2005年5月31日火曜日

12歳若返ると・・・・

〔とほほ事件簿〕

中国:過熱する商品広告、芸能人の起用制限の動き

中国で過熱する商品広告を取り締まるため、芸能人の起用を制限する動きが出始めている。広告に出演した芸能人が訴訟騒ぎに巻き込まれる事例もあり、中国本土の広告に起用されることが多い香港の芸能人も困惑気味だ。
中国の華僑向け通信社「中国新聞社」などによると、北京市は27日、健康食品や化粧品、医薬品などの広告で芸能人が効能を説明することを禁じる方針を決めた。違反があれば、「商業詐欺罪」で最高禁固2年の刑が科される。既に28日夜から一部のドリンク剤や化粧品のテレビCMが放映されなくなったという。
その一つの化粧品Cmでは香港の女優、劉嘉玲(カリーナ・ラウ)さんが「28日間の使用でしわが47%も減少し、肌が12歳若返った」と語りかけるシーンがあり、今年3月、江西省の消費者が虚偽広告と訴え、全国的にも注目を集めた・・・・

現地報道は、こちらこちらもどうぞ)。

なんだかここんとこ美容問題ネタが続いていますが、これは今日ぐうぜん朝刊を読んでいて見つけた記事。

いやあ、12歳若返る、ですか。
するってーと、何歳になるのかな・・・・・。

えーっと、えーっと、えーっと・・・・。

書くの、やめときます。

付記:「しわが47%も減少」ってのも、どうやって計測したんだろうか?

小翠 (The Petite Wife)

〔えいが〕



1969年、台湾(中影)。廖祥雄監督。翁倩玉、武家麒、傅碧輝、魏蘇主演。

ジュディさん(翁倩玉)の台湾映画デビュー作(なぜかYesAsiaではVCDしか扱っていません)。
1970年の台北市における北京語映画興行収入第2位を記録しました(製作年は1969年)。

役人・王太常(魏蘇)のバカ息子・元豊(武家麒)の許へ自ら進んで嫁入りした娘・小翠(翁倩玉)が、次々と奇跡を巻き起こしていくという、『聊斎志異』の「小翠」に材を取った中央電影版黄梅調映画です。
しかし、こちらをお読みいただけばわかる通り、本来は太常が若き日に助けた狐の子だったはずの小翠をなまじ人間の子にしちまったばっかりに、小翠が繰り出す不思議な力(魔法含む)に対する説得力が著しく後退、ゆえに観終わってまさに、

狐につままれたような気分

になりました。

どっちみち狐なのね。

また、『聊斎志異』が原作と言っても映画自体は「明るい歌入り軽喜劇(コテコテギャグ満載)」といった趣なので、『真説チャイニーズ・ゴースト・ストーリー(倩女幽魂)』のような幻想的な雰囲気は皆無です。
さらに、黄梅調映画には欠かせない歌も、邵氏や電懋(國泰)のそれが国語時代曲歌手によるものであるのに対し、こちらではほんまもんの京劇役者が担当しているようで、ちょっと違和感がありました。
邵氏のようなゴージャス感も希薄でしたし。

やはり、何も考えずに楽しく観られるという点が、当時の観客には受けたのでしょう。
何しろ、同じ年の(台北市の北京語映画興収)1位がやはり黄梅調映画である『三笑』(邵氏)ですから、この種の映画がいかに人気があったかがよくわかります。

劇中、ジュディさんの男装もありますが、「鬚ぼうぼうの色気無し」なので、『黒い賭博師 悪魔の左手』の少年ギャンブラーの方が魅力的かも。

それにしても、狐の話が「迷信」だなんて、官製映画会社である中央電影公司の表現の幅がどれほど狭かったかがしのばれるエピソードです。
何だかんだいっても「映画=プロパガンダの道具」だった時代なのですね、まだまだ。

2005年5月30日月曜日

あやしい「日本製」

〔とほほ事件簿〕

昨日、日テレの『真相報道 バンキシャ!』を観ていたら、天天素よりももっと危ない痩せ薬がある、という話をしておりまして、あっしもちょっくらネットで検索してみたところ、「日本製」を謳うヤバイ痩せ薬を発見いたしました。 



極速痩身-Ⅱ。
「大田迪宝保健」という会社の製品らしいのですが、これは深圳にある輸入業者で、実際の製造元は「日本大阪松谷製薬株式会社」だそうな。

でも、そんな会社、ないよ。

1日2回、1回1粒を服用(朝食と夕食前)。
1箱80粒入りで、1600円ほどです。



スリム・ストーリー 痩身の語Ⅲ。
「痩身物語」ということらしいっす。
これも日本大阪松谷製薬株式会社製。
服用方法は上の薬と同じですが、早く痩せたい方は通常の服用方法を4日間続けた後、1回2粒に服用量を増やし、これを2杯のミネラルウォーターで摂取するといいそうです。
1箱80粒入りで、やはり1600円ほど。



