2005年12月21日水曜日

新・悪魔のえじき 暴虐女傑復讐魔 (瘋狂女煞星)

〔えいが〕

3人寄れば、文殊の知恵!

1981年、台湾(永昇)。楊家雲監督。陸小芬、崔守平、華倫、徐小玲主演。

まだまだ懲りていません、黒電影収集。
今回は『台湾黒電影』に登場した作品の内、日本で英語版のビデオがリリースされた『瘋狂女煞星』を観てみました。
おおまかなストーリーは、下記の通りです(英語版なので登場人物名が全て英文名になっています。あしからず、ご了承下さい)。

売れっ子モデルのキャロル(徐小玲)は、気に入らないCM撮影の現場をエスケープ、1人市街地へ戻ろうとするものの、あいにく山の中のためタクシーも拾えず途方にくれていました。
するとそこへ1台の車が通りかかり、これ幸いとキャロルは同乗させてもらいます。
しかし、車を運転していたリー(華倫)は、キャロルを強姦してしまうのでした。
キャロルは勇気を奮ってリーを告訴しますが、資産家であるリーは金に物を言わせて敏腕弁護士を雇い、まんまと無罪を勝ち取ります。
キャロルはリーを殺そうとしますがそれも叶わず、絶望して投身自殺を遂げます。
この事件に疑問を持ったのが、新聞記者のウェンディ・チャン(陸小芬)。
リーの有罪を確信した彼女は彼の身辺を調査しますが、ウェンディの美貌に興味を抱いたリーは、彼女へのストーカー行為を開始します。
そんなある日、会社からの帰途、行きずりの男5人にウェンディも強姦されてします。
ウェンディはそのことを正直に婚約者のマイケル(崔守平)に打ち明けますが、マイケルは彼女を冷たく突き放すのでした。
キャロルの怨念と自らの憤怒が一体となったウェンディは復讐魔と化し、自分を犯した男たちを1人、また1人と死に追いやって行きます。
4人目の男を殺した後、警察に追われる彼女を救ったのは、なんとあのリーでした。
しかし、このリーこそが、彼女を犯した5人目の男だったのでした・・・・。

冒頭に掲げた作品データは、オリジナルのものですが、ビデオは香港IFD経由の英語版のため、

1985年、香港映画

となっております。
また、スタッフ・キャストの表記もかなーり食い違っておりまして、

オリジナル
製作: 鳳越舉
監督: 楊家雲
脚本: 楚雲
撮影: 林自榮
音楽: 岳勳
出演: 陸小芬, 崔守平, 華倫, 徐小玲, 龍宣

IFD版
製作総指揮:ジョセフ・ライ
監督:カレン・ヤン
脚本:ベニー・ホー
撮影:ティーン・チェン
音楽:ベネット・リー
出演:フォンダ・リン、ウォーレン・チャン、バーナード・ツイ、チェリー・コク、モーリス・ラム

てな具合になっております。
だいたい、てめーで作ってるわけでもないのに「製作総指揮」ってなんだよ、ジョセフ・ライ(黎幸麟)。
それに、陸小芬がなんでフォンダ・リンになっちゃうんでしょ。
ビデオのパッケージには、

主演は台湾映画界きっての若手セクシー女優フォンダ・リン。台湾の梶芽衣子か藤純子か、まさに東映任侠映画のヒロインを彷彿とさせるいで立ちで、男たちを地獄へ送る姿は、日本でも人気沸騰まちがいなし!である。

とありましたけど、たしかこのビデオがリリースされた頃には、陸小芬の代表作である『海をみつめる日(看海的日子)』が日本でも映画祭上映されていたはず。
それを承知の上で敢えてこんな書き方をしたのだろうか。
っつーか、「フォンダ・リン=陸小芬」だってわかっていたかどうか自体がまず疑問だわな。

と、ひとしきり毒を吐いたところで映画の内容に話を移しましょう。

本作は『上海社会檔案』の大ヒット&陸小芬人気大爆発!の後を受け、いわば「イケイケドンドン」状態の中製作された映画で、そのせいか『上海~』で陸小芬の恋人役を演じていた崔守平がここでも婚約者の役を演じていたり、さらには『上海~』で尚琪を演じていた彭君暉が裁判長役でちらりと顔を見せたりと、

この方が彭君暉。

当て込み的な趣向が目立ちます。

ストーリー的には、前半はいまだに男性優位主義が残る社会に対する女性の厳しい視線が伺えてそこそこよかったのですが、中盤、5人の男にウェンディが強姦される件以降はやや支離滅裂な展開になり、特に、ウェンディを犯す4人組とリーは何の面識がないにも関わらず、なぜ5人目としてちゃっかりおこぼれに預かることができたのか(お下劣な表現でスマソ)、大きな謎が残ります。
この4人組が実はリーが雇った男たちで、行きずりを装ってウェンディを強姦した、とかいうのなら、まだ納得がいったのですが。
まあ、そんなストーリーの整合性よりも、レイプ、ストーカー、復讐・・・・と、次から次に繰り出されるセンセーショナルな映像こそがこの映画の呼び物だったのでしょうから、多少の矛盾は致し方のないことかも知れません。

例によってノーブラの陸小芬。
でも、脱ぐのは絶対にNO!

というわけで、映画の後半は、さながら「陸小芬の復讐ショー」と言った趣。

双子の目玉オヤジ入り弁当。
マグロの目玉ならDHAが豊富なんだけど。

上の写真のような「死刑宣告」に当たる不幸の贈り物が届けられた後、その受け取り主が次々と血祭りにあげられていきます。

第1の復讐:食肉処理場で、豚と一緒にお仕置きよ!

第2の復讐:工事現場で、クレーンで逆さ吊りの後、
そのまま真っ逆さまに地上へ。

第3の復讐:大自然の中で人間狩り!

第4の復讐:行為の最中に剃刀で首筋をスパッ!

お次は日本刀でとどめの一発をお見舞!

・・・・のはずなんですけど、なぜか本編では
この日本刀グサリ場面がカットされていました。
タイトルバックには出てきたのに・・・・。

この後、リーとウェンディのガチンコ勝負になり、まんま『シャイニング』な展開を見せた後で、ついにリーを追い詰めるのですが、そこへ警察がかけつけてウェンディを逮捕、リーは生きたまんま。

不完全燃焼だよ、これじゃ。

そうしないと(逮捕)、検閲がうるさかったってことなんだろうか。

ちなみに、『上海~』や『癡情奇女子』における「陸小芬不死身伝説」(?)はここでも健在、

こんな風に車にはねられたのに、

何事もなかったかのように二足歩行。
というか、全力疾走。

「自動車にはねられても無傷な女」でおました。

とりあえず、ストーリーは二の次にして、次々に繰り広げられる楽しい復讐の饗宴に身を委ねた方がいいわね、やっぱり。
3級片ブームの頃にでもリメイクしたらけっこう面白かったのじゃないかとも思いましたが、今じゃ無理だろうな。
9年前の舒淇ならやってくれそうだったけど。

おまけ:肯尼士(KENNEX)って、YONEXのパクリ?
と思ったら、超有名ブランドでしたわ。
今ではPROKENNEXと名乗っているようだけど。

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