2008年3月30日日曜日

やっぱり阿妹はすげえや

〔しようもない日常〕


どうも。
トド@毎朝のお楽しみだった『ちりとてちん』が終わって虚脱状態です。

そんな中、行ってきました赤坂ACTシアター、観てきましたよ『トゥーランドット』。
阿妹(アーメイ。張惠妹)に魅せられて11年、こんな日が来るなんて夢にも思いませんでしたわ。

小燕姐からのお花も届いていました。

不肖せんきちが阿妹と出会ったのは1997年、今はなきスタープラスで放映されていた『百事中文Top20』で阿妹の歌う『姊妹』がチャートインしたときのことでした。
ルックス的には「どこのヤンキー?」と全く好みではなかったのですが、その圧倒的な歌唱力に魂を奪われたせんきちはさっそくタワーレコードへ直行、CDを探したものの見つからず、ちょうど台北へ出張する親友(梁朝偉迷。某大手広告代理店のCMプランナーでしたが、企画書に「使いたいタレント:トニー・レオン」と書いてはボツにされ続けていました)がいたので「ちょっくら買ってきておくれ」とお買い物を依頼、ようやくのことでデビューアルバム(『姊妹』)をゲットしました。
しかしその2年後、CDを買ってきてくれた親友はあっけなく急逝、せんきちの手元に残された『姊妹』は形見の品となってしまいました。
そしてそして、今回のお芝居『トゥーランドット』の初日(3月27日)は奇しくも亡くなった親友の誕生日であり、きっと天国の親友も阿妹の晴れ姿を喜んでいることだろうなあと、自分勝手な感慨にふけったのでありましたよ。

で。

ここまで書いて、本来なら初日に駆けつけるところでしょうが、天邪鬼のせんきちは2日目の28日夜の部に馳せ参じました。
同行の友は知人のKさん(ひさびさの登場)とF4迷のTさん、その後会場内で妹迷仲間のSさんとTさんのお友達と合流しました。

まだ公演も始まったばかりなので詳しい内容や感想は省きますけれど、これだけは言っておきたい、

やっぱり阿妹はすげえや!

終演後、どこかで見たことのある白髪で恰幅のよい紳士が通りかかり、「誰だっけ?」と思ったら、Kさんのオフィスの大ボスでした。
Kさんは必死で顔を隠していました(見つかっちゃいけない事情でもあったのか?)。

会場内ではお芝居の関連グッズ(パンフ、Tシャツ、タンブラー、クリアファイル、等々)の他、阿妹のCDの日本盤も売っていましたが(会場内特典・ポストカードプレゼントあり。迷わずゲットせよ!)、


ベスト盤に収録された『給我感覺』の邦題が『感じさせて』になっていますた。
なんだか全く違う意味の歌と勘違いされてしまいそうな・・・・。

かく言うせんきちも、
こんな歌を連想してしまいました。

当初の予定だと、この次の鑑賞日は東京公演楽日(4月27日)だったのですが、「そんなに待てないわ!」とばかり、昨日急遽4月9日夜の部のチケットも購入してしまいますた。
あと4回(東京2回、大阪1回、名古屋1回)観られるよん。

付記:本日のタイトルは、子供の頃愛読していた双葉十三郎先生の『映画の学校』内にあったレビュー(『引き裂かれたカーテン(Torn Curtain)』)のタイトル(「やっぱりヒッチ先生はうまいや」)をてきとーに改変させていただきました。

2008年3月25日火曜日

世界残酷物語 (Monde Kane) 

〔えいが〕

これはサントラ

1961年、イタリア。グァルティエロ・ヤコペッティ(Gualtiero Jacopetti)監督。

言わずと知れたモンド映画の古典ですが、中華なネタも俎上に載せており、

台北の犬肉レストラン



シンガポールの死者の家

等々、今となってはマジなのかヤラセなのか検証不可能、というか、そんなこと考えるだけ無駄なショッキング映像がそれなりに満載ですので、思い出したように取り上げてみますた。

・台北の犬肉レストラン

屋台に毛が生えたような露天式のレストラン。
檻には可哀想な子犬たちがドナドナ状態で死を待っています。
看板にはでっかく、

FAMOUS DISH ROAST DOGMEAT 
香肉


の文字が。

ナレーションによれば、客が檻から犬を選んで調理してもらうスタイルのこのレストラン、人気の犬種はプードル、ダックス憤怒、もとい、ダックスフンド、ボクサーですが、中でも一番人気はチャウチャウとの由。
しかし、画面に映し出される黒い子犬はといえば・・・・

チャウチャウちゃうやん!

