2010年2月27日土曜日

踊るポンポコリンじゃなくてニュウ・ヨーク

〔しようもない日常〕〔えいが〕

浅田真央ちゃんに捧げる歌。
泣いてもいいから前を見ろ。
次は世界選手権だ!

どうも。
トド@メタボ脱出(BMIが正常値に戻りますた)です。

さて。

昨日はねえ、残念だったねえ。
悔しくて、真央ちゃんの演技直後のインタビュー見ながら一緒に泣いちゃいましたよ。
負けたことも悔しいけど、何より自分の最高の演技ができなかったことが一番悔しいよね。

しかし、それにしても、ヨナちゃんの演技はすごかった。
かつてのミシェル・クワン(Michelle Kwan)の「ミス・パーフェクト」の称号を、彼女に送りたいぐらいでした。
でも、150点って高すぎ…かなあ。
なにせGOEが、他の選手(男子含む)とは比べ物にならないぐらい高いっす。
このGOE、かつてのフィギュアの不透明採点と同じ悪しきシステムを産む温床になりつつあるような気がするのですけれど・・・。

ま、何はともあれ、負けは負け。
しかし、己のスタイルを貫き通して堂々と負けた真央ちゃんは、武士(もののふ)の心を持った乙女だと思います。
あっぱれでありました。

てなわけで、昨日は悔しさを胸に秘めつつ、フィルムセンターで『踊るニュウ・ヨーク(Broadway Melody of 1940)』(1940年、MGM)を観てきますた。
日本語字幕無しの16ミリ上映ですたが、十分楽しめますた。

主役の2人(フレッド・アステア〔Fred Astaire〕、エレノア・パウエル〔Eleanor Powell〕)もさることながら、作詞・作曲がコール・ポーター(Cole Porter)、音楽監督がアルフレッド・ニューマン(Alfred Newman)、編曲が後にプロデューサーとなったロジャー・イーデンス(Roger Edens)と、これまた豪華な布陣です。

これもロジャー・イーデンスのお仕事。


劇中歌で有名なのはなんと言っても『ザッツ・エンターテイメント(That's Entertainment)』でも引用された"Begin the Beguine"でしょうが、


"I've Got My Eyes on You"や "I Concentrate on You"も大好きな曲なので、メロディを聴いただけでうきうきでありました。
特に"I've Got My Eyes on You"、アステアのピン芸が冴えわたります。


女性の写真を前に踊るまくるというのは、後の『恋愛準決勝戦(Royal Wedding)』(1951年、MGM)に通じる趣向のような気もいたします。


上映後、自然と客席から拍手が巻き起こりました。
わたくしももちろん拍手いたしました。
幸せな夜でした(おい、さっき「悔しい」って言ってたのはどこ行ったんだ!)。

あ、どーでもいいけど、ジョージ・マーフィー(George Murphy)って甄子丹に似てねえか?

付記:女子フィギュア、ライバルが韓国だけにその結果をめぐってネット上では本筋とは全く関係のないところで祭りになってるようですな。とほほ。

2010年2月20日土曜日

花咲く乙女たち

〔えいが〕

今日の脳内BGM(本題とは無関係です)。
オリンピックのアイスダンス規定で
タンゴを聴き過ぎたもんで・・・。

1965年、日活。柳瀬観監督。山内賢、舟木一夫、西尾三枝子、堺正章主演。

どうも。
トド@健康診断「血尿」で再検査です。

そういえば。
健康診断、去年のそれでは内科の問診で、

「あなた、甲状腺に結節があるよ!」

との指摘を受けて甲状腺腫瘍が判明、検査の結果、「良性&甲状腺の機能にも異常なし」で事なきを得たのですけれど、今回の問診では、

「その後、(甲状腺の方は)どうですか?」

と経過を聞かれることもなく、

「特に異常はありませんね」

と言われてあっさり終了。

去年の先生と違う人だったということもあるのでしょうが、しかし、それにしても、これでいいんだろうかねえ。

というわけで、本題。
先日、CSで観た映画のメモ。

繊維工場で働く女工さんたちで賑わう愛知県尾西市(現在は一宮市に編入)を舞台に、岐阜からやってきたチンピラ2人組と給食センターで働く青年との友情を軸に、女工さんとのロマンスが絡むという作品で、最後はチンピラたちも無事に更正してめでたしめでたしというお話です。

映画の内容としては、チンピラはやくざの暗部を知ることもなく明るく更正し(指1本差し出しますけれど)、がんに冒された父の治療費を稼ぐためキャバレー勤めを始めようとする女工さんも仲間の友情に救われるという予定調和なオチなのですが、興味深かったのは映画の中で描かれていた女工さんたちの生態。

