1937年、台湾総督府。
どうも。
トド@ついったーでスパム踏んじゃったです。
すんません。
というわけで、今回もフィルムセンター詣の備忘録。
昭和12年(1937)6月8日から17日まで台湾を訪れた東久邇宮稔彦王の記録映画。
1937年制作ですが、無声映画です。
一応、観た後でざっとメモした訪問地と出てきた映像。
正確な日付が途中でわからなくなっちゃったので、到着日と出発日のみ明記しておきます。
6月8日、台北飛行場に到着。
イの一番に台湾神社参拝。
市内各所視察(総督府、軍施設、台北帝国大学、中央研究所、植物園、博物館、建功神社、等)。
国語演習会の映像(本島人子弟による日の丸振りながらのお遊戯、日本舞踊、剣舞、等)。
家鴨飼いの映像(なんと明治橋のたもと!こんなところで家鴨を飼っていたのね)。
鉄道で新竹へ(途中、桃園駅を通過。駅のホームには人々が整列)。
石油工場等を視察。
鉄道、車を乗り継いで日月潭へ(途中、彰化駅でいったん下車して閲兵)。
水裡抗駅から日月潭へ向かう。
原住民の杵つき歌の映像。
発電所視察。
漁民の映像。
鉄道で嘉義へ。
製材所等視察。
飛行機に乗り、澎湖島を空から視察。
阿里山、新高山、中央山脈の映像。
鉄道で台南へ。
台南神社で北白川宮を偲ぶ。
鉄道で高雄へ行き、その後屏東へ。
台湾製糖の工場で原住民の踊りを鑑賞。
飛行機に乗り、台湾最南端の地・鵞鑾鼻岬を空から視察。
高雄市内へ戻り、視察(日本水産、日本アルミニューム、等)。
飛行機で花蓮へ。
吉野村、花蓮港築港等視察。
飛行機で台北へ。
6月17日、台北飛行場より離台。
NFCニューズレター第90号所収の解説(江口浩氏「川崎市市民ミュージアムの映画復元」)によれば「少なくともこの可燃性プリント(今回の上映の大元となったプリント・せんきち注)が、日本国内の興行用に供されたものではないことがわかる」とのことですが、一般公開の有無はともかくとしても、この映画、単に東久邇宮稔彦王の台湾視察の記録に留まらず、台湾総督府の順調な統治ぶりを宣伝する素材として、かなりうまくできているのではないかと思いました。
特に「国語演習会」は本島人子弟の日本人化はこんなにも進んでいる!という絶好のサンプルでしょうし、原住民の歌や踊りも1930年に起こった霧社事件でのマイナスイメージを払拭するためのものではないかと考えられます。
ただ、東久邇宮稔彦王自身は実際に山地へ足を運ぶことはなかったようですけれど。
また、吉野村視察も、いわば国策としての移民政策がうまくいっていることへの(東久邇宮稔彦王の)お墨付きを頂く、という意味が大きかったのでしょう。
このところ、日本統治時代の台湾の史跡や建築物を辿る書物が次々と発売されて、そんな台湾好きの皆さんで当日は大混雑かと思いきや、拍子抜けするほど場内はガラガラでした。
最終日(27日)にもう一度上映がありますので、お時間のある方は(平日の昼間なんだけど)ぜひとも足をお運び下さい。
付記:この日は斜め後ろのオヤジのいびき&寝息がうるさかったっす。無声映画でいびきを掻かないで下さい。
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