1961年、イタリア。グァルティエロ・ヤコペッティ(Gualtiero Jacopetti)監督。
言わずと知れたモンド映画の古典ですが、中華なネタも俎上に載せており、
台北の犬肉レストラン
や
シンガポールの死者の家
等々、今となってはマジなのかヤラセなのか検証不可能、というか、そんなこと考えるだけ無駄なショッキング映像がそれなりに満載ですので、思い出したように取り上げてみますた。
・台北の犬肉レストラン
屋台に毛が生えたような露天式のレストラン。
檻には可哀想な子犬たちがドナドナ状態で死を待っています。
看板にはでっかく、
FAMOUS DISH ROAST DOGMEAT
香肉
の文字が。
ナレーションによれば、客が檻から犬を選んで調理してもらうスタイルのこのレストラン、人気の犬種はプードル、ダックス憤怒、もとい、ダックスフンド、ボクサーですが、中でも一番人気はチャウチャウとの由。
しかし、画面に映し出される黒い子犬はといえば・・・・
チャウチャウちゃうやん!
・香港の市場
ところ変わって、ここは香港・李鄭屋。
ワニ、カエル、スッポン、トカゲといった、いつものネタが売られる市場の光景。
センザンコウやハクビシンも映るけど、ナレーションでは無視。
内容はともかく、李鄭屋の映像は観る価値大かも。
・シンガポールの蛇屋
のっけから、
蛇はシンガポールの国民的な食材
という、耳を疑うようなナレーション(安価な蛋白源ってことですか?)が流れる中、若妻らしき女性が今夜のおかずの蛇を買っていく一部始終を映した後、「蛇の丸焼き乗せ御飯(仮称)」をうまそうに頬ばるおっさんの姿へ。
ちなみに、若妻さんは皮を剥いでもらって中身だけお買い上げでしたが、せんきちが広州で蛇を食ったときは、皮もちゃんと野菜と和え物になって出てきました(うまかったっす)。
・澳門の金持ちの葬儀
故人の遺影に「港九中醫公會」とあったので、てっきり香港の葬式かと思ったら、澳門のそれでした。
白装束の遺族がビービー泣いている横で、乳飲み子背負った若い母親が、それとは無関係にひたすら紙銭を燃やし続ける姿に目が釘付けになりますた。
・シンガポールの屋台
ここは、ごく普通に屋台の情景画が出てくるのみ。
・シンガポールの死者の家
瀕死の老人や病人たちが収容される死者の家。
その外では、家族たちが麻雀をしたり、美味しい料理に舌鼓を打ちながら収容者の死を待ち続けます。
死者の家に収容された家族がなかなか死なない場合、道士に頼んで早く死んでくれるようひたすら祈るのでありました・・・・って、元気な家族たちは昼間は何やってんだよ。
朝から晩まで麻雀して飯食ってるのか?
とまあ、その真偽はともかく、死を待つ人々の虚ろで孤独な表情と、ひたすら享楽を貪る家族たちのお気楽な姿の対比には、生々しいものがありました。
(おしまい)
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