極めつけはこちら。
日本秀身堂美容救急箱。

肥満を減る 救急はこ (山崎ハコの親戚か?)
速攻でヤセたい人は
脂肪を燃焼して
6日間で変身しよう

だそうです。
こちらの能書きによると、「日本武田中央海草研究所所長の甲能深雪先生の26年に亘る臨床試験の結晶」がこの薬なのだそうな。

どこの誰だ、それ?

製品は救急箱と言うだけあって、この箱の中に「緑藻溶脂素」「活性氨基酸」「減肥香草茶」の3種類が入っております。

緑藻溶脂素は1日1回2粒ずつ、朝の空腹時に服用。
活性氨基酸は1日1回2粒ずつ、こちらは夜寝る前に服用。
さらに減肥香草茶1日1回1袋を沸騰したお湯に2~3分浸して飲みます。

アミノ酸や食物繊維が含まれているみたいですが(あとはクロレラ?)、危険がいっぱいですね。
でもお値段は高いです。7500円ほど。

これらあやしい日本製痩せ薬に関して、興味のある方はこちらをご覧下さい。
でも、何の保証もございませんので、くれぐれもご注意のほど。

2005年5月29日日曜日

萬博追蹤

〔えいが〕

1970年、台湾(中影)。廖祥雄監督。翁倩玉、馮海、魏蘇主演。

愛・地球博」開催記念企画(ウソ)。
翁倩玉(ジュディ・オング。以下、ジュディさんと記します)主演の大阪万博ロケ映画(英文タイトル不詳)。

日本育ちの中国人・林雪子(ジュディさん)は、大阪万博の中華民国パビリオンのコンパニオンに選ばれたのを期に、今まで素性を明かさずに学費を援助してくれた台湾に住むという恩人・陳春木を探す決意をします。
パビリオンに来場した台湾人から陳の妹が神戸に住んでいると聞いた雪子は妹を訪ねますが、妹は、陳は別の人に頼まれて送金をしているだけだ、と説明します。
その後、雪子は陳が奈良に住む山崎という日本人から頼まれたということを知り、山崎に会うものの、山崎も他の誰かから頼まれているとだけ話し、しかし、それが誰なのかについては頑として口をつぐんだまま、姿を消してしまいます。
雪子は彼女を追って大阪にやって来たボーイフレンドの藤本哲男(馮海)の助けを得て山崎を探しますが、哲男の父(魏蘇)が倒れたという知らせを受けて、急遽東京へ戻ります。
死の床にある哲男の父を雪子と母が見舞いに訪れると、そこへやって来たのは、なんと山崎その人でした。
そして、山崎と哲男の父から、雪子の恩人に関する驚くべき真相が語られるのでした・・・・。

戦時中、1人の中国人(雪子の父)を殺した日本人(哲男の父)が、その罪を心から悔い、彼の未亡人と娘に対して自分の素性を隠したまま援助を続けていた、というのがこの映画のオチなのですが、そのきっかけとなるのが蒋介石の「徳を以って怨に報いる(以徳報怨)」だったというところが、いかにもと言えばいかにもであります。
ただ、終戦当時、この言葉に感銘を受けた日本人は多く、戦後、国府軍の捕虜として集団生活を送った経験を持つ市川潔氏の『台湾の旅 鉄道と温泉をたずねて』(1979年、りくえつ)にも、

兵隊は中国大陸で、蒋介石総統の「以徳報怨」の政策のお陰で、無事に復員することができた。

と、書かれています。
ま、今では「うへっ!結局は国民党のプロパガンダかよ!」で、おしまいなのですけれど。

ラスト、哲男の父は雪子に自分の拳銃を渡して父の仇を討つよう促しますが(銃刀法違反!)、雪子は哲男の父を赦し、日本人は再び偉大なる中華民族の「以徳報怨」の精神に触れるという駄目押しまであります。

とはいうもののこの映画、「蒋介石万歳!」な上記の展開もかなり控えめな描写に徹しており、それは監督が本省人であることと、スタッフに日本人が加わっていること等が関係しているのかなとも思いました。
日本人役の服装や風俗考証も、やたらに和服の人が多い他は比較的きちんとしていました。
戦後、山崎と藤本がなぜか和服に番傘を差して東京の街をそぞろ歩くという「仁侠映画」と見紛う場面には、さすがに苦笑しましたけど。

