〔えいが〕
尤敏@1962年東京国際映画祭も大いに気になるものの、こちらは地味に別の上映情報を。
11月上旬、
福岡市総合図書館映像ホール・シネラにて
「香港合作映画の黎明~宝田明、尤敏(ユーミン)主演による「香港三部作」を中心に~」という特集上映が開催されます。
今のところ日時が判明しているのは、11月3日(木・祝)の、
14:00~ 宝田明シネマトーク「宝田明 大いに語る」
15:10~ 映画上映『香港の夜』
*シネマトークは、映画『香港の夜』とセット料金(入場料:1000円〔前売:800円〕)
のみなのですが、今日、電話で問い合わせたところによると、上映予定作品は下記の通りとの由。
『楊貴妃(楊貴妃)』(1955年、大映・邵氏。溝口健二監督。京マチ子、森雅之主演)
『白夫人の妖恋(白蛇傳)』(1956年、東宝・邵氏。豊田四郎監督。山口淑子、池部良主演)
『香港の夜(香港之夜)』(1961年、東宝・電懋。千葉泰樹監督。宝田明、尤敏、司葉子主演)
『香港の星(香港之星)』(1962年、東宝・電懋。千葉泰樹監督。宝田明、尤敏、団令子主演)
『ホノルル・東京・香港(香港・東京・夏威夷)』(1962年、東宝・電懋。千葉泰樹監督。宝田明、尤敏、加山雄三主演)
『ならず者(雙雄喋血記)』(1964年、東映。撮影協力・邵氏。石井輝男監督。高倉健、丹波哲郎主演)
『香港の白い薔薇(香港白薔薇)』(1965年、東宝・台製・電懋。福田純監督。山崎努、張美瑤、宝田明主演)
『梁山伯と祝英台(梁山伯與祝英台)』(1963年、邵氏。李翰祥監督。賀蘭山〔西本正〕撮影。円谷英二特技。樂蒂、凌波主演)
『大酔侠(大酔俠)』(1966年、邵氏。胡金銓監督。賀蘭山〔西本正〕撮影。張佩佩、岳華主演)
『香港ノクターン(香江花月夜)』(1967年、邵氏。井上梅次監督。賀蘭山〔西本正〕撮影。服部良一音楽。黒沢治安美術。張佩佩、何莉莉、秦萍、陳厚主演)
『最長的一夜』をやってくれるか期待したんですが、駄目でした。
ざんねん。
後半3本は去年の「西本正まつり(仮)」でも上映されていますが、今回は『梁祝』だけでなく『白夫人の妖恋』も上映されるので、両者の昇天場面を比較してみると面白いと思います。
どちらも円谷英二が特技を担当しています。
『梁祝』では「化蝶」の舞踊場面も撮影したらしいのですが、編集段階で全てカットされ、結果的に『白夫人の妖恋』と
クリソツな展開になっております。
『楊貴妃』は戦後最初の日港合作映画(戦前にあったっけ?)。
しかし、キャストは日本人、撮影も日本で行っています。
この作品の封切は1955年5月3日でしたが、同じ日に封切られた『亡命記』(松竹。野村芳太郎監督。佐田啓二、岸恵子主演)が國際(電懋の前身)の協力を得て香港ロケを行い、陳又新、紅薇といった香港俳優も出演している点から考えると、こちらの方がむしろ合作映画に近い形態と言えるかもしれません。
また、東宝と邵氏の合作でしたら、出来は悪いですが『お姐ちゃん罷り通る(香港三小姐)』(1959年。杉江敏男監督。団令子、重山規子、中島そのみ主演)は香港ロケも行っていますし、張沖や丁紅も出演しているので、これも上映してほしかったところ。
「香港3部作」に関しては、今さら申すまでもありますまい。
『ならず者』は、ご存知の通り吳宇森監督に多大な影響を与えた作品です。
11月2日(水)、池袋の「
輝男まつり(仮)」でも上映されます。
まだご覧になっていない香港映画ファンの方には、ぜひ観ていただきたい映画です。
『香港の白い薔薇』は、「ポスト尤敏」として東宝が売り出した寳島玉女・張美瑤の主演作。
東宝の香港ロケ作品の中では、一番あっちゃこっちゃいろいろなところにカメラを持ち込んでいる作品です。
出来はあんまりよくないけど。
チケットは、宝田明のトークの他は、全て当日券のみだそうです。
お近くの方は、足をお運びになってみて下さい。