2021年12月27日月曜日

戦後台湾映画に関する研究会

 〔えいが〕〔おしらせ〕〔ちょっとお耳に〕

どうも。

寒いですね。

さて、今日は研究会のお知らせです。


(戦後台湾映画に関する研究会)

日時:2022年1月22日(土)10時〜12時

報告者と報告仮題:

西村正男「音楽研究と映画研究の境界―一年間の台湾滞在で学んだこと」

山崎泉「湯浅浪男と台湾」

司会:三澤真美恵

特にコメンテーターなどは置かず、相互に自由な質疑応答を行う形を想定しています。

時間配分は、ご報告40分、質疑応答15分、休憩5分の予定です。

主催:科研基盤(C)20K12330

参加費:無料

会場:参加申込者に、当日使用するウェブ会議室(Webex)のURLをお送りします。

参加申し込みはGoogleフォームからお願いします。

※Webexの使い方については、こちらのサイトをご参照下さい(アカウントなしで利用する方法)。


それでは皆様、よいお年を!


2021年10月23日土曜日

続 この秋、張美瑤が熱い!

〔えいが〕〔ちょっとお耳に〕

 
張美瑤と藤本真澄。

どうも。
急に寒くなりましたが、皆様お元気ですか?

さて。

先だって惜しくも選に漏れてしまった「台湾語映画国際シンポジウム」、終了後に期間限定で(もう終っちゃったよー)当日の模様を動画配信して下さり、不肖せんきちも貴重なお話を伺うことができました。
その中で、日本大学の三澤真美恵先生が「日本語で読める台湾語映画関連資料」としてこちらのブログを紹介して下さいました。
ただただ「好き」でやってきたことをこのように評価して頂き、本当にありがたいことです。
なにしろ「好き」の二文字だけで続けておりますゆえ(ここ数年ほぼTwitter専従で、こちらは休眠状態でしたが)、台湾語映画だけでなく、尤敏や東映の橘ますみ(ますみたん!)、ディーピカー・パードゥコーン(べっぴんさん!)等々、雑多な情報がてんこ盛りで、シンポジウムがきっかけでいらっしゃった方には何のことやらさっぱりワケがわからんブログかも知れません。
あしからず、ご了承下さいましね。

ところで。 

シンポジウムに続いて、国立フィルムアーカイブ小ホールで行われた台湾語映画の上映プログラム、私はスケジュールの都合で『危険な青春(危險的青春)』しか見に行けず(あ、念のため書いておくと、今回の上映作品は全て既見の作品でした)、張美瑤の『夫の秘密(丈夫的秘密)』をスクリーンで見ることは残念ながら叶いませんでした(台湾で買ってきた円盤もあることだし、よしとしましょう)。

が。

ラピュタ阿佐ヶ谷で上映されていた『バンコックの夜(曼谷之夜)』には、最終日になんとか滑り込みセーフ、7年ぶりの映画館上映を堪能いたしました。
この映画、紛れもなく張美瑤の代表作の一つだと私は強く強く思っているので、今回の台湾語映画上映の返礼として台湾でお礼の上映会を開く、なんていう粋な計らいができないものでしょうか。
おそらく、台湾では公開時以降、上映機会はなかったと思いますし。

そんなわけで、こつこつ台湾語映画やら張美瑤のことやらを取り上げ続けてきた甲斐があったなあと思う今日この頃なのですが、以下に拙ブログにおける張美瑤関連記事のリンクを貼っておきます。
ついでに、旧ブログ(箪笥のへそくり)収載の感想文もどうぞ!(今読むと「青いなあ」と赤面ものなのですけれど) 
ご笑覧下されば、幸いです。


まぜるなきけん: バンコックの夜 (曼谷之夜)

まぜるなきけん: 香港の白い薔薇 (香港白薔薇)

まぜるなきけん: 鬼屋麗人 (The Enchanting Ghost)

まぜるなきけん: 鄧麗君もの2種

まぜるなきけん: 美瑤と菲菲

まぜるなきけん: 橋 (Bridge)

まぜるなきけん: やっぱり、やめちゃいました

まぜるなきけん: もしもし

まぜるなきけん: 『香港の白い薔薇』の中のザ・ジャズ・メッセンジャーズ

まぜるなきけん: 寳島玉女、ついに離婚

まぜるなきけん: 寶島玉女よ、永遠に

まぜるなきけん: 寶島玉女よ、永遠に (その2)

まぜるなきけん: 帰ってきた嗚呼、プラパ!(ヨッパライじゃないよw)


落花時節 (Fallen Petals) : 箪笥のへそくり

雷堡風雲 (An Unseen Trigger-Man) : 箪笥のへそくり


おまけ:張美瑤の作品の中でも不肖せんきちが特に好きなのが『再見阿郎』(白景瑞監督)なのですが、残念ながら感想文を書いておらず。しかし、メインサイトに謎の画像集があるので、そちらのリンクも貼っておきます(こちらからどうぞ)。

2021年10月11日月曜日

君は、金玫を見たか?

〔えいが〕〔ちょっとお耳に〕


彼女が金玫だ!