不肖せんきちはちっとも知らなかったのですが、尾西市というのは毛織物で栄えた街で、日本各地からやって来たうら若き女工さんたちがせっせと仕事に励む姿は、まるで今の中国・深圳のようでした(そういえば、お隣の岐阜市には繊維関係の問屋街があったわね)。

で、思い出したのが、陳秋霞の出ていた台湾映画『一個女工的故事』。

これは1979年の映画ですが、どちらも「経済成長期における女工さん」(いわゆる「女工哀史」的なものではなく)が登場する映画という共通点があるように感じられます。

一方、香港映画で「経済成長期における女工さん」が登場する映画を考えてみると、「女工+女番長」という変り種映画ではありますが、1976年の『沙膽英』あたりがそれかなあとも思うものの(邵音音がすっぽんぽんでサイクリングしちゃう映画ね)、広東語映画の方でもっとぴったりくる映画があるかも知れません。

いずれにしても、経済成長期に入った国あるいは地域において安価な労働力として重宝された女工さんたちを映画の主人公に据える、というのは、いずこの地においても見られた現象のようで、その辺りのことを調べてみるのもちょっと面白いのではないかなあと感じた次第です(既に調べた方がいらっしゃるかも知れませんが)。

付記:女工さんたちの中に、井上清子(光川環世〔李月随〕)の姿もありました。

2010年2月17日水曜日

2010年2月14日日曜日

あゝ忠臣蔵(第33話)内蔵助危機一髪

〔橘ますみ〕〔テレビ〕

あたしのジェミーが帰ってくるわ!
田島令子万歳!

1969年11月15日、関西テレビ・東映。山村聡主演。

どうも。
トド@恭喜發財です。

さて。

初めに、前回の与謝野馨「言霊」発言の続き。
与謝野馨の意気込みとは裏腹に、早くもブーメラン化しつつあるようです、この発言。


首相本人の無心、「聞いていない」 鳩山邦夫氏

 自民党の鳩山邦夫元総務相は13日、都内の個人事務所で記者会見し、兄である鳩山由紀夫首相が母親に資金提供を求めたことを示唆したとも受けとれる自らの12日の発言について「兄が母に金を無心したとは聞いていないし、私も全く知らない」と述べ、首相自身が資金を要請したかどうかは不明との認識を示した…

あらら・・・。

しかし、この記者会見が開かれた頃、東京から遠く離れた宮崎にいた谷垣総裁殿は何も知らずに意気軒昂でおました。


谷垣氏「首相自ら証人喚問で」 母の資金提供問題で追及姿勢

 自民党の谷垣禎一総裁は13日、宮崎市内で講演し、鳩山由紀夫首相への実母からの資金提供問題に関して、「家族の中でいろんな話があったのではないかとの議論が出てきた。首相自ら証人喚問で疑惑を晴らしていかなければならない」と首相自身の喚問の可能性に言及、追及姿勢を一段と強めた。
 谷垣氏は、実弟の自民党の鳩山邦夫元総務相が、首相側の資金要求をうかがわせる実母との会話内容を明らかにしたことを受け、「首相はでっち上げだと気色ばんでいるが、それなら自分か、どなたかが明快な説明をしなければいけない」と指摘、説明責任を果たすよう強く求めた…



これじゃ、かつての民主党の「偽メール事件」よりお粗末だよ。

それに脱税云々を言うのなら、鳩山邦夫だって由紀夫と同じように子供手当を申告していなかったんだから(バレたら慌てて納税・下記画像参照)、由紀夫1人をつかまえて「平成の脱税王」よばわりするのは、いかにも不公平な感じがするわな。





ということで、続報おしまい。
本題に入ります。

橘ますみたんがゲスト出演したテレビ時代劇『あゝ忠臣蔵』の第33話。

ますみたんの役どころは、日本橋の旅籠・小山屋の仲居おきよ。

思いを寄せる番頭が、泊り客であるしの(俵星玄蕃の妹。大原麗子)に対して何かと親切にすることに嫉妬、出入りの岡っ引きに「あやしい人たちが泊まっている」と、素性を隠して投宿中の内蔵助(山村聡)一行のことを告げ口してしまいます。
無論、おきよはその人が実は大石内蔵助であることなど知る由もなく、単に腹いせのために告げ口をしただけだったのですが、これが吉良勢の耳に入り、内蔵助たちの身に危険が迫るのでした…。

この『あゝ忠臣蔵』、ますみたんが主役に抜擢された『大奥』の後番組で、『大奥』でメインキャストを務めた女優さん方もばんばん顔を見せており、そんなこんなでのゲスト出演だったと考えられます。
役柄的には重要とはいえ、演技的には特に見るべきところのない、ごくごく平凡なものでした。

この時期(1969年11月)のますみたんというと、京都から東京へ仕事の基盤を移しつつあった頃で、そう考えてみると、このドラマは1970年1月公開の『日本女侠伝 真赤な度胸花』と共に京都撮影所での最末期の作品といえるかも知れません(注)。

東京へ行く前のささやかな置土産だと思って、観ることにいたします。

おまけ:劇中、小池朝雄演じる片岡源五右衛門とますみたんが会話するシーンがあって、撮影がわし尾元也なんで、その瞬間だけなんだか異常性愛路線ですた。

(注)正確には、『シルクハットの大親分 ちょび髭の熊』(1970年)も京都撮影所作品ですが、この作品は1970年11月公開なので、東京からの出張仕事と見るべきでしょう。

2010年2月12日金曜日

日本暗殺祭り

〔しようもない日常〕〔橘ますみ〕

おつまみはユーカリですか?

