2010年6月27日日曜日

同發の蛋黄酥

〔これでも食らえ!〕

ラーメン屋です。

どうも。
トド@はさみを落として右足人差し指を切りますたです。

さて、ただいまちょいと取り込み中でブログ更新が滞って申し訳ないっす。
本日は、困ったときの食味ネタ。

ずーっと以前、香港の奇華餅家と台北の李製餅家の蛋黄酥食べ比べというのをやったことがありますたが、先だって中華街に行った際、同發の売店で蛋黄酥を見つけたので、久々に食べ比べてみることにいたしました。

まずは「蛋黄奶油酥」。
カスタード餡の蛋黄酥ざます。

焼き目は奇華餅家のそれに
近い、ほんのり薄茶色。


こちらは断面図。
左右の餡の量に比して、
上下の量がかなり控えめ、
というか、ほぼ餡無し。


お次は「豆沙蛋黄酥」。
プレーンな小豆餡の蛋黄酥ざます。

こちらも焼き目は
ほんのり薄茶色。


こちらもカスタード餡同様、
上下部分の餡の量がぐっと控えめ。


で、肝心のお味ですが、上下部分の餡の量を極力抑えているためか、噛んだ瞬間、パイ生地の食感の次にじかに鹹蛋の塩味が来る、といったあんばいで、もう少し甘さが欲しいなあと思った次第。
やはり、パイ生地のさくさく感の後、餡の甘味と鹹蛋の塩味の絶妙なハーモニーを味わうことこそが蛋黄酥の醍醐味ではないかと、不肖せんきちは考えるわけです。

帰宅後いろいろ調べてみてわかったのですけれど、中華街ではこの他にも順海閣重慶飯店で蛋黄酥を扱っているようです。
いずれまたそれらも試してみたいと思います。

2010年6月17日木曜日

横濱社會檔案 (On The Society File Of Yokohama)

〔たび〕〔えいが〕
豚まんの押し売りもいやだね。

どうも。
トド@UVケアを怠っていたら、腕が生ハムになってしまいますたです。

さて。

先だって『パニック・ハウス(恐懼屋) 』を観に横浜へ行ったさい、1981年の台湾映画『上海社會檔案 (On The Society File Of Shanghai)』が横浜ロケ映画(上海だけど)だったことを思い出し、ちょいと散策してみました。

共産党の大物「首長」(葛天)の長男である
王海南(崔守平)が、すっかりやさぐれてしまったかつての
恋人・李麗芳(陸小芬)と再会する場面。
横浜税関近くの新港橋梁で撮影しています。


こちら、現在の新港橋梁。
遊歩道になっています。


海南が麗芳の不良仲間によって暴行を加えられる場所。
いわずと知れた赤レンガ倉庫です。


こちらは現在の姿。
すっかり観光名所に。


改めてVCDを引っ張り出してきて観るのが
面倒なので、乏しい記憶に頼った記述になりますけれど、
たしか税関前の道路も登場した…はずです。

なお、先ほどもちらりと触れた通り、これらの横浜ロケ場面は全て「上海」ということになっております(映画の冒頭には大阪の中央公会堂も登場しますが、そちらも以前、現状との比較を行いました)。
大陸ロケが不可能だった時代の「苦肉の策」と言えるでしょう(今でもネタ的に不可能かも知れんけど)。

おまけ:この日は台湾映画繋がりで、『ある女の一生(我這樣過了一生)』(1985年。楊惠姍ネタ、こちらもご覧下さい)にも登場する中華街の老舗「華勝楼」でランチを頂きました。

宮大工が建てたという木造建築。


店内は全室個室。せんきちが
通されたのは「雪の間」。


円卓が鎮座。


凝った造りの格天井。


肉団子のしょうゆ煮込み。


芝海老のチリソース。


ふかひれスープ。
これにご飯と香の物が付きます。


デザートはマンゴープリン。

おいしうございました。

2010年6月12日土曜日

パニック・ハウス (恐懼屋)

〔えいが〕


2009年、台湾。賴孟傑監督。陸弈靜、姚安琪、他。

どうも。
トド@今日は暑かったねえです。

「ショート・ショート・フィルム・フェスティバル&アジア2010」で鑑賞した映画のメモ。
昨年の台北電影節で最佳短片獎を受賞した作品です。

歯医者嫌いの婦人警官(陸弈靜)は歯痛に悩まされていましたが、歯医者に行きたくないため鎮痛剤や膏薬で痛みをごまかしていました。しかし、強盗を追う最中、歯の痛みにこらえきれず取り逃がすという失態を演じてしまいます。
夜のパトロール中、同僚によって無理やり歯医者へ連れてこられた婦人警官は、仕方なく歯医者を受診することにします。
が、訪れた歯医者では男女2人組の強盗が医者を縛り上げ、麻酔無しで医者の歯を抜きながらキャッシュカードの暗証番号を聞いている最中でした。
お取り込み中にやって来た招かれざる客である婦人警官は結局ニセ医者(強盗の男)の診察を受けることになり、でたらめな麻酔注射を打たれて抜歯されそうになります。
意識が混濁する中で、婦人警官は昼間逃がした強盗(男女2人)と目の前にいる医者と看護婦(強盗の女)がなんだか似ていることに気づくのでした…。

