2009年10月31日土曜日

なぜか本郷

〔ちょっとお耳に〕〔尤敏〕

「なぜか」繋がり。

どうも。
トド@絶不調です。

先月の半ば頃から体調を崩しておりまして、おまけに仕事もあるわ、映画祭シーズンだわで、

仕事→医者→映画→仕事→医者→映画……

のような毎日を過ごしておりました。

昨晩は、ずっと観たいと思っていた『札幌・横浜・名古屋・雄琴・博多 トルコ渡り鳥』のニュープリント上映会に行ってきますたが、明日まで上映がございます。
まだの方はぜひ足をお運び下さいまし。

さて。

なんとなく再始動、ということで、ひさびさにちまちましたお買い物報告なんぞを。

先日、古本屋サイトを経巡っていたところ、なぜか本郷の古本屋に電懋版『寶蓮燈』の特刊があるのを発見、さっそくゲットいたしました。

お品物でございます。


通常の特刊がA5判なのに対して、


こちらはB5判。電懋10周年紀念作品
ということで、大判になったのでせうか。


中身はいつもの『國際電影』の記事を
そのまま持ってきたような感じ。


この映画での尤敏は男役。
男前ですわん。


後半は挿入歌の数字譜が延々と続きますが、
この数字譜、日本のいわゆる「小十郎譜」(ドレミを
123の数字にしたもの)が中華圏に移入したものだと
どこかで聞きました。


これが小十郎譜(研精会譜)。
縦書きです。
長唄「鶴亀」より。


こちらは小十郎譜のシステムは
そのままで横書きに改めた譜(下段。
上段はお箏の譜)。
山田流箏曲『常磐の栄』より。


裏表紙は『啼笑姻緣』の広告ですた。

2009年10月26日月曜日

生存確認

〔しようもない日常〕

著者近影。

どうも。
トド@不眠症です。

風邪引いたり、お腹を壊したりしていますが、とりあえず生きております。
来週あたりには戻ります。

では。

2009年10月14日水曜日

発掘!幻の大宝映画 第三弾!

〔ちょっとお耳に〕〔えいが〕


どうも。
トド@温泉行きたいです。

以前、こちらでも第1弾上映会(『黒と赤の花びら』)のご案内をいたしましたが、幻の大宝株式会社配給作品の第3弾上映会(『波止場で悪魔が笑うとき』)が来たる17日(土)、18日(日)に新橋TCC試写室にて開催されます。

例によって大宝に関しては上映会特設サイトをご参照頂くとして、今回は、

大宝配給作品ポスター展

も同時開催されます。
東京国際映画祭真っ只中の日程ではありますが、映画祭へ行く人も行かない人も、今度の土日は新橋に注目!ですわよ。

以下は、今回の上映作品の情報及びスケジュール(特設サイトからの引用です)。

発掘!幻の大宝映画 第三弾!!
火を吐くルガー08の恐怖! 凄絶痛快アクション巨弾!

『波止場で悪魔が笑うとき』
(1962年 第一プロ製作 大宝配給作品 シネマスコープ 16mm)


製作:土肥静
監督:中川順夫
原案:広瀬利江
脚本:中沢信三、策明順
音楽:奥村一
撮影:宮西良太郎
出演:牧真史、泉京子、丘野美子、月田昌也、筑紫あけみ、鮎川浩、木村天龍、奈良優一、深見泰三、二本柳寛、コロムビア・トップ、コロムビア・ライト、チャーリー石黒と東京パンチョス 他

(あらすじ)
数ヶ月ぶりに海から帰った健次を待って居たのは弟信吉の死であった。真面目だったはずの弟がルガー08の弾丸を打ち込まれて殺されたというのだ。弟の死の真相を探るべく調査を開始した健次の前にやがて明らかになっていくのは麻薬組織の恐るべき陰謀であった…。