どうも。

いよいよ今週末に迫った「よみがえる台湾語映画の世界」の上映会。
先だって、張美瑤に注目せよ!な記事を書きましたが、実は今回(国際シンポジウム含む)3本の主演映画(『チマキ売り(燒肉粽)』『モーレツ花嫁 気弱な婿さん(三八新娘憨子婿)』『地獄から来た花嫁(地獄新娘)』)が上映される女優さんがいます。

彼女の名は、金玫。

詳しいプロフィールはこちらをご覧頂きたいのですが、実は不肖せんきち、昨年秋に彼女の生涯を追ったドキュメンタリー映画(『金色玫瑰』)を見ることができたので、その折のTwitterのつぶやきをほぼそのまま(誤字等は修正)こちらに転載して、彼女の紹介に代えたいと思います。

『金色玫瑰:金玫的電影人生』(2011年、毛致新監督)

台湾映画史に残る女優の一人・金玫のドキュメンタリー。
新竹出身の客家である彼女が、やがて台湾語映画の大スターになるも、台湾語映画の凋落と共に映画界を離れ……というその生涯を追う。
金玫の死後に製作されたため、残念ながら本人へのインタビューはないが、息子さんや郭南宏監督、林福地監督、黄仁氏等のインタビューと出演作品の映像により、彼女の生涯を辿る構成となっていた。エンドロールで知ったが、呉乙峰がプロデューサーを勤めていた。
シングルマザーの家庭で苦労して育った後、台北へ。
その後雑技団に加入して歌手デビュー後に結婚、子供にも恵まれるが夫の暴力により離婚、映画界に転身後、台湾語映画の売れっ子女優となる。だが、テレビと北京語映画の台頭により、台湾語映画の人気も急降下、彼女は中視に加盟してテレビへと向かう。
しかし、テレビドラマの製作環境に馴染めず、今度は製作者を目指す。
やがて再婚し、一男一女をもうけるものの夫の浮気で喧嘩が絶えず離婚、その後は子育てに専念する。
2000年代に入り、台湾語映画再評価の機運が高まると再び脚光を浴びることとなるが、2008年に末期癌であることが判明。
2009年の元旦、子供たちに看取られて静かに息を引き取った。享年69歳。

やはり台湾語映画の人気女優だった白蘭(『カミカゼ野郎  真昼の決斗』で千葉ちゃんとも共演)が北京語映画に転身したのに対し、なぜ金玫はそうしなかったのかと思っていたら、なるほど、テレビに行ったのですね。
あくまで私個人の好みですが、金玫のノーブルな雰囲気なら北京語映画でも十分いけたと思うので、この選択はちと残念な気がいたします。

あ、うっかり書き漏らしてしまいましたが、林福地監督とのロマンスもあったのでした。但し、林監督に妻子があったため、破局をむかえることになったのですが。
ちなみに、湯浅浪男(湯慕華)監督の『懷念的人』もガンガン引用されておりました。北京語吹替だけど、フィルムが残ってたからねー。(ここまで)


 ちなみに、金玫の出世作である『素蘭小姐要出嫁』(1963年)の同名主題歌は、「アキラのソーラン節」の台湾語カバーです。


それでは皆様、週末をお楽しみに!


おまけ:今回上映される7本(シンポジウム上映分含む)について、Twitterでもいろいろつぶやいているのですが、ややネタバレ気味のツイートもあるゆえ、こちらでは内緒にいたします。気になる方は、Twilogから検索してみて下さい(^―^)

2021年10月1日金曜日

この秋、張美瑤が熱い!

〔えいが〕〔ちょっとお耳に〕

           
君は、張美瑤を見たか?

どうも。 
またまた大変ご無沙汰しております。 
寝た子(休眠ブログ)を起こしにやって参りました。 
 
 さて。 

 こちらのブログでも長年細々と取り上げてきた1950~60年代の台湾語映画が、日本で一気に脚光を浴びる機会がついに到来しました。 
それが、「よみがえる台湾語映画の世界」なる大規模上映。 
しかも、太っ腹なことに無料招待。 
そして、豪華メンバーによる国際シンポジウムまで開催と、至れり尽くせりの企画なのですが、不肖せんきち、残念ながら国際シンポジウムを聴講するべく参加申込を行ったものの、敢えなく落選してしまいました。 
とほほ……。 

 シンポジウム及び上映の日程等は、こちらのリンクをご参照頂くとして、今回特に注目したいのが、『香港の白い薔薇(香港白薔薇)』や『バンコックの夜(曼谷之夜)』といった日台合作映画でヒロインを演じた「寶島玉女」こと張美瑤の台湾語映画時代の作品(『夫の秘密(丈夫的秘密)』)が上映されること。 
張美瑤というと、今ではどちらかといえば旧作邦画ファンの方がその名をご存知なのかも知れませんが、「張美瑤、誰?」という台湾映画ファンの皆様に手っ取り早くご説明すると、張震主演の『停車』で盲目の老女を演じていた女優さんです。 
久しぶりに出演したこの作品が(結婚して引退後、晩年になってテレビドラマでカムバック)、結局彼女にとって最後の映画になりました。 
ちなみに、その時夫を演じていた徐天榮(本業は監督・脚本家)は、張美瑤が一躍人気女優となるきっかけを作った作品『呉鳳』の脚本を担当した人物です。 
と書けば、なんとなーく「ああ、あのお婆さん」とイメージして下さる方もいらっしゃるかと思いますが、この度上映される『夫の秘密』は、彼女の貴重な初期作品の一つなのです。 

 さらに! 

 なんと、『夫の秘密』が上映される16日の翌日から、ラピュタ阿佐ヶ谷にて『バンコックの夜』が上映されるんですよ、奥さん!
 こちらも貴重な国立フィルムアーカイブ所蔵のプリントによる上映。 
日本、台湾、タイを舞台に繰り広げられる悲恋メロドラマで、不肖せんきちの大好きな映画の1本です。
映画館での上映は、2014年の千葉泰樹監督特集(於:フィルムセンター・当時)以来となります。 

 そんなわけで、 この秋、張美瑤が熱い!

 皆様、くれぐれもお見逃しなきよう。 

 追記:『バンコックの夜』に関するもろもろのことは、こちらのブログでも何度か取り上げておりますので、検索窓からお探し下されば幸いです(張美瑤とかバンコックの夜とか、プラパで検索してね!)。