〔べっぴんさん〕〔ディーピカー・パードゥコーン〕〔Deepika Padukone〕〔えいが〕
魅惑のべっぴん沼にようこそ!
どうも。
トド@明日は成田HUMAXシネマズのIMAXシアターで『トリプルX 再起動』を見ます!です。
さて。
強化合宿のご報告は
前回 で一応の終結を見たわけですが、いよいよ明日が『トリプルX 再起動』の日本公開日だというのに、公式さんからはべっぴんさんに関する紹介記事も特典映像(あるんだよー、特集&インタビュー映像。気になる人は
海外のパラマウントのようつべページ を探してね)も出ないようなので、ならば!「関東ディーピカ連合東京親衛隊長兼日本ディーピ化計画推進本部長」(自称)である不肖せんきちがやってやろうじゃないの!ということで、べっぴんさんの超大ざっぱなプロフィール及びレンタルDVDで見られる出演作品のご紹介を主とした「魅惑のべっぴん沼」記事をアップすることといたしました。
『トリプルX 再起動』で検索して、間違えて(?)こちらへお越しになってしまった皆様も、ぜひこの記事をお読みになって、べっぴんさんの本拠地・インドでの出演作品をご覧になって下されば幸いです。
(その生い立ち~映画界入りまで)
我らがべっぴんさんことディーピカー・パードゥコーン(Deepika Padukone・注1)嬢は、1986年1月5日デンマークのコペンハーゲンで生まれました。
インド人として初めて世界ランキング1位となった名バドミントン選手プラカシュ・パードゥコーンを父に持ち、父のトレーニング先であるデンマークで生まれたべっぴんさんは、生後11ヶ月で家族と共に母国インドに戻り、以降は南インド・カルナータカ州のベンガルール(バンガロール)で育ちます。
少女時代は父の後を追ってバドミントン選手を目指していたべっぴんさんでしたが(毎朝4時半起床→トレーニングの後、学校へ→学校が終わった後もトレーニング、という毎日だったようです)、長じてファッション界に身を投じ、モデルとしての道を歩み始めます。
ファッションモデルとしてのべっぴんさんは、キングフィッシャー・ファッション・アワードのモデル・オブ・ザ・イヤーを受賞、メイベリンの広告にも起用される等の活躍を見せますが、そんな彼女を映画界が放っておくわけはありません。
2006年にカンナダ語映画"Aishwarya"で女優デビューを果たしたべっぴんさんは、2007年、ボリウッド(ヒンディー語映画)の売れっ子振付師で映画監督のファラー・カーンに抜擢され、『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』で大スター シャー・ルク・カーンの相手役を務めることになるのでした(注2)。
べっぴんさんがモデルを務めた
メイベリンの広告。
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べっぴんさんの最初期のCM。
Closeupという歯磨き粉のCMです。
(恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム)
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"Dhoom Taana"
2007年、ファラー・カーン監督(原題:Om Shanti Om)。
1970年代と現代のインド映画界を舞台に、時空を超えた恋の行方をあっと驚く展開で描く作品(こうして書くとなんだか陳腐ね。とにかく見て!)。
不肖せんきちは、劇場で36回見ましたです(現在も記録更新中)。
この作品で売れっ子若手女優シャンティプリヤとベンガルール出身の現代娘サンディの二役を演じたべっぴんさんは、フィルムフェア賞(この作品の中にも授賞式のシーンが出てきますが、日本で言えばブルーリボン賞のようなインドの主要映画賞。決して日本アカデミー賞とは言わないところがミソ)新人女優賞を受賞、一躍人気女優となります。
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日本版予告編。
日本では2013年に劇場公開されたこの作品、ぴあの初日満足度ランキングでは堂々の1位を記録、各地で開催されたマサラ上映も話題を呼び、今年に入ってからは
宝塚歌劇団によって舞台化 される等、長く愛される作品となりました。
(チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ)
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"Chandni Chowk To China"
2009年、ニキル・アドヴァニー監督(原題:Chandni Chowk To China)。
ワーナー・ブラザースがインドで製作、中国で大規模ロケを行った作品。
悪の勢力に虐げられた中国のとある村の民がインドから助っ人を呼んで戦うという『七人の侍』系のストーリーに、周星馳作品でおなじみ「ダメ男の覚醒」、古今東西様々な作品で描かれてきた「生き別れになった家族の再会」を盛り込んだ作品。
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日本版予告編。
この作品で、べっぴんさんはミャオミャオとサキという双子の姉妹を演じています(やっぱり二役ねー)が、何より特筆すべきは邵氏(ショウ・ブラザーズ)を代表する武打星であった劉家輝(ゴードン・リウ)との共演。
つまり、べっぴんさんはドニーさん(甑子丹。ドニー・イェン)と劉家輝という新旧2人の偉大な武打星と共演した唯一のインド女優ということになるのです。
さらに、べっぴんさんの父親を演じたロジャー・ユアンは、『