どうも。
トド@いろいろ大変です。

さて、今日はブログ更新停滞の言い訳を兼ねたつまらない近況報告…をするつもりだったのですが、その前にちょっと一言。

なんだか、今日の衆議院予算委員会で与謝野馨が鳩山由紀夫のことを「平成の脱税王」と罵倒したばかりか、「一度口に出した言葉は魂を持って地上をさまよう。だから『言霊』と言うんだ」云々(一言一句そのままじゃないけど、だいたいこんな意味)と説教垂れてたけど、よもやご自分の発したこのお言葉(下の画像参照。傍線は不肖せんきちが付させて頂きました)、お忘れになった訳ではありますまいな?

さまよえるお言葉・その1


さまよえるお言葉・その2


またぞろ自民党お得意の「ブーメラン現象」になりそうだな、この「言霊」発言。

と、ひとしきりストレス発散をしたところで、本題に入ります(って、単なる近況報告なんだけど)。

先週末から今週初めの温暖な気候のせいで、不肖せんきち、早くも

体内花粉濃度が100%越え

を記録してしまい、慌てて耳鼻科へ行ってきましたが、9日(火)なんざ、地獄の苦しみでした。

ここ数日は寒い日が続いているのと、雨降りなのでだいぶ助かっていますが、今回、耳鼻科で処方された薬は以下の3種類。

アレロック:『野良猫ロック』や『番格ロック』の姉妹作みたいな名前ですけど、アレルギーの薬らしいっす。
オノンカプセル:元は喘息の薬だったのが、花粉症への効能も認められて処方されるようになったんだとか。

「新しいイソップ童話」
お前が落としたのは、金のオノンかえ?銀のオノンかえ?
・・・斧です。

ナゾネックス:「謎のクリネックス」の略ではなく、1日1回で効果ばつぐんの点鼻薬。たしかに、鼻の通りがよくなっただけでなく、荒れた鼻粘膜が急速に修復されていくのがわかりましたです。

花粉症でお悩みの皆さん、ナゾネックスは超おすすめです。
お医者さんでおねだりしてみましょう。

てなわけで花粉症も小康状態となった昨日、フィルムセンターで『日本暗殺秘録』を観てまいりました。
この映画、月末には浅草名画座でも上映されるし、来月には東映チャンネルでも放映されるので、今回はそんなに混まないだろうとタカを括っていたわたくしでしたが、甘かったですよ、あなた。

満席ですた。

ま、橘ますみたん目当ての客は不肖せんきち1人だったと思いますけれど、フィルムセンターのスクリーンでますみたんの姿を拝むのは、いつもとはまた違った、実に晴れがましい気分でありますた。

そんなこんなで花粉症の具合を見つつブログ更新ということになりそうですが、気長にお付き合い下されば幸いです。

まずはご報告まで。

おまけ

2010年2月6日土曜日

『長い鼻』と『神秘の国インド』

〔えいが〕〔ちょっとお耳に〕
 

どうも。
トド@午後3時から飲み続けて悪酔いしましたです。

さて。

先日、国会図書館で本業(といっても開店休業状態)のお調べ物の合間に『キネマ旬報ベストテン全集 1946-1959』(2000年、キネマ旬報社)をパラパラと捲っていたところ、1958年の公開作品リストにある『長い鼻』と『神秘の国インド』の製作に永田雅一と邵逸夫(ランラン・ショウ)の名前が並んでいるのを発見、その調査の途中経過を以下にご報告するだす。

『長い鼻』と『神秘の国インド』は1958年5月14日から大映系劇場及び日比谷みゆき座で公開された映画で、監督(『神秘の国インド』では構成)はあの『海魔陸を行く』(原作)や『白い山脈』(監督)を手がけた動物映画の巨匠(?)・今村貞雄が務めています。

前記2本の内、『長い鼻』は今村監督が『白い山脈』の後にメガホンを取った作品で、新聞広告によれば、

世界で最初の長篇動物劇映画

との由。

たしかに、当時『キネマ旬報』に掲載されたあらすじを読むと、ある象の一家の物語らしいのですが、『白い山脈』で危ない演出満載の映像を繰り出した今村監督のこと、おそらくこの映画でもやりたい放題の自由な演出をしたであろうことは、想像に難くありません(注1)。
事実、インドロケの模様を伝える1958年2月13日付『読売新聞』(夕刊)では、