(解説)
大宝配給作品『黒い傷あとのブルース』(小野田嘉幹監督)に主演した牧真史がここでも主役を務め、健次とその弟信吉の二役を演じている。相手役の踊子ルミを演じるのは小津安二郎監督『お早よう』への出演でも知られる松竹出身のヴァンプ系女優泉京子。
監督は『海底人8823』などのテレビ作品の他、主に独立プロで活躍し、児童映画からピンクまでもをこなす職人監督中川順夫。
先にも記したが(特設サイト参照・せんきち注)この作品は永らく中川信夫監督作品ではないかと云う説もあった。その原因となったのがキネマ旬報1962年3月下旬号(No.307)に載ったこの作品の紹介記事である。ここには確かに監督が中川信夫と記されている。これが単なる誤植なのか記事の執筆者の間違いなのかは今となっては知る術もないが、この作品はまともに公開されたかどうかすら怪しい作品ゆえ、誰もその間違いを正すことなく、この記事が唯一ともいえる公的資料となってしまった事でその様な説が流布してしまったのであろう。なお、今回のフィルムの発見後、台本(準備稿)とポスターの現存を確認したが、当然その監督名は中川順夫と記されていた。
今回のフィルムの発見により、この間違いを正すことが出来たのは幸いである。

(上映スケジュール)
10月17日(土) 15:00開場 15:30~17:00上映
10月18日(日) 12:30開場 13:00~14:00上映
※この作品の正確な上映時間が判っていません。
その為、両日共にタイムテーブルはあくまでも予定となります。ご了承ください。

(上映カンパ金)
両日とも 1500円

(会場)
新橋TCC試写室
住所:東京都中央区銀座8丁目3番先 高速道路ビル102号

(ご予約について)
予約なしの当日来場も受け付けるそうですが、満席の場合には入場不可となる場合もあるそうですので、皆様ぜひともこちらの予約フォームにてご予約の上、ご来場下さい。

拙ブログで何度も取り上げた(その1その2その3その4東アジアの隠れたスーパースター・泉京子の主演作です。
そういった意味でも極めて興味深い作品だと思います。
皆様も、ぜひ。

おまけ:泉京子は、浅草の老舗牛鍋屋「米久」の娘さんだそうですけれど、うちの死んだ婆さんが東京へ出てきた頃(昭和初期)、「米久で牛の子が生まれた」という噂が流れたことがあると生前よく話していました。その牛の子って、ひょっとして泉さんのこと?(おいおい)

2009年10月12日月曜日

台湾の初代女王蜂

〔ちょっとお耳に〕〔えいが〕
稲垣吾郎の「大関」のCM
観るたびに、このMVを思い出すオレ。

どうも。
トド@引き続き貧乏暇なしです。

えーと、われわれには全く関係ありませんが、20日にこんな行事があるらしいね。

「日本-香港 コンテンツ・コラボレーション・シンポジウム」
~大中華圏市場進出に向けた日港協力モデルの推進~
「香港映画100周年記念レセプション」


香港からは沙龍電影の汪長禹氏が出席するらしいけど、沙龍電影は最近吉本興業とも提携しているし、この手の行事には引っぱりだこのご様子。
しかし、せっかくの100周年なのに…何かもったいない気もいたします。

(……この話はここまで)

今日は全国的に祝日ですが、朝、何気なくテレビを点けたところ、東京MXテレビ(関東ローカル)で「美しくなりま専科」なる高須クリニック提供の番組をやっており、高須センセーが中国・瀋陽の美容整形事情を紹介していらっしゃいましたが(手術現場の映像が次々に!)、驚いたのが脇に控える面々。

高須センセーといえばこの方、であるところのサイバラりえぞうセンセーはもちろん、イワイシマコセンセーに、しんちょー社のナカセユカリ女史までいらっしゃるじゃあーりませんか!

なんでも、番組ホームページによれば、このお三方は、

高須美女軍団

との由。

美女か…。


さて。

今から4年ほど前、1981年の台湾映画『女王蜂』を無理やりニンジャ映画に仕立て上げたニコイチ作品『地獄のニンジャソルジャー (Ninja 8:Warriors of Fire)』をご紹介したさい、主演の陸一嬋をあたかも台湾の初代女王蜂であるかの如く書いてしまいましたが、最近、1962年に郭南宏監督が撮った『女王蜂』が真の台湾における初代女王蜂映画であることが判明しましたので、訂正をかねて今回取り上げることにいたします。