ソード・オブ・デスティニー 』でドニーさんと共演しており、そんなところにもべっぴんさんとの繋がりがあるのですね。
この後、2010年から2011年にかけて、女優として伸び悩んだ時期もあったべっぴんさんでしたが、2012年の『カクテル』(IFFJ〔
インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン 〕2012で上映)で一見奔放ですが内面はピュアで寂しがり屋な女性ヴェロニカを好演、女優としての転機を迎え、翌2013年は大躍進の1年となります。
(チェンナイ・エクスプレス 愛と勇気のヒーロー参上)
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"Titli"
2013年、ローヒト・シェッティー監督(原題:Chennai Express)。
亡くなった祖父の散骨にかこつけて悪友たちとゴアへ遊びに行こうとしていた独身貴族(死語)の主人公が、ひょんなことから許婚との結婚を嫌って実家から逃げてきた娘を助けることになり……という、巻き込まれ型アクション・コメディ。
『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』の後、二度目のシャー・ルク・カーンとの共演作。
べっぴんさんは、ツンデレ家出娘 ミーナを演じています。
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日本版予告編。
この年(2013年)、べっぴんさんは出演作(4本)全てがメガヒットを記録、『銃弾の饗宴 ラームとリーラ』(IFFJ2015で上映)で、ついにフィルムフェア賞主演女優賞を受賞します。
ハリウッドからも『ワイルド・スピード SKY MISSION』出演のオファーが舞い込みますが、スケジュールの都合で断念、しかし、これが今回の『トリプルX 再起動』出演に繋がることとなります。
と、現時点でレンタルDVDで見られるべっぴんさんの作品はここまで。
(ハッピーニューイヤー)
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"India Waale"
2014年、ファラー・カーン監督(原題:Happy New Year)。
『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』から7年、再びファラー~シャー・ルク~ディーピカの鉄三角で送るインド版ずっこけオーシャンズ11(11人もいないけれど)。
べっぴんさんは野郎集団の紅一点モヒニを演じました(マレーシアにこの映画を見に行った記録は
こちら )。
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べっぴんさん初登場時の曲"Lovely"。
ここに至るまでファンは1時間焦らされ続けます。
この翌年(2015年)初め、べっぴんさんは
うつ病に冒されていたこと を公表、特にこの作品は闘病の最中での撮影であり、非常に過酷な状況であったようです(注3)。
治療のかいあって病を克服したべっぴんさんは、2015年に入って再び飛躍の時を迎え、『ピクー』(IFFJ2015で上映)で2度目のフィルムフェア賞主演女優賞を獲得、トップ女優の座を不動のものにしました。
そして、満を持してのハリウッド・デビュー、『トリプルX 再起動』への出演と相成るのでありました。
めでたしめでたし、と言いたいところですが、べっぴんさんの女優としての歩みはまだまだ続きます。
てなわけで、ここまでざっくりとべっぴんさんのご紹介をしてきましたが、上記作品の他にも日本で劇場公開や映画祭上映、あるいは自主上映された作品がありますので、それらの作品の中からいくつかピックアップしてご紹介していきたいと思います。
(今時の恋愛)
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"Dooriyaan"
2009年、イムティヤーズ・アリー監督(原題:Love Aaj Kal)。
今と昔、二つの時代の恋愛を対比させつつ、主人公2人のかりそめの関係が真実の愛に変わるまでを描きます。
べっぴんさん初期の代表作の一つ。
ヒロイン ミーラを演じました。
IFFJ2012で上映。
(カクテル)
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"Angreji Beat"
2012年、ホーミー・アダジャーニヤー監督(原題:Cocktail)。
舞台はロンドン。
ひょんなことから無二の親友になった女性2人。
そんな彼女たちの前に、浮気でC調(死語)な男性が現れて……という、女の友情と三角関係を描いた作品。
先述した通り、べっぴんさんは奔放ですがピュアな感性を持った女性ヴェロニカを演じました。
べっぴんさんが、女優として一皮剥けるきっかけになった作品です。
IFFJ2012で上映。
(若さは向こう見ず)
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"Balam Pichkari"
2013年、アヤーン・ムカルジー監督(原題:Yeh Jawaani Hai Deewani) 。
現代インドの若者達の恋と友情を描いた青春映画。
本国インドで大ヒットを記録したのみならず、インド映画として初めて全米オープニングチャートTop10にランクイン(9位)しました。
この作品で、べっぴんさんは臆病でイケていないガリ勉(死語)優等生ナイナ(ネイナ)を演じました。