…インドの道路には白地に黒文字の道標が実に整然と立てられていますが、密林に入ると逆に黒字の角石に白文字のものです。不思議に思って調べたところゾウは白色を見ると興奮して、けたおしてしまうのだそうです。私はしめたと思い、撮影中木の上から白布を垂らしてゾウをおびきよせましたが彼等の方が利口なのでしょう。一度も攻撃してくれませんでした。(以下略)


という演出上の失敗談を披露、さらには主役のゾウ君たち&調教師と思しき人々と今村監督以下メインスタッフが仲良く写った集合写真も掲載されています。

・・・いいんだよね、劇映画なんだし、ドキュメンタリーじゃないんだからさ(と、自分に言い聞かせる)。

それでは、何ゆえに上記2作品に邵逸夫がイッチョカミしているのか、その理由ですが、以下は不肖せんきちの全くの想像による考察。

大映傘下の生物映画研究所で製作した『白い山脈』がカンヌ映画祭で賞を獲得するという大成功を収めた今村貞雄監督、「今度はいっちょ海外の動物映画でも作るべえ」と考えて永田雅一におねだりしたものの、ネックになったのは撮影資金をどうするかということ。
何しろ人間様の劇映画とは違いますから、撮影期間もそれなりにかかります(注2)。
おまけに当時は、外貨の持ち出し制限もあったはずです。
と、そこへ助け舟を出した(のか永田雅一が頼ったのかは定かではありませんが)のが、邵氏の総帥・邵逸夫。
「なんだ、そんなこと。僕に任せてよ。資金なら都合してあげるから。ただし、香港や東南アジアの配給権はうちに頂戴ね。ついでに共同製作者ってことにしておいてくれるといいなあ」
とか何とか言って、鼻、じゃなくて、首を突っ込んできたのではないか…と思います(注3)。


一方、『神秘の国インド』は『長い鼻』の撮影と同時進行で製作されたドキュメンタリー映画ですが、新聞広告には、


見たこともない不思議な出来事!神秘な伝説!古いインドと新しいインドの珍しい風物を描いて興味深々!


とあり、これまたなんとなーくいかがわしい雰囲気が漂っています。

ちなみに、この2作品、『邵氏電影初探』(2003年、香港電影資料館)巻末の作品リストにはもちろん載っておりませんし、今のところ、日港合作なのか否かに関しては不明なのですが、『楊貴妃』以外にも永田雅一と邵逸夫がタッグを組んだ作品があった、ということは紛れもない事実です。

最後にもう一つ書き添えておくと、2作品とも、

文部省選定

のありがたーいお墨付きを得ていました(この他、「優秀映画鑑賞会推薦」やら「青少年映画審議会推薦」やら「東京都教育映画等審査会選定」の肩書も)。

うーん、でも、やっぱり、妖しい臭いがぷんぷんするなあ。

注1:今村貞雄監督と『白い山脈』に関しては、鷲谷花さんのブログ(「帰ってきたハナログ」)の中に、詳しい考察があります。
今村貞雄と動物(虐待)映画の系譜
http://d.hatena.ne.jp/hana53/20090310/1236655015
白い山脈(1957)
http://d.hatena.ne.jp/hana53/20090310/1236655016

注2:新聞広告の惹句には「インドの密林に象の群を追って1ヵ年」とありますが、上記『読売新聞』の記事によれば、スタッフは1957年7月に現地入りした後、10月に入ってクランクイン、公開が1958年5月ですから、実際の撮影期間は半年ほどのようです。

注3:1955年、松竹が『亡命記』で香港ロケを行ったさいにも、人的援助は國際(電懋の前身)が行いましたが、資金面での援助は邵逸夫が行ったそうです(『キネマ旬報』1955年3月下旬号による)。

2010年2月2日火曜日

2010 阿密特/張惠妹世界巡廻演唱會 日本公演

〔ちょっとお耳に〕


どうも。
トド@再来週の健康診断が怖いです。

さて、本日はうれしいお知らせ。

表記の通り、来日公演が実現する運びとなりました。

2010 阿密特/張惠妹世界巡廻演唱會

とき:2010年4月18日(日)(16:15開場、17:00開演)
ところ:赤坂BLITZ 
料金(税込):スタンディング 8,400円(3才以上のよい子の皆さんはチケットが必要です)

一般発売は3月6日(土)からですが、ただいま、jingさんのA*mei-project内特設ページにおいて先行予約を受け付けております(2月15日〔月〕23:00まで)。
詳しくはそちらをご参照下さい。

皆さまお誘いあわせの上、ご来場下さいまし。