1962年の『女王蜂』から。
主演の夏琴心。

前述した通り、郭南宏監督の『女王蜂』は1962年に製作された台湾語映画で、主役を演じた夏琴心が女だてらに切ったはったの大暴れをするアクション映画だったそうで、その大胆な演技は当時センセーショナルな話題を呼んだとのことです。

これに先立つ1961年、台湾では新東宝の「女王蜂」シリーズ最終作である『女王蜂の逆襲』が公開されており、おそらくはこの影響下に製作されたのが郭南宏版『女王蜂』ではなかったかと考えられます。

シリーズのその他の作品の台湾での上映記録は未詳ですが、
山田誠二氏の『幻の怪談映画を追って』(洋泉社)には、『女王蜂と
大学の竜』を撮影中のスタジオで記念撮影をする三原葉子と台湾の
配給業者の皆様の写真が掲載されています。

ちなみに、郭南宏監督は同じ年に『浦島遊龍宮 (浦島太郎遊龍宮)』という浦島太郎の映画も撮っており、この映画で浦島太郎を演じたのが、後に邵氏男星・凌雲となった林龍松。
凌雲も台湾にいた頃は浦島太郎になったり鹿の着ぐるみを着たりと、コスプレ男優としてご活躍だった模様です。

こちらは『女王蜂の逆襲』と同時期に
台湾で公開された『銀座旋風児(マイトガイ)』。
ついでに言うと、郭南宏監督には『旋風兒』
という作品も撮っています。

2009年10月4日日曜日

太白 VS 海角皇宮

〔ちょっとお耳に〕〔えいが〕

ウィリアム・ホールデン(William Holden)と
東アジアといえば、この映画も忘れちゃいけないわね。

どうも。
トド@相変わらず貧乏暇なしです。

昨日の中秋節。
不肖せんきちも、古式ゆかしく月見団子などを食したものの、

本高砂屋製。


つやつやもちもちのお団子。

月見はしませんですた。ハハハ。

その夜、BS-TBSで『慕情(Love Is A Many Splendored Thing.生死戀)』をやっていたので久しぶりに観ますたが、なるほど、この映画には中秋節の場面がありますので、その繋がりでのオンエアだったのでせうか。
なかなか粋ですな、TBSさんも。




不肖せんきち、この映画を初めて観たのは小学5年生のときで、お子ちゃまだったわたくしは浜辺での煙草の場面に憧れて「いつかはあんな風に煙草の火を点けてみたいわ」と思ったものですけれど、今じゃすっかり嫌煙家ですわ。

お子ちゃませんきちは、この映画の煙草の場面にも憧れますた。
でも、せんきちの記憶の中ではグレゴリー・ペック(Gregory Peck)が
タイロン・パワー(Tyrone Power)に変換されていたよ。
陽はまた昇る(The Sun Also Rises)』とごっちゃになっていたのね。




ところで、件の中秋節の場面、ウィリアム・ホールデンとジェニファー・ジョーンズ(Jennifer Jones)が2人で食事に行くのが、香港仔の水上レストラン・太白海鮮舫。

船着場でおばちゃんたちに囲まれる2人。


黄昏時の太白。

よくよく考えてみると、『慕情』のみならず、『お姐ちゃん罷り通る(香港三小姐)』や『香港の白い薔薇(香港白薔薇)』といった日港合作映画や、東映の『東京ギャング対香港ギャング』で登場する水上レストランはいずれも太白でして、もう一軒の(あ、珍寶誕生以前の話ね)海角皇宮は、なぜか影が薄いのでありました。
が、そんな中、『香港の夜(香港之夜)』では海角皇宮が会食の場として登場いたします。

お船で海へ漕ぎ出すと・・・
(ここで見えてるのは太白みたいね)


"SEA PALACE"の文字が現れます。


こちらは、高峰秀子著『私の梅原龍三郎』より。
高峰秀子・松山善三夫妻にエスコートされる梅原龍三郎。
本文や写真のキャプションには「太白で食事をした」旨が
書かれていますが、船着場の看板には"SEA PALACE"の文字が。


ほんとはどこに行ったの?

そういや、電懋の『ジューン・ブライド(六月新娘)』に出てきた水上レストラン、あれはどちらでしたっけ?

(未消化のまま終了)