2006年6月12日月曜日

コマンド・フューリー 女囚戦士 (少女集中營)

〔えいが〕

やっぱりナチスもどき。

1983年、台湾(銀海)。王重光監督。陳麗雲、劉嘉芬、崔守平主演。

帰ってきた台湾黒電影(これまでの記事はこちら→その1その2その3その4その5その6その7その8)。

その8で取り上げた『新・悪魔のえじき 暴虐女傑復讐魔(瘋狂女煞星)』と同じく、悪名高き香港IFDによる英語吹替ヴァージョンのため(ニコイチじゃない点がせめてもの救い)、ビデオのパッケージには「1986年作品 香港映画」となっておりますが、実際には『台湾黒電影』でも紹介されていた1983年の台湾映画『少女集中營』ざます。
ただ、ここに出てくる女囚の皆さん、ちっとも

少女じゃありません。

今すぐ

熟女集中營

に改題してほしいもんです。

かなり強引なストーリー展開なので、いちおうビデオのパッケージにあった紹介文からそれらしき件を引用。


黄金三角地帯の奥深く、女だけを監禁する刑務所があった。そこを支配するのは、残忍な所長チーフと、美しく非情な助手ヘレンである。彼らは人質として捕らえた外交官の娘、ドナが持つ機密のマイクロフィルムを狙っていた。
過酷で危険に満ちた強制労働、暴行、拷問と、女たちに執拗な責めが続く。耐え切れず脱出する者は、容赦なく処刑されるのだった。
遂に、女囚たちは勇敢な女戦士、テリー・ユーをリーダーに脱走を決行する。しかし、刑務所の周囲は、想像を絶する密林地獄だった・・・・。


設定やタイトルは邵氏の『女集中營』のパクリ、女だらけのアクション映画という点から見ると大ヒットした『アマゾネス・コマンドー 美女脱獄囚:地獄のX作戦(紅粉兵團)』のような「噱頭集錦片」の流れを汲む作品と思われます。

先ほども触れた通り、ストーリーの展開はかなり強引です。
何より、収容所長が狙うマイクロフィルムにどんな機密が隠されているのかがわからないですし、ドナとマイクロフィルムを守るため女囚に化けて収容所に送り込まれたテリー・ユーが属する組織レイダース(なんちゅう名前じゃ)の実態も不明なまま。
ただひたすら、暴力場面が延々と続きます。

また、『女集中營』にあったようなエロ味もほぼ皆無のため、この手の映画につきものの強姦場面はほんのちょっと出てくるだけ。
看守の男たちが、やけにストイックに見えましたわ。

ところで、『アマゾネス・コマンドー 美女脱獄囚:地獄のX作戦(紅粉兵團)』や『ドラゴン特攻隊(迷你特攻隊)』と同じく、本作でも悪玉の格好はナチスもどきの軍服姿。
ごていねいに、女囚にはダビデの星の焼き鏝を押してましたし。
当時これが流行していたのか、それともこうしないと新聞局の審査をパスできなかったのか、ちょっと調べてみる価値はありそうです。

ヘレン(実は彼女もレイダースの一員)の
なりはそこそこファッショナブルなのに、


女囚はイケてないスタイル。要工夫。


『女集中營』で収容所長やってた王俠が、レイダースの
頭目タイガー・チャン役でひょっこり登場。
正義の人を装いつつ実は敵側と通じていて、
女たちをあっさり裏切ります。
さすが王俠、期待を裏切らない役どころ。


これは王傑


一番キモかった場面。
普通の縫い針&糸で傷口を縫合。
後で泣いても知らないよ。

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