・香港の市場

ところ変わって、ここは香港・李鄭屋。
ワニ、カエル、スッポン、トカゲといった、いつものネタが売られる市場の光景。
センザンコウやハクビシンも映るけど、ナレーションでは無視。
内容はともかく、李鄭屋の映像は観る価値大かも。

・シンガポールの蛇屋

のっけから、

蛇はシンガポールの国民的な食材

という、耳を疑うようなナレーション(安価な蛋白源ってことですか?)が流れる中、若妻らしき女性が今夜のおかずの蛇を買っていく一部始終を映した後、「蛇の丸焼き乗せ御飯(仮称)」をうまそうに頬ばるおっさんの姿へ。

ちなみに、若妻さんは皮を剥いでもらって中身だけお買い上げでしたが、せんきちが広州で蛇を食ったときは、皮もちゃんと野菜と和え物になって出てきました(うまかったっす)。

・澳門の金持ちの葬儀

故人の遺影に「港九中醫公會」とあったので、てっきり香港の葬式かと思ったら、澳門のそれでした。
白装束の遺族がビービー泣いている横で、乳飲み子背負った若い母親が、それとは無関係にひたすら紙銭を燃やし続ける姿に目が釘付けになりますた。

・シンガポールの屋台

ここは、ごく普通に屋台の情景画が出てくるのみ。

・シンガポールの死者の家

瀕死の老人や病人たちが収容される死者の家。
その外では、家族たちが麻雀をしたり、美味しい料理に舌鼓を打ちながら収容者の死を待ち続けます。
死者の家に収容された家族がなかなか死なない場合、道士に頼んで早く死んでくれるようひたすら祈るのでありました・・・・って、元気な家族たちは昼間は何やってんだよ。
朝から晩まで麻雀して飯食ってるのか?
とまあ、その真偽はともかく、死を待つ人々の虚ろで孤独な表情と、ひたすら享楽を貪る家族たちのお気楽な姿の対比には、生々しいものがありました。

(おしまい)

2008年3月21日金曜日

よれよれです

〔しようもない日常〕〔ほん〕
台湾はいずこへ?

どうも。
せんきち@よれよれです。
この間の日曜(16日)の朝から咽喉に違和感があり、家でおとなしくしていればよかったのですが、久しぶりに映画でも観に行くかと思いシネマヴェーラで米八のおこわ(我が家では固くなったおこわのことを「ハードコア」と呼んでいます←ウソです)を食べながら若松孝二作品を3本観たら容態が悪化(あ、別に映画のせいではありません)、通院&投薬治療を続けておりました。
ようやく快方に向かってきたところです。

そういえば、今度の香港國際電影節でも若松孝二監督の小特集(『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(赤軍殘酷內鬥暗黑史)』『赤軍-PFLP・世界戦争宣言(赤軍: PFLP 世界戰爭宣言)』『壁の中の秘事(隔牆有秘)』『ゆけゆけニ度目の処女(二度處女Go Go Go)』『天使の恍惚(天使之恍惚)』)があるようですね。



てなわけで、よれよれ期間中に購入したつまらない古本の話でも。

今回せんきちが購入したのは、世界文化社から1964年に出た『世界文化シリーズ24 ハワイ・香港』。

ええっ?なにゆえにハワイと香港なんですか?

と、疑問を抱いたあなた、そうでしょうそうでしょう、不詳せんきちも全く同じ疑問を抱き、中身を確認するためにわざわざ大枚はたいて(ないない)購入したのであります。

で。

まえがきによると、これから身近な海外旅行先として最も脚光を浴びそうなのがハワイと香港なので、特にこの2つの土地を一緒に取り上げた・・・・らしい。
なるほど、日本人の海外旅行が自由化されたのはこの年だし、そんなことも背景にあるのでしょう、きっと。

でも、やっぱり変だよな。

表紙はセクシーなハワイ美女。
となると、
裏表紙は香港美女か?・・・・と思いきや、


水上居民ですた。
なんなんだ、この落差は?


ハワイと香港という
組み合わせが生んだ変則的な地図。
向かって右がハワイ、左が香港。


ハワイ群島の面積と人口の下にひっそりと
香港・マカオの面積と人口が。
まるでハワイ群島の一部のようだよ。


組み合わせだけでなく本文までもが変ですた。
ナザーン・ロード(Nathan Road)ペンギンスラー(Peninsula)と、
どこをどう間違えたらそんな風に読めるのか、
脳みそがウニになりそうな誤読が頻出。
香港きっての超高級ホテルでは、
ペンギンがお客様をお出迎え!って、
旭山動物園かよー!!!!


