〔ちょっとお耳に〕
先日、『ホノルル・東京・香港』を観に三百人劇場へ行ったとき、ロビーに『戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河』(なげーよ!)のポスターが貼ってあり、何気なく見ていたところ、
香港ロケ協力 タイ国際航空
とあるのに気付きました。
「えっ?あの映画、香港でロケなんかしてたっけ?」と思いつつ、後日、撮影を担当した姫田真左久さんの『姫田真左久のパン棒人生』を読んでみたら、な、なんと、今はなき尖沙咀火車站(以下、尖沙咀駅と書きます)で撮影をしたとの由。
というわけで、今さら観直してみました。
尖沙咀駅が登場するのは、長ーい長ーい映画(タイトルだけじゃないのよ)の後半、佐久間良子演じる狩野温子が列車でコソーリ大連を後にする、それを知った北大路欣也演じる伍代夏子、もとい、伍代俊介が大連駅まで彼女を追っかける、その件でありました。
つまり、大連駅のフリをした尖沙咀駅という次第。
あくまでもフリなのですから、全体像(『東京ギャング対香港ギャング』&『ならず者』の冒頭でちらりと映ります)、特に鐘楼を映したらバレるということで、まずはエントランスのみが映り、その後、駅舎内部(たぶん。セピア色にしてそれとわからないような工夫をしています)からホームが登場します。
でも、上野駅を模して建てたという大連駅のエントランスと尖沙咀駅のエントランスとでは、かなーり違うんじゃないかと・・・・(そういや、2階建てバスがちらりと映ったような気も)。
追記:大連駅駅舎は1937年に完成(それ以前は1907年に建てられた仮駅舎を使用していたそうな)。が、この場面の時代はそれよりもほんの少し前。だから、これでもいいのかしらん。正確に言えば、工事中だった可能性もあるけど。
その他にも苦労はあったようで、撮影当時(1971年)はもちろん蒸気機関車の時代ではありませんから、機関車の映像は別に撮り、ホームの場面では客車しか映らないように処理していました。
ちなみに、ホームは、その後の奉天駅の場面でも使われていたみたいです。
それにしてもこの映画、天津で『義勇軍行進曲』を歌いながら抗日デモをする南開大学の学生たちを日本人が演じていたりする、(今改めて観ると)ものすごい作品であります。
加えて、「赤いっていいな」というスタンスで全体が貫かれているので、西安事件の件でも張学良や周恩来が立派なのに比べて、蒋介石はみっともなくて中国語の発音も無茶苦茶という、これまたものすごいことになっておりました。
立て万国の労働者。
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