はじめに陸弈靜ありきというか、陸弈靜大活躍の映画でした。
半分以上は彼女の演技で見せます。

ニセ医者と婦人警官のやりとりで笑いを取りますが、ニセ医者も好き好んで強盗をしたのではなく、若い女に貢いだ挙句「妊娠した」と騙されて中絶費用を稼ぐために強盗をさせられるというかなり哀れな男で(貯金なくなっちゃったんだね、女に貢いで)、はじめこそコワモテのニセ医者がだんだんと情けなくなっていく姿も笑いを誘っていました。

で、男を騙す悪い女を演じていたのが姚安琪。
この方、『ビューティフル・クレージー(亂青春)』でも援助交際する姉ちゃんやってましたけど、そういうキャラなんでしょうか。
わたくし的には、

小池栄子に似てる人

なんですが(それだけかい!)。

16日(水)と18日(金)にも上映があるようですので、お時間がある方はご覧になってみて下さい。

2010年6月10日木曜日

やま猫作戦

〔えいが〕

「猫」つながりってことで…。

1962年、東宝。谷口千吉監督。佐藤允、夏木陽介、伊吹徹、他。

どうも。
トド@相変わらず怠惰な毎日を過ごしていますです。

昨日観た映画のメモ(詳しいストーリーはこちら)。

いわゆる「独立愚連隊」シリーズの1本で、『どぶ鼠作戦』に続く作品です。
で、この後、『のら犬作戦』やら『かま鼬作戦』やら『アルマジロ作戦』やら『ハロー・キティ作戦』なんていう作品が制作されたそうです(『のら犬』以外はウソです、念のため)。

戦争アクションといっても、岡本喜八監督のそれとはかなり異なるスタイルなので、お好みが分かれるかもしれませんけれど、せんきち的には岡本監督の方が好きかしらん。

この手の映画の場合、侵略か否かだの戦争責任だのといった問題は抜きにして、目の前で繰り広げられる華麗なドンパチをただひたすら楽しめばいいのでしょうが、それにしても、星由里子演じる中国娘の設定には若干の違和感があります。
まず、なぜ日本語を話せるのかがわからない(『最長的一夜』の宝田明だって、なぜ中国語が話せるのかをちゃんと説明していました)。
それから、兄(抗日ゲリラの黄)を殺した日本兵に対して復讐の念を燃やすものの、兄を殺害したのが実は味方の仕業だったとわかった途端、日本兵に対する憎悪は雲散霧消してしまう点がちょっと解せません。
ようするに、彼女の憎悪の対象はあくまでも兄を殺した日本兵であって、日本軍そのものを憎んでいるわけではない、ということなのでしょうが。
さらに、彼女は荒くれ日本兵に強姦されそうになっていた自分を助けてくれた夏木陽介演じる少尉を愛し始めますが、アクション重視のストーリーの中では彼女の心の描写に十分な時間が割かれていないため、「そんなものかなあ」と思いつつもなんとなく?な気分になりましたです。
ラストの彼女の姿を見て、戦後の彼女の運命を案じてしまったのは私だけでしょうか。

で。

星由里子の兄を演じているのが林沖。
彼にとって3本目の日本映画出演です(日港合作映画含む)。
途中まではかなりの活躍(?)を見せますが、日本軍の捕虜になった後、秘密がばれることを恐れた味方に殺害されてお仕事終了。
台湾訛りの華語も健在でした。

ということで、この機会に林沖の日本映画出演作リストを整理しておきます。

1962年:『大吉ぼんのう鏡』(シナリオ文芸協会・大宝)、『香港の星(香港之星)』(東宝・電懋)、『やま猫作戦』(東宝)。
1963年:『ホノルル・東京・香港(香港・東京・夏威夷)』(東宝・電懋)、『香港クレージー作戦』(東宝)。
1965年:『戦場にながれる歌』(東宝)。

黄仁氏は谷口千吉監督のことを「日本では稀有な反共監督」と評価していますが(『日本電影在台灣』)、もしもこの映画をご覧になっていたなら、その評価も少し変わっていたのではないかと思います。

砂塚秀夫がいい味出してました(とってつけたように最後に補足)。