(何のオチもないまま終了)

おまけ:3月13日(木)発売の『週刊文春』。

そこには・・・・


ついに4コマ漫画のネタにされてしまった


あの人の姿がありました。
合掌。

2008年3月10日月曜日

北原三枝、王莫愁にメイクを伝授す

〔ちょっとお耳に〕

女性には衣裳と化粧。


どうも。
トド@かつて「大童山に似ている」と言われたことがあるせんきちです。
婆さんの介護と花粉症の波状攻撃で、目下グロッキー気味です。

というわけで、今日もどうってことない古雑誌ネタ。

『週刊平凡』1962年10月4日号に、

裕ちゃんの相手役ですもの・・・・ 華欣のメーキャップに腕をふるう北原三枝

なるグラビア記事があります。

それによると、日台合作映画『金門島にかける橋』で石原裕次郎の相手役を務めることになった華欣(王莫愁。以下「王莫愁」と表記)に、裕次郎夫人である北原三枝(石原まき子)がメーキャップ指導を行った、とのことなのですが、

塗って塗って~。

記事本文には、


まず 全体の美しさを圧倒していた立派すぎる眉を刈りこんで 美しい瞳を引き立たせる 丸顔の彼女には 頭頂をちょっと高く 耳をかくし頬の丸みをかくす髪型が鼻すじに沿った神秘的な美しさを強調する 


とあって、どうやら指導というよりも王莫愁の顔を北原三枝好みに仕上げた、といった方が適切な模様。
このメイク、完成までに2時間を要したそうですが、直後に行われたスチール撮りでは裕次郎をはじめスタッフ一同その変貌ぶりに驚いていたとか。
そりゃあまあ、2時間もかけてますからねえ、変貌しない方が不思議です。

で。

せんきちが注目したのは、記事の内容よりも、上と下の写真で王莫愁をじっと見つめている女子高生然としたお姐ちゃんの姿。

向かって左のお姐ちゃん。

おわかりになる方にもいらっしゃるでしょう、はい、後に王莫愁と共に中影の健康写実路線を支えることになる女優・唐寶雲です。
『金門島にかける橋』には彼女も出演していましたが、この写真で見るかぎり、石原さんちの親戚の女の子みたいです。

まだまだ地味だったんですね、台湾の女優さんって。

2008年3月4日火曜日

看板に偽りあり

〔ちょっとお耳に〕


どうも。
トド@花粉症です。
婆さんと日夜格闘して疲労が蓄積してしまい、更新がすっかり滞ってしまいますた。
そんなこんなで、今日もくだらない小ネタです(スマソ)。

先日、家にあった『太陽』1966年4月号の「香港の魅力」なる特集を読んでいたら、

今でもお昼時になるとホカ弁配達の人をよく見かけますけど、
40年前はこんな風にしてオフィスに配達していたのね。

加山雄三版『姿三四郎』上映中の大華戯院の写真が出てまいりました。


なるほど、英文タイトルは"Judo Saga"なのね、と、感心して見ていたところ、

あれ?

黒澤の名前がでかでかと書いてあるけど、加山版『姿三四郎』は黒澤の監督作品じゃない(製作・脚本)よね?と疑問噴出。

そこで、よくよく看板に眼を凝らしてみますってえと、


中文表記ではきちんと「編劇 黒澤明」となっていたものの、英文の方は"AKIRA KUROSAWA'S"とあくまで黒澤明の映画として押し切ろうという魂胆。
しかも、黒澤について正確な記述を守っていた中文表記までもが、主演の

加山雄三

に関しては、

加山三雄

という、ありえねー表記を採用していますた。

「ゆうぞう」ならぬ「みつお」・・・・。

呼んだ?(字が違うよ)

黒澤と三船さえいれば、若大将なんかどうでもいいってことだったのね、きっと(とほほ)。

ちなみに、この『太陽』には上記香港特集の他、「缶詰は信用できるか」なんていう缶詰の偽装表示問題を暴いた記事も載っていたのですが(昔も今も食品偽装大好き日本人)、その中にちょいと興味深い件がありました。



グリンピースは、中国からの輸入品が、2~3年来、国内ものをおさえつつある。輸入は1963年からはじまったが、64年には前年の10倍にもハネあがった。ことしあたり、日本人が食べるグリンピースの缶詰は、全部、メイド・イン・チャイナになるといわれる。


例の毒入りギョーザ事件以降、中国産食品の輸入を一切停止しろ!などと威勢のいいことをおっしゃる御仁がいらっしゃいますが、実は40年以上も前(それも国交回復以前)から中国産食品は日本のお茶の間に進出していたのでして、この問題が一筋縄ではいかないことを改めて思い知らされました。

(オチのないままおしまい)

おまけ一:「JR東海」「But Not for Me」のキーワードでおこしになる皆様、どうぞ下記のCDをご購入下さい。


おまけ二:

衝撃スクープ!
バッハ(Johann Sebastian Bach)はドイツの梅宮辰夫だった!
VIVA、番長!