2005年3月27日日曜日

さいきん読んだ本

〔ほん〕

今日はだいぶ調子がいいです。
が、まだ長い記事を書く気にならないので、さいきん読んだ本のメモでも。

『童月娟:回憶錄暨圖文資料彙編』(電影家系列2)
左桂芳、姚立群著。2001年12月、國家電影資料館。

"ムービー・キング"こと張善琨の夫人にして、自身も女優・プロデューサーとして活躍した童月娟(2003年没)の聞き書きによる回顧録。
香港でも同種の書物が出ていますが、こちらは台湾の國家電影資料館が出版したもの。
夫・張善琨と川喜多長政の篤い友情と、川喜多に対する童の感謝の言葉に心打たれます。
また、張が急逝した後、彼の意思を受け継いでプロデューサーとして映画を製作し続けた、その奮闘ぶりを綴った部分にも読み応えがありました。
なお、本書の中で童は「改革解放後、大陸にいる友人から『中国に戻ってきたら』との誘いを受けたけれども、自分は国民党を支持し続けてきたので大陸へ行く気はない」と語っていますが、亡くなった時は上海にいましたから、結局は自分のルーツに帰ってその生涯を終えたのでした。
巻末の写真集及び作品リスト(新華、中華電影)も貴重。


『春花夢露 正宗台語電影興衰録』
葉龍彦著。1999年9月、博揚文化事業有限公司。

台湾語映画の成立からその末路までを辿った書物。
台湾語映画の監督に関するくわしい記述が、大変役に立ちました。
特に、戦後初の台湾語映画を撮った邵羅輝が、1962年、大蔵映画との合作映画を撮るために来日した、その裏には戦後のどさくさで生き別れになった奥さん(日本人)を探す目的もあった、という記述には、ちいとばかり切なくなりましたです。
「若い頃、あなたはどんな映画を観ていましたか?」という聞き取り調査の結果も、なかなか興味深いものがありました。
小林旭と石原裕次郎はダントツの人気ですが、(新東宝ないしは松竹の)海女映画に強烈な思い出のある人がいて、彼の地でもこの手の映画に根強い支持があったことを改めて知ったのでありました。

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