梅」
76年も映画界は「続エマニエル夫人」の大ヒットで開幕した。
この種のファッション・ポルノは続々と待機している。まず「O嬢の物語」「ローラ夫人」「ブラック・エマニエル(仮題)」等々。
何はともあれ、76年はポルノ全盛の年と云えるかも。ポルノ解禁間近とも云える。
でも、でも、男性諸君にとってはやはり少しものたりないのが、真実ではなかろうか。と云うのは、ファッション・ポルノは名の通り、女性を対象にしているから当然。ズバリ、男性にとってはこれでもか、これでもかと見せてくれるハード・コアでなければ・・・・と思う。この映画「金瓶梅」がまさにそれ。制作は香港、香港と云えば今は亡きブルース・リーを生んだ所。日本で香港映画が公開されるのも珍しいが、ポルノ映画は初めて。しかも、「蛇」(蛇姦。『蛇殺手』のこと。この映画も日本で公開されました・せんきち注)などがつづいて公開される。(略)
制作は香港最大の映画会社、ショー・ブラザーズで、スタッフ、キャストも一流の人たちが担っている。特に監督のリー・ハン・シャンは、「江山美人」「傾国傾城」などを撮って時代劇の巨匠と云われている人である。
「『金瓶梅』=ハード・コア」(全然そんなんじゃないんですけどね)
と書いたすぐ後で、いきなり
「香港と云えば今は亡きブルース・リーを生んだ所」
と、あさっての方向に話題を持っていく、この素晴らしすぎる解説を書いた方って、いったい誰なんでしょ。
気になる音楽に関する解説も、
★音楽(「金瓶梅のテーマ」)
生ピアノのイントロで始まるこの曲は、一聴、ソウルっぽく、バタ臭い印象を与えるが、映画の中で不思議な程とけ合っていて相乗効果を出している。映画の中ではオープニングなどに使われているが、特に、主人公の西門慶と潘金蓮とのベッド・シーンでは、その激情のひとときの感情を見事に盛り上げ、同時にシタールの奏でる後半部分はファンタスティックにさえ感じさせてくれる。
と、やたらとハイテンションなくせに、肝心の作曲者(陳勲奇)への言及もないし、B面も全く無視。
つくづく、不思議なサントラです。
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