2005年12月4日日曜日

アマゾネス・コマンドー 美女脱獄囚:地獄のX作戦 (紅粉兵團)

〔えいが〕

北京オペラ・ブルース(刀馬旦)』の原点・・・・なのか?

1982年、台湾(登魁)。朱延平監督。林青霞、楊惠姍、葉蒨文、彭雪芬、許不了主演。

黒電影がらみで取り上げてみました。
1982年の台北市興行収入第2位を記録した作品。
『中華民国電影年鑑』(1983年版)によると、この手の女性が徒党を組んで(?)悪(多くの場合男性)と戦う映画(女囚物もこの中に含まれるみたいっす)を台湾では「噱頭集錦片」と言い、その中でもこの作品は豪華キャストも幸いしてか興行的に大変な成功を収めたため、柳の下のどじょうを狙って追随作品が数多く作られたそうです。

ただしこの映画、日本でリリースされたビデオは悪名高き香港IFD(通用影藝有限公司〔IFD Films and Arts Limited〕。オーナーはジョセフ・ライ。仲間のトーマス・タンがやってたのが、やっぱり悪名高き香港フィルマーク〔Filmark International〕)による英語版(英文タイトルは"Golden Queens Commando")なので、香港映画に間違えられたり、あるいは1984年製作だの、1983年製作だのと言われたりしているようですが、正しくは1982年の台湾映画です。
製作会社は、今も活躍する大物プロデューサー・楊登魁が当時率いていた「登魁」。
この方、本業でも大物ですけど、裏社会との繋がりでもかなりの大物らしいです。
それゆえ実現した豪華キャストなのでしょうか、やっぱり。

で。

ビデオのパッケージにある「物語」には、


第二次世界大戦の終了まぎわ、既に戦争も大詰め、戦いは化学兵器中心の道を歩みつつあった。ある時、反乱軍は対反乱軍の領土に毒ガスをバラまき全滅させる作戦をたてた。反乱軍の作戦を食い止めるために、対反乱軍首脳はブラック・フォックスという有名でキュートな女盗賊に秘密軍令を下した。その指令とは、デス・バレー(死の谷)にある反乱軍の毒ガス製造要塞を破壊し、この計画を阻止することであった。ところが、この仕事は一人では無理と判断したフォックスは、仲間を求め刑務所までやってくる。そして6人の仲間を脱獄させ"アマゾネス・コマンドー軍団"を結成した。7人の美女軍団は次々と敵を倒し、無敵のように思われたが、そこは、やはり女性、美人薄命の言葉通り、一人また一人と反乱軍の毒牙にかかり、最後には、たった一人しか生きて帰れぬという運命が待っていたのだった・・・・。


とあるんですが、「第二次世界大戦~この計画を阻止することであった」の件は、ビデオに収録された本編にはなし。
さてはIFDが勝手に編集しちゃったのかと思い、ビデオの上映時間(90分)と「台湾電影資料庫」にあるフィルムの長さ(2464m)を比較検討したもののそれほど大きな差はなく、ということは、ほとんどオリジナルのままみたいです。

しかし、はっきり言ってワケわかんないですよ、この映画。




一応、台湾の戦争物には欠かせない鬼畜日本兵が出てきてやりたい放題やらかしますけど、本筋には何のかかわりもなく、真の敵はナチスみたいな格好した兵隊ですし。
もしかしたら、英語版はナチスの格好、北京語版は日本軍の格好なのかしらん(つまり、反乱軍→日本軍、対反乱軍→国府軍)とも思いましたが、そんな手間隙かける時間と金はなさそうだしなあ。
あ、でも、『ドラゴン特攻隊(迷你特攻隊)』もナチスの格好だったっけか。
あまり深く考えない方がよろしいかと・・・・。


食ったもん吹き出してる林青霞。


林青霞さん、英文名がVenus Linになってました。

・・・・気まぐれヴィーナス

ちなみに、ビデオのパッケージでは「ベナス・リン」。
Venusも読めんのか、徳間(販売元)。


楊惠姍。一歩間違えたら化け猫物に・・・・。


葉蒨文。ルックス的には「鉄甲無敵マリア」よりいいかも。


彭雪芬。『大輪廻』のヒロイン。


というわけで、壮絶な戦いによって1人ずつ仲間が消えてゆき、最後に1人生き残るのが、なんと途中から合流したお邪魔虫の


許不了。この角度から見ると陳松勇みたいだな。


観ているこっちは受不了でおました(無理やりなオチで強制終了)。

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