1974年、台湾(文藝)。李行監督。蕭芳芳、胡燕妮、柯俊雄、秦漢主演。
芳芳わがまましたい放題の愛情文芸映画。
浜辺のキャンプ場でアルバイトをしていた江濤(秦漢)は、サマーキャンプに来ていた丹妮(蕭芳芳)と知り合い、やがて2人は付き合い始めます。
丹妮の誕生日に江濤は彼女の家に招かれ、家族を紹介されますが、丹妮の父(崔福生)の再婚相手を見て彼は驚きます。
それは5年前、兄・江瀾(柯利雄)と娘・小雲の許から姿を消した兄の妻・雲仙(胡燕妮)でした。
雲仙は博打に狂って自分を食い物にする夫に愛想をつかし、幼い娘を置いて失踪しましたが、片時も娘のことを忘れたことはありませんでした。
この思わぬ再会以来、江濤と雲仙は連絡を取り合うようになります。
しかし、雲仙のことを快く思わない丹妮は、江濤が好きなのは自分ではなく雲仙なのではないかと、あらぬ疑いを抱き始めるのでした・・・・。
先だっての『怪談おとし穴』の渚まゆみもうっとうしかったけど、今回の蕭芳芳もそれとはまた違った意味でうっとうしかったっす。
母親が精神病院で亡くなったという過去から、自分もいつか精神に異常をきたしてしまうのではないかと怯えるあまり、秦漢にどうでもいいイチャモンつけて八つ当たりしてみたり、若い再婚相手のせいで父親の愛情を独占できなくなったという嫉妬心からテレママをいびり倒したりと、「どーするどーなる蕭芳芳」状態。
特に、秦漢とテレママが密会しているレストランをどうやって尾行したのか探し当て、その入口に佇んで2人をうらめしげにじーっと見つめている姿は、まんまストーカーのようでおました。
ま、李行監督だからこの程度の演出で済んでいるので、これがもしも白景瑞監督だったら、さらに過激な演出になっていたことでありましょう。
最終的には誤解も解け、映画はハッピーエンドで終わるんですけど、かわいそうなのは崔福生。
テレママはどう見ても改心しているとは思えない柯俊雄と復縁しちゃうし、愛娘は俊雄の弟に取られるしで、どこまでも淋しいお父さんなのでありました。
柯俊雄は、カード賭博に狂うろくでなしの亭主という『再見阿郎』系の役どころ。
まさにはまり役ですねえ(おいおい)。
いかさま賭博を巡るいざこざで右手を傷つけられ、そのためカードを捌けなくなって博打から足を洗うことになるんですが、先にも述べた通り、悔い改めて博打をやめたようには到底見えないので、観客としてはただ「よかったねえ。台湾に競馬や競輪や競艇やオートレースがなくて」と思うしかありませんでしたわ。
とまあ、映画の内容はこんな感じでおましたが(ほんとか?)、なにゆえにこの映画のDVDを購入したかといえば、それはもちろん、
主題歌が好きだから。
とりあえず、テレサの歌は堪能できました。
ちなみに、蕭芳芳は本作で「西班牙第五屆國際海洋影展」の主演女優賞を受賞しているそうですが、これって、どういう映画賞なんでしょうか?
付記:以前、台湾の友人に「台湾でも競馬やればいいんじゃない?」と話したら、「駄目だよ!そんなことしたら、みんな働かなくなっちゃうよ!」と真顔で言われたことがあります。ほんとに働かなくなるんだろうか・・・・。
5 件のコメント:
せんきちさん、こんにちは。
なぜか今朝、ここのコメントの投稿ができなくて、bbsにも書きましたが、8月2日から6日まで香港に行ってました。
暑さを覚悟していったのに、台風だったので驚きました。
商務印に行ったら【港日電影関係─尋找亞洲電影網絡之源/邱淑(女亭):天地圖書有限公司 2006年6月 初版・香港】が売られていました。最近は、年に一冊ぐらいの割合で日本-香港関係の本が出てますね。
でも、売れ行きはどうなのかしらん?ですね。
持ってます。
昔香港の深夜に見て、台湾メロドラマ映画にはまるきっかけになった作品ですが、今見てみると、「………」
まあ、いいんですよ。
タイプの美男美女が出てるっていうそれだけで。(何だかんだ言って、結局好きでーす♪)
胤雄さん
こんにちわ。
台風シーズンですね。
邱さんの本、東大での博士論文をまとめたものでしょう。
それ(論文執筆)以降の新しい知見が入っていれば、と思います。
hoisamさん
こんにちわ。
最近、台湾でもがんがん懐かし映画のDVDが出ていて、買う方はお金が追いつきませんです。
この映画、最後に明かされる芳芳の生い立ちの秘密もなんだか「おいおい」ですよね。
せんきちさま
はじめまして。
ここは、絶妙な語り口と有益な情報満載で、こっそりずっぽりハマッております!
テレサ・テンにとても興味を持ってまして、「海韻」は大好きな歌で、映画も是非見てみたいと思ってましたが、見れるのですね。
OSTと全然ジャケ違いで新鮮です。こっちのが断然イイ!
ありがとうございます。
土木作業員さん
こんにちわ。はじめまして。
お読み下さり、恐縮です。
台湾の懐かし映画DVDはたいていリージョンフリーなので、日本のDVDプレイヤーでもごくふつーに再生でき、ありがたいです。
値段も安いので、ぜひご覧になって見てください。
今後とも、よろしくお願いいたします。
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