2006年3月29日水曜日

『香港の夜』ロケ地めぐり in 柳川 (その二)

御花(柳川藩主遊息処)洋館。
2005年の地震で損壊したため、
現在は公開停止中。

(前回のつづき)
劇中、松山家を訪ねる宝田明と、お花の稽古の後松山家へ帰ろうとする尤敏が町を歩く場面がありますが、そのロケは柳川一の観光名所である沖端地区で行われました。
当時発行されていた現地紙『フクニチ』には、その折の様子がこんな風に報道されています。


日本、香港合作の「香港の夜」 柳川ロケ
着物が似合う尤敏 "ここは中国みたい"
宝田と結ばれぬ悲恋の一コマ


東宝と香港のキャセイ・オーガニゼーションの合作映画「香港の夜」(千葉泰樹監督)のロケが八日柳川市沖端で行なわれた。この柳川ロケに出演する香港の人気女優尤敏(ユーミン)や宝田明、笹るみ子らを一目でも見ようとはるばる飯塚、福岡、佐賀あたりから貸し切りバスでかけつけた団体もまじって、現場はゴッタ返しの混雑ぶり。整理員の声もすっかりかれていた。(後略)
(1961年5月11日付『フクニチ』より)


沖の端橋。
向かって左側の建物の前で、宝田明が
松山家の場所を尋ねる場面がありました。
映画では沖端地区と鶴味噌は至近距離に
あるように描かれていましたが、じっさい
には徒歩20分ほどかかります。

尤敏がお花の稽古の帰りに歩いていたのは、おそらく

こんなところや、

こんなところ

だったと思いますが、残念ながらきちんと特定できませんでした。
また、異父妹の笹るみ子が寄り道していた文房具屋さん(ナンバ堂)も、現存しませんでした。
撮影当時のことをご存知の方がいないかと思い、観光協会からご紹介いただいた土地の古老の方をお訪ねしましたが、こちらもご記憶にないとの由。
ま、この映画における柳川は「閉鎖的で排他的な町」というネガティヴなイメージでしか登場しませんので、そんなこんなで忘れ去られてしまったのかも知れません。

沖端地区を往く舟。
「水郷」にふさわしい風景です。


おまけ。沖端地区ではありませんが、
柳川市内で見つけた貸本屋さん。
まだ商売が成り立つんですねえ。

(おまけにつづく)

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