2005年8月28日日曜日

尤敏、小津監督に会う

〔ちょっとお耳に〕

午後、お呼ばれして行った先で空きっ腹なのにビールをしこたま飲んでしまい、まだ気分が悪いです(当然の報いね)。

さて、「早期港、日電影交流展」開催記念便乗企画第2弾に入る前に、嬉しいお知らせです。
昨晩、連絡をもらったのですが、台湾の樂迷の方々が中心になって作成中だった樂蒂の研究書が、9月7日、ついに発売の運びと相成りました。

タイトルは、そのものずばりの『古典美人 樂蒂』。

研究書といっても、写真多めのビジュアル的にも楽しめる本に仕上がっているようなので、興味のある方は、ぜひお買い求めになって下さい。
実はあっしも、東映が彼女を売り出そうとしたときの資料(『東映の友』、新聞・雑誌記事など)をちょこっと提供したんですが、中文翻訳などはせずに(だってできないだもん。逆ならともかく)そのまま送ったので、どの程度役に立ったものやら・・・・。

では、本題です。

先月、尤敏が美智子妃殿下(当時)に会わせてとせがんだものの、結局叶わなかったというB級芸能ニュースをお届けしましたが、こんな方とはご対面していました。


全くきれいだネ! 尤敏の訪問喜ぶ小津監督

小津安二郎監督の「小早川家の秋」は、いま宝塚映画のスタジオでクランクたけなわだが、この映画のセットに来日中の香港スター、ユー・ミンが宝田明に案内されてひょっこり顔をあらわし、小津監督を喜ばした。(略)
奥座敷の一隅から店先までを、独特のロー・アングルにカメラを据え、自ら腹ばいになってルーペをのぞいて細かい演技指導をする小津監督の姿に少しおどろきの表情のユー・ミンは、やがてカメラのそばをはなれた小津監督とニコニコ堅い握手をかわした。
ユー・ミンは「日本映画界の巨匠である小津先生とおあいすることが出来て、こんなにうれしいことはありません」と美しい瞳を輝かせれば、小津監督も「ユー・ミンさんはうわさにたがわぬ美人だ。セットにパッと花が咲いたようだね」と明るいユーモアをとばし、思わぬ美人の訪れに目を細めていた。
(1961月7月10日付『スポーツニッポン(大阪版)』8面)


「日本映画界の巨匠である小津先生とおあいすることが出来て、こんなにうれしいことはありません」とは、なんだか当たり障りのない尤敏のコメントですが、その1年前、1960年4月に東京で開催された第7回アジア映画祭で主演女優賞を受賞したさいのインタビューでは、


「日本映画はあまりみたことありませんが、『無法松の一生』はみました。とてもいい映画でした。外国の俳優ではイングリット・バーグマンがいちばんすきです。男優?さア・・・・」
(1960年4月11日付『朝日新聞(夕刊)』4面。「こまかい演技 女優主演賞のユー・ミンさん」より)


と答えているところからみて、小津監督の映画を観たことがない可能性もあり、そんなこんなでこのようなコメントに落ち着いたのでしょう。
記事には小津監督の横に並んで立つ尤敏の姿をおさめた写真も掲載されていますが、尤敏がいささか緊張気味の表情なのに対して、小津監督はにこやかで柔和な表情をしています。

以上、本日のB級芸能ニュースでした。

ところで。

今年、アジア太平洋映画祭(亞太影展。旧・アジア映画祭)はめでたく50回目を迎えるそうですが、映画祭の創設メンバーの1人(というか、生き残り?)である邵逸夫(ランラン・ショウ)が、9月28日から10月1日までクアラルンプールで開催される第50回映画祭で「終身成就賞」を受賞するそうです(ただし、授賞式には欠席)。
永田雅一がまだ生きていたとしたら、やっぱり彼が受賞するのでしょうか、終身成就賞。

1963年、東京で開催された第10回アジア映画祭の写真。
きれいどころが勢ぞろい。


付記:小津監督って、1961年の第8回アジア映画祭で監督賞(『秋日和』)を受賞しているはずなんですけど、あんまり話題には上らないみたいですね。

2 件のコメント:

映画館主・F さんのコメント...

せんきちさん、こんにちわ。
ロー・ティの本がついに出来たんですね。
一時期はもっと遅くなるような話もあったので、
意外な早さ(?)に大喜びしました。
僕は言葉が分からないので写真も多いとは嬉しい。
早速手に入れたいと思います。

それにしても小津とユー・ミンのツーショットがあったとは。
確かに「小早川家の秋」には宝田明も出てましたね。
それにしても「小早川家の秋」って舞台裏じゃ
いろいろ面白いことがあった映画みたいですねぇ。
メイキングがあったら見たいくらいですね。

せんきち さんのコメント...

Fさん

こんにちわ。
樂蒂の本、博來客だと割引で450元、送料が285元かかるので、全部で735元、日本円にすると2500円ほどのようです。
http://www.books.com.tw/exep/postage.php?item=0010307986
尤敏、その頃大阪へ『香港の夜』のプロモーションで出かけていたので、その折にスタジオを訪問したもののようです。
『小早川家の秋』には団令子も出てますが、たしか小津監督が彼女につけたニックネームが「シューマイ」。
「アンパンのヘソ」もそうですが、周りがプックリ膨らんでいて真ん中がへこんでいる顔なんですね、たぶん。