このナイナが陽気なお調子者バニーによって臆病の殻を打ち破っていく過程が素晴らしく、また、後半で傷ついたバニーの心を今度はナイナが癒していくという対比も実にうまく描かれています。
日本では2014年にIFFJで上映された後、2015年に東京、2016年に大阪で公開されましたが、残念ながらレンタルDVDはないものの、アマゾンで
セルDVD が購入できますので、気になる方はぜひご購入下さい。
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日本版予告編。
DVDのクオリティはさておき、映画自体は本物、公開時にも映画レビューサイトCOCOのレビュアー満足度ランキングで
10位以内に食い込む健闘 を見せました。
(銃弾の饗宴 ラームとリーラ)
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"Negada Sang Dhol"
2013年、サンジャイ・リーラー・バンサーリー監督(原題:Goliyon Ki Raasleela Ram-Leela)。
『ロミオとジュリエット』に想を得た悲恋物語。
とは言え、敵対する家同士の血で血を洗う抗争や、跡目相続を巡る陰謀等、東映実録路線テイストもある作品なので、旧作邦画ファンにもおすすめしたい映画です。
べっぴんさんは、ヒロイン リーラを演じ、初めてのフィルムフェア賞主演女優賞を獲得しました。
IFFJ2015で上映。
(ファニーを探して)
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"Fanny Re"
2014年、ホーミー・アダジャーニヤー監督(原題:Finding Fanny)。
ハートフルでちょっぴりブラックなロードムービー(英語作品)。
この作品で、べっぴんさんは若き未亡人アンジーを演じました。
2015年の
第10回大阪アジアン映画祭 で上映されています。
(ピクー)
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"Journey Song"
2015年、ショージート・サルカール監督(原題:Piku)。
老いてますます偏屈になった父親とアラサー独身娘、そんなおもろい父娘の姿をユーモアとペーソスを交えて描いた作品。
父と娘だけでなく、親族みんなが「ああ言えばこう言う」人たちで、実に個性豊か。
そして、最後はほろりとさせられます。
べっぴんさんは、この作品で建築家として働きつつ頑固な父の世話を焼くヒロイン ピクーを演じ、2度目のフィルムフェア賞主演女優賞を射止めました。
IFFJ2015で上映。
(バージーラーオ・マスターニー)
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"Pinga"
2015年、サンジャイ・リーラー・バンサーリー監督(原題:Bajirao Mastani)。
マラーター王国の宰相バージーラーオとその第二夫人マスターニーの苛烈な愛の物語。
2016年のフィルムフェア賞作品賞、監督賞を始め、主要部門を総なめにした作品。
『銃弾の饗宴 ラームとリーラ』でべっぴんさんに初めてのフィルムフェア賞主演女優賞をもたらしたバンサーリー監督が、再びべっぴんさんをヒロインに起用して撮った作品。
べっぴんさんは、ヒロイン マスターニーを演じました。
2015年暮れから2016年2月にかけて、在日インド人による自主上映が東京、大阪等で開催されました。
(Tamasha)
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"Heer Toh Badi Sad Hai"
2015年、イムティヤーズ・アリー監督。
コルシカ島で出会ったインド人男女の一風変わった恋愛映画。
恋愛映画とは言いながら、物語の中核を成すのは男性主人公の本当の自分探しなのですが、べっぴんさんは彼の心のスイッチを押す(つまり、本当の自分に目覚めるきっかけを作る)女性タラを演じています。
が!
この映画、なんと、東京ロケ作品なのですよ。
べっぴんさんも2015年4月にほんの数日だけ東京に滞在、新宿副都心(コクーンタワー等)や東京国際フォーラムでの撮影をこなしました(べっぴんさん来日をめぐる不肖せんきちのすったもんだは
こちら を参照)。
イムティヤーズ・アリー監督はこの作品の日本ロケがきっかけで、本作の撮影協力を行った松竹に起用されて、
日本・インド合作映画 "Love in Tokyo"を撮ることが決まっています。
ただ、残念ながら、自主上映、映画祭も含め、日本での上映機会はまだありません。
注1:『トリプルX 再起動』においては、ディーピカ・パーデュコーンというカタカナ表記になっていますが、こちらではこれまでの慣例に従い、ディーピカー・パードゥコーンと記させて頂きます。
注2:ご存知の方も多いと思いますが、多言語国家であるインドでは、それぞれの地域でそれぞれの使用言語による映画製作が行われており、いわゆる「ボリウッド映画」と呼ばれるヒンディー語映画は、ムンバイ(ボンベイ)で製作されたヒンディー語による作品を指します。この他、主なところでは、タミル語(タミル・ナードゥ州)、テルグ語(アーンドラ・プラデーシュ州、テランガーナ州)、カンナダ語(カルナータカ州)、マラヤーラム語(ケーララ州)、ベンガル語(西ベンガル州)、マラーティー語(マハーラーシュトラ州)等による映画が作られています。
注3:その後、べっぴんさんは
Live Love Laugh Foundation という財団を設立、メンタルヘルスに関する啓蒙活動や、心の病に苦しむ人たちの支援に取り組んでいます。
(ひとまずおしまい)