劇中のジュディさんは芸能活動をしながら学業に励む華僑という設定らしく(詳しい説明がないもんで)、映画の冒頭10分間ぐらいはジュディさんの歌って踊ってショウタイムでした。

それから万博ロケですが、雪子と哲男が山崎を探す場面で、会場内をロングショットでだらだらと映し出しているだけ(常にBGM入り)、というのはいかにももったいない気がしました(中華民国パビリオンの中も少ししか出てきません)。
『ガメラ対大魔獣ジャイガー』のように各パビリオンの紹介を織り込んだ方が、やはりよかったのではないかと。
見物客でごった返す会場内の映像というのも、今となっては貴重かも知れませんが。
また、神戸や奈良のロケ場面も、港は映らないわ、同じような場所&もの(二月堂、奈良公園の鹿)ばかり映るわで、かなりもったいなかったです。
その割には、「北海道へ行った山崎を追って、雪子と哲男は雪の北海道へ」という強引な力技を繰り出し、観客の嗜好(雪が珍しい)に即した撮影も行っています。

最後にもう一つ。
途中、林海峯(この林海峰じゃなくて)が無理矢理ゲスト出演していました。
囲碁ファンの方も、ぜひ。

眠いです

〔しようもない日常〕



酔っ払って、眠いです。
1軒目でインドカレーとシシカバブとビール、2軒目でサラダとフライとワイン、3軒目で乾き物とビール。
たいして飲んでいないんですけど・・・・。

さて、ここんとこ「台湾映画強化期間」に入ったのか、『萬博追蹤』、『小翠』、『新娘與我』と、いにしえの中央電影作品を連続して鑑賞しました。
『新娘與我』って、第7回台湾金馬奨監督賞(白景瑞)を受賞したそうですが、これで獲るなら『再見阿郎』で獲るべきだよなと正直思っちゃいました(『邵氏影視帝國』の著者である廖金鳳先生も、白景瑞監督の最高傑作は『再見阿郎』だとおっしゃっていました)。

とりあえず、明日、『萬博追蹤』に手をつけますです。

邦画もCSでテキトーに観ているのですが、それはいづれまたまとめて。
『カミカゼ野郎 真昼の決斗』と『モーガン警部と謎の男』(ビデオ録画、失敗してしもうた)は、個別に取り上げます。

ということで、おやすみなさいませ。

2005年5月27日金曜日

痩せたーい。でも、食べたーい!

〔とほほ事件簿〕


めるききめがある・・・・

ダイエット食品:10代女性が死亡 中国製「天天素」を服用--東京

東京都は26日、中国製のダイエット食品「天天素」を服用していた都内の10代の女性が心不全を起こして死亡したと発表した。福島、群馬、千葉、富山、愛知、岡山、広島の7県でも意識を失ったり、下痢や嘔吐(おうと)などの健康被害が相次いでいることから、服用を直ちに中止するよう呼びかけている。厚生労働省も税関に輸入禁止措置を取るよう求めるなど、被害拡大防止に乗り出した・・・・

タイトルは、かつてシュガーカットのCMでギャルがつぶやいていた台詞ですが、2年前の中国製痩せ薬騒動こちらもご覧下さい)のほとぼりもまだ冷めぬ内、今度は別の中国製痩せ薬で死者が出てしまいました。
先ほど、ネット通販のサイトを覗いてみたところ、サイトの閉鎖やあるいは取扱終了という表示がほとんどで、とりあえずは厚生労働省の注意喚起が功を奏した様子。
が、1つ駄目になってもまた別の商品が出てくるのが世の常。
こちらのサイトでは、既に別の中国製痩せ薬が主力商品になっていました。

変わり身、早いね。

この天天素なる薬の製造元である広州野馬生物保険品有限公司は、本国でもかなりヤバイ橋を渡っている会社のようですが(こちらもどうぞ)、天天素は今なお堂々と販売されております。

中国人、平気なのか?

ところで。
話はがらりと変わりますけど、戦後60年経った今、元日本兵発見か?というニュースが新聞やテレビを賑わせております。
これに関連して、昭和40年代後半に相次いで日本に帰還した横井さん、小野田さんのことが紹介されていますが、不思議なことに中村輝夫さんについて言及しているメディアは皆無に等しいようです。
もっとも、中村さんと同じ部隊にいた別の台湾原住民に言わせると、彼は「逃亡兵」になってしまうのですけれど。

ほんとに、日本人って、忘れっぽいですね。

2005年5月26日木曜日

行ってきました

〔しようもない日常〕

以前、こちらでもお知らせしました「台湾広告展 2005」を観に、汐留の水森亜土ミュージアム、もとい、アド・ミュージアム東京へ行ってきました。
気になる展示内容はというと、中国時報主催の「第27回時報広告金像奨」と自由時報主催の「4A自由創意奨」の入賞作品をご披露する、というものでありました。
どちらも新聞社主催の広告賞とは言うものの、かなり毛色の違う2社なので、選ばれる作品にも何か相違があるのかなあと思いましたが、あんまりよく(違いは)わかりませんでした。
TVCM部門の入賞作品の中に、五月天が出ている全家(ファミリー・マート)のCMもありましたので(館内で垂れ流し放映中)、興味のある方はどうぞ(入場無料)。
あ、でも、ここで観られちゃうのか。

なんだか、ありがたみがないわね。

ちなみに、わたくしのベストはグラフィック部門(公共サービス)で金像奨に輝いた「保險套世界」の広告。
怖いけど、笑えます。

2005年5月25日水曜日

僕はジャッキー・チェン?

〔ちょっとお耳に〕



お子ちゃまシリーズ第3弾。

今日、何気なく手元にあった『國際電影』1963年9月号を読んでいたら、成龍(ジャッキー・チェン)が子役時代に出たという『秦香蓮』(1964年、電懋。厳俊監督。李麗華、厳俊主演)の記事が載っていました。
するとそこには、ジャッキーらしいハゲ子供(失礼。上の写真・左側。真ん中が大女優・李麗華様)も写っております。
ということで、ちょっこしご紹介(写りが悪い点はご容赦)。



横顔。漫画みたいな顔ですね。

ちなみに、この映画は電懋の黄梅調映画で、包拯(包青天)が出てくるお話です。
ついでに言うと、やっぱりジャッキーが子役として出たという『梁山伯與祝英台』は邵氏のそれではなく、電懋のそれ(厳俊監督。李麗華、尤敏主演)だと思います。

どこに出てるんでしょ?

2005年5月24日火曜日

愛的教育 (Education of Love)

〔えいが〕



1961年、香港(電懋)。鍾啓文監督。林翠、雷震、王引、王萊主演。

林翠版「教師びんびん物語」(うそ)。
1997年に出た『香港電影満漢全席』(『キネマ旬報』臨時増刊、1997年3月14日号)所収の「香港映画史 1896~1860年代」(余慕雲。水野衛子訳)で、1960年代の北京語映画の名作として取り上げられている『愛の教育』(105頁)とは、この作品のことです。
電懋の総経理でプロデューサーだった鍾啓文がメガホンをとっていますが、これは自発的に監督業に乗り出したものではなく、当時、岳楓や陶秦といった看板監督の一部が邵氏に移籍して人手不足に陥ったため、やむを得ず監督も兼任したというのが真相のようです(藄湘棠「我在電懋工作的回顧」〔『國泰故事』所収。2003年、香港電影資料館〕による)。
おおまかなストーリーは、下記の通り。

林静儀(林翠)は、小学校の教師である父・學賢(王引)が病に倒れたため、代用教員として父の教え子たちを受け持つことになります。
腕白盛りの男子のみというクラスで手荒い洗礼を受けた静儀は、こんなどうしようもない悪ガキたちへの教育に情熱を燃やす父に対して疑問を抱きます。
學賢は教育熱心のあまり家庭を顧みず、それに不満を抱いた静儀の母・婉霞(王萊)は彼の許を去り、別の男性と再婚していたのでした。
しかし、その夜、クラスの子供たちが非礼を詫びにやってきたことで静儀の気持ちもほぐれ、翌日から再び学校へ通い始めます。
その後、クラスには貧困や家庭内暴力等、様々な困難を抱えている子供たちがいることを知った静儀は、父の助けを借りながら問題解決のために奔走、その中で次第に教師としての使命に目覚めていくのでした。
同じ頃、静儀の恋人で医学生の章世杰(雷震)のすすめで精密検査を受けた學賢は、自分が肺がんで余命いくばくもないことを知ります。
教員採用試験に合格した静儀は正式な教師として働き始めますが、世杰は医学の勉強のため留学する自分についてきて欲しいとプロポーズします。
このまま教師を続けるのか、それとも世杰と結婚して海外に行くのか、人生の岐路に立たされた静儀の決断やいかに・・・・。

溌剌系キャラの林翠が、ここでも曲がったことが大嫌いな熱血女教師を好演していました。
いい先生だけど、でも、ちょっと怖いかな。
スパルタ先生。

子役陣も、それぞれがそれぞれのキャラクターを生かした達者な演技を見せ、この作品の魅力の半分は彼ら子役たちのものと言ってよいと思います。

それから、「歌う王引」にはびっくり。
なかなかいい声でした。

ところで、「父の志を継ぐ娘」というモチーフは、この翌年に電懋が東宝と合作した映画『香港の星』(千葉泰樹監督。尤敏、宝田明、団令子主演)でも登場しますが、両者の間にはかなりの相違が見られます。

本作においては、父の職業に対して否定的な見解を持っていた娘が、たまたま代用教員として働くことになったことによって職業的使命感に目覚め、父の偉大さを思い知るのに対し、『香港の星』では父(王椿伯〔王引〕)の意思(自分の跡を継いで難民への医療活動に従事してほしい)に従順な娘(王星璉〔尤敏〕)は、不満を洩らすこともなく医師への道を進みますが、しかし、彼女に医師としての使命感が芽生えることはついにありませんでした。
また、本作に登場する恋人は彼女の職業に理解と共感を示し、最後には教師を続けたいという彼女の意思を尊重して一人留学先に旅立ちますが(仕事も恋愛も続行)、『香港の星』ではお相手である長谷川(宝田明)が医師としての星璉に敬意を払うことはなく、ただ自分についてきて欲しいと求めるのみでした(仕事か恋愛かの二者択一)。
これはやはり「結婚したら女性は仕事を辞めて家庭に入るもの」という日本的な不文律が影響しているのかなあとも思いますが、女性が職業を持つことに対する日港の考え方の違いが感じられて、なかなか興味深いものがありました。



いつも泣いてる朱元龍少年。後の洪金寶です。



林翠お姉さんにしっかと抱きついて号泣!という役得(?)な場面もありました。



こちら、電懋の名子役である鄧小宇。彼が大人になってから創刊したのが、この雑誌。やはり只者ではありません(こちらに近影あり)。

あのとき君は若かった(というか、子供じゃん)

〔ちょっとお耳に〕

どうってことない、画像ネタ。



ボケボケの写真ですが、向かって右が雷震、左が葛蘭。
さて、真ん中の娘っ子は?

正解はこちら

あら、正解写真も若すぎね。

よろしければ、こちらもご覧下さい(ついでにここも)。

2005年5月22日日曜日

人蛇大戦・蛇 (人蛇大戰)

〔えいが〕



1982年、香港・台湾(旗和)。張旗監督。向雲鵬、羅璧玲、魏平澳、高遠、歐陽莎菲主演。

いったい何匹の蛇を殺せば気が済むんだ?というぐらい、

へびへびへびへびへびへびへびへび・・・・・(∞)

まみれの、超ヘビー級映画(ダジャレ言ってて、どうするよ!)。
香港の製作会社が台湾で撮影した映画のようです。

ストーリーその他の情報は、こちらもご参照下さい(「缶詰の映画」と「きまぐれムービーシアター」がおすすめ)。

まあ、一言で言うとマンション建設のため理不尽に大量殺戮された蛇の残党が人間たちを襲うという「蛇の復讐物」なんですが、全体のヒントとしては『タワーリング・インフェルノ』もあるらしいです。

猛火の代わりに毒蛇かい。

中盤に登場する蛇道士(総白髪の林正英風)が、蛇一族の親分らしき大蛇(これがちょっと作り物っぽかったのが残念)を退治して「一件落着」かと思いきや、殺したのは番のうちの片割れだけで、もう一方は生きていたという、蛇道士のぬかりまくりなお仕事には開いた口がふさがりませんでしたわ。

詰めが甘いわね。

ここはぜひ、日本から蛇娘・お峰さんを呼んで、蛇道士とお峰さんで大蛇丸かぶり合戦をしてほしかったところです。

クライマックスの「蛇、マンションで人間どもを襲う」の件でも、一番の悪人の建築屋(富仁〔高遠〕)が蛇にかまれて苦しみ悶える妻を尻目に、日本刀でばっさばっさと蛇を斬りまくるというシュールな描写に大笑いいたしました。

シュールといえば、突如「華西街の蛇吊るし切り」や「蛇とマングースの対決」を延々と映し出したりするあたりも、「いきなり観光映画」な展開でお口ポカンでしたわ。

でも、「敵(富仁)は最上階にあり!」とばかりにマンションの階段をえっさほいさと上ってゆく蛇たちの姿には、けなげさすら感じましたです。
とはいえ、こんなマンション買っちまったばっかりに蛇に襲われて絶命する住民たちは、いい迷惑以外の何者でもありません。
顔面に蛇這いまくりの歐陽莎菲(上の画像右下のおばさん)なんか、見上げた役者根性と称えるべきなのでしょうが、なんだか痛々しくて、年寄りにあんまり無理させるなよと思いました。

ということで、以下、役者さんについて少し。

大悪人・富仁を演じた高遠は、かつての二枚目スター。
もと左派公司(長城・鳳凰)の北京語映画で活躍しましたが、1960年代後半に右派(邵氏)に転向しました。
樂蒂の恋人だったと言われている人です。

善意の建築家・正豐役の向雲鵬は、カメラマン(祁和熙)を父に持ち、1980年に『郷野人』で第17回金馬奨助演男優賞を受賞した男優さん。
翌1981年にも『同班同學』で主演男優賞にノミネートされています。

富仁のせこい秘書を演じた魏平澳は、李小龍作品(『ドラゴン 怒りの鉄拳(精武門)』『ドラゴンへの道(猛龍過江)』)でもおなじみの道化方。

富仁の娘で正豐に思いを寄せる秀梅役の羅璧玲は、さいきん羅霈穎と改名したこの方らしいのですが(こちらに動画が)、ちっとも老けていませんね。
というか、むしろ若返っている感じ。
蛇より怖いよ。

でもって、歐陽莎菲は、上海映画界から香港にやって来た言わずもがなの大ベテラン女優。
歐陽莎菲のご主人役の李影も台湾のベテラン男優で、富仁が持つ利権に群がる資材会社の社長役で王哥こと李冠章も顔を見せていました。

と、こうして見てみると、けっこう一流のキャストなんですよ、この映画。
こんなキャストでこんなキワモノを撮っちゃうんですからねえ。
おまけに製片を担当している張堆樹は、『帶劍的小孩』(柯一正監督)や『チャイナ・フィナーレ 清朝最後の宦官(中國最後一個太監)』(張之亮監督)等も手がけた有名プロデューサーですし。

いい大人たちが、よってたかってすごいの作っちゃいました。 

付記:本作の監督(導演)、劇場公開時には「オウ・ザイケイ(王再慶。そのまま日本語読みじゃん)となっていましたが、彼は実際には監製でした。その後、ビデオ再発時には「ウイリアム・チャン〔グ〕(張旗)」と改められたものの、彼もまた策劃担当で、タイトルバックにはなぜか導演のクレジットがありませんでした。しかし、香港電影資料館のデータでは張旗を導演としているので、ここでもそれに従っておくことにいたします。


おまけ:かんけーないけど、僕も蛇好きです(ほんとか?)。

結果報告

〔ちょっとお耳に〕



カンヌ映画祭最高賞「ザ・チャイルド」 日本作品賞逃す

「第58回カンヌ国際映画祭」の授賞式が21日夜(日本22日未明)行われ、ベルギーのダルデンヌ兄弟の監督する「ザ・チャイルド」が最高賞パルムドールに輝いた。同兄弟は99年の「ロゼッタ」に続く2度目の栄冠となった。コンペティション部門には世界21作品が参加。日本からの出品作である小林政広監督(51)の「バッシング」は賞を逃した・・・・

昨日、今日と子怡ちゃんのイケてないドレスコレクションをお届けしておりますが、昨日の「ギリギリ・ガールズ(別題・叶姉妹とタイマン勝負)」に続いて、本日は「超豪華カーテン(緞帳かも)」をご覧下さい(髪型、ムーミンのミーだし)。

というわけで、一応、カンヌの結果でも。
パルムドール以外の受賞結果は、下記の通りです。

審査員グランプリ:ジム・ジャームッシュ監督「Broken Flowers」(米)
審査員賞:ワン・シャオシュアイ監督「SHANGHAI DREAMS」(中)
     アピチャッポン・ウィーラセタクン監督「SUD PRALAD」(タイ)
男優賞:トミー・リー・ジョーンズ「THE THREE BURIALS OF MELQUIADES ESTRADA」(米)
女優賞:ハンナ・ラズロ「FREE ZONE」(イスラエル)
監督賞:ミヒャエル・ハネケ監督「CACHノ」(仏)
脚本賞:ギジェルモ・アリアガ「THE THREE BURIALS OF MELQUIADES ESTRADA」(米)
カメラドール:ビムクティ・ジャヤスンダラ監督「The Forsaken Land」(スリランカ)
       ミランダ・ジュライ監督「Me And You And Everyone We Know」(米)

王小帥監督の『青紅』が審査員賞を受賞しましたが、侯先生と杜先生は残念ながら受賞を逃しました。
また内地のメディアが大騒ぎかな。
『オペレッタ狸御殿』に対しては、現在の日中両国の冷え切った関係をそのまま持ち込んだかのような報道が目立ちましたけど。
わかりきったこととはいえ、こんなところにまで(いや、むしろ、こんなところだからこそ、でせうか)政治が反映されてしまうのが、かの国の現実なのでありますね、はい。

2005年5月21日土曜日

頭が痛い

〔しようもない日常〕



昨日、ちょっくら遠出して、今日、その帰りがけに三百人劇場に立ち寄り、『ホノルル・東京・香港』を観てきました。
3分の1ぐらいいたかな、お客さん。
けっこう、ウケてました。
コメディーですんで。
今回、改めてスクリーンで観て、いろいろ気付いたこともあったのですけれど、それはまた後ほど。

あ、そういえば、劇場ロビーに置いてあった千葉泰樹監督のフィルモグラフィーのプリント、監督が台湾で撮った『義人呉鳳』や『怪紳士』が抜けているみたいなんですが、なにゆえに?
今度の特集では上映されない『バンコックの夜』のポスターが掲示されていたのも、何気に謎でしたけど。

ポスター貼るなら、映画もやって!

付記:『バンコックの夜』、チャンネルNECOでの放映スケジュールが判明しました。
6月4日(土)12:30~14:00、10日(金)15:00~16:50、13日(月)17:00~19:00、17日(金)10:00~12:00、21日(火)10:00~12:00、30日(木)13:00~15:00です。
6回もやるのね。

2005年5月19日木曜日

三百人劇場に全員集合!

〔しようもない日常〕



やっとこさ『PTU』を観てきました。
お客さん、10人足らず(泣)。

すっかり白髪になって、鬚もなくなったギョロメさんに「ニャロメ!」な気分(意味不明)でした。

劇中、包丁で心の臓を一突きされながらも全力疾走しちゃうマーの絶命現場(河内道)で、建設工事中の明かりがピコピコ点滅しているのを発見、さてはこの辺りかしらん?と思い、「ああ、森繁と尤敏が佇み、植木等が淡路恵子&中尾ミエにばったり出会ったあの街角で、ヤクザさん死亡なのね」と感慨に耽っていたら、なんと茶通さんのブログによれば、あれって観塘で撮ったんですと。

がちょーん。

と、まあ、こじつけめいたネタで尤敏の名前を引っ張り出してきたところで、お知らせです。

いよいよ明後日(21日)、三百人劇場にて18:15より『ホノルル・東京・香港』の第1回上映があります!

皆さま、お忘れなきよう。

付記:ちょっと遠出してきます。って、1泊するだけですけど。では。

2005年5月18日水曜日

台湾広告展

〔ちょっとお耳に〕



台湾広告展、汐留のアド・ミュージアム東京にて6月4日(土)まで開催中(入場無料)。

自分メモです。
いちおう、ミュージアムの公式サイトに案内があるみたいなのですが、ここのサイトを見るとなぜかいつもあっしのパソコンはフリーズしてしまいます。
よって、詳しい内容は不明。

行ってみるしかないわね。

2005年5月17日火曜日

まんじゅう、うまい

〔ちょっとお耳に〕



香港:長洲島の奇祭「饅頭祭」に観光客もびっくり

香港の離島・長洲島では15日、奇祭として知られる「太平清醮(通称:饅頭祭)」の目玉出し物であるパレードと「饅頭争奪戦」が行われた。この祭りは、島の中心部北側にある北帝廟の前に、饅頭と地上の神たちの偶像を祭った大きな塔を立てて行われる。(略)
今年は、過去26年間にわたって危険なことを理由に封印されてきた「饅頭争奪戦」のイベントも再開。無数の饅頭を貼り付けて作った約14メートルの「饅頭の塔」にのぼり、どれだけの饅頭を取ることができるかを競うもので、多くの観光客を集めて盛り上がった。

現地報道は、こちら

饅頭祭の禁断の競技「饅頭争奪戦=搶包山」が復活しました。
この競技を「オリンピックの正式種目に!」と訴えたのは『麥兜故事』の麥太でしたが、今回、残念ながら麥兜は参加していなかった模様。



この日のチャンピオンは、長洲島の住民で消防士の郭嘉明さん。



全部で51個の饅頭を取ったそうです。

2005年5月16日月曜日

神經刀 (Mad,Mad,Mad Swords)

〔えいが〕



1969年、香港(國泰)。王天林監督。田青、秦芸、朱牧主演。

「祝!王天林監督カンヌ映画祭参加!」ということとは全く関係なく、最近観た映画なのでご紹介。
國泰(キャセイ)のコミック武侠映画です(こちらもどうぞ)。

青城派の弟子・陳子原(田青)は、剣の腕はからっきし駄目ですが、酒と女には目がないというしようもない男。
ところが、青城派の高弟たちは他流派のツワモノの相次ぐ挑戦によって皆傷ついてしまったため、病に倒れた青城派の首領は、子原に自分の娘・麗珠(秦芸)と結婚して跡を継ぐようにと言い残し、この世を去ります。
美人の麗珠と結婚できることになった子原は大喜びしますが、子原のことが気に入らない麗珠は子原の武名が天下に轟くようになったら結婚する、という条件を出します。
仕方なく旅に出た子原は、知略・計略を駆使して並み居る強敵を次々と倒して英雄視されるようになり、ようやく麗珠からも認められます。
しかし、彼の心の中には、わだかまりがめばえ始めていたのでした・・・・。

1960年代後半に巻き起こった新派武侠映画ブーム。
このブームを牽引したのはいうまでもなく邵氏でしたが、この波に乗り遅れたライバルの國泰はすっかりジリ貧状態に陥ります。
が、「このままではいかん!」と奮起した國泰は、まともに勝負したのでは勝ち目がないので、「そんならうちはこれでいくわ!」とばかりに到底ヒーローとは思えない男を主人公に据えて、笑いの要素を大量に加味した本作のような映画を繰り出したのでした(この辺、受け売り)。
ついでに「流行ってるもんはみんな頂くで!」と悪乗り(?)、盲侠(座頭市)に獨臂刀、果ては宮本武蔵までがそのネタにされています。
この天晴れなパロディー精神を、王晶はお父さん(王天林)から受け継いだのだなあと、しみじみ感慨に耽りましたです、はい。
ただ、主人公がラストで自分のずるい勝ち方に疑問を抱いてしまうのは、世の道徳観に迎合しちゃってるようで、残念な気がいたしました。
ちょっと甘いですね。
どこまでもいやらしくて小ずるい、でも憎めない男の話であったほしかったです。

主演の田青は、当初予定されていた陳厚の出演が叶わなかったため起用されたとのことですが、なかなかの好演。
色魔のDNA全開!でしたわ。
主人公の登場シーンに大薩摩の三味線を用いたり、濡れ場でなぜか筝曲の段物を使う、周藍萍(音楽担当)の謎のセンスも、天晴れといえば天晴れでありました。



なんだか弱そうな獨臂刀。



こちら、盲侠(座頭市)。元邵氏の男優・張沖が演じています。



「イケてない細川俊之」みたいですが、「二秦二林」のお一人・秦祥林。



『2046』の王菲パパ・王琛も出ていました。



カンヌでの王監督(向かって右から3人目←ずっと右と左を間違えていました。アホですね。ようやく訂正〔5月23日追記〕)。おめでとう!

2005年5月15日日曜日

海外へ進出する邦画

〔ちょっとお耳に〕

今日も軽めのネタで失敬。

タイトルは、1961年4月14日付『報知新聞』の記事から。
この頃すでに下り坂に入っていた映画界が、その現状を打破するべく海外輸出に活路を見出し始めた、というのがその内容ですが、なかなか面白いのでデータのみちょこっとご紹介しておきます。

この記事によると、1960年の邦画の輸出額は、約11億8788万6千円。
内訳は、東宝が3億3828万6千円、東映が2億5560万円、大映が2億1600万円、松竹が1億8000万円、日活が1億2600万円、新東宝が7200万円となっています。
ちなみに、2004年の邦画の海外への配給権、上映権、キャラクター権の販売輸出額が約63億400万円。
映画入場料が200円、大卒初任給が約1万3000円の時代の11億円と、映画入場料が1800円、大卒初任給が約20万円の時代の63億円とでは、その重みも自ずから違ってこようというものです。
もひとつついでに言うと、1960年の邦画興行収入第1位は、『天下を取る』の3億2392万円。
つまり、東宝の輸出額と国内ナンバー1ヒット作の興収とが、ほぼ同じ金額ということになります。

それでは、各社の輸出状況をもう少し詳しく見ていくことにいたしましょう。

(東宝)
ロサンゼルス、南米、沖縄に封切館、香港、ハワイに選択館を所有。
『無法松の一生』の興収が7200万円。
『美女と液体人間』や『宇宙大戦争』等の特撮物は、コロンビアに9000万円から1億800万円で世界配給権を譲渡。

(東映)
動画の人気が高く、『少年猿飛佐助』はMGMが3600万円で買取。
時代劇は、ハワイや沖縄で人気がある。

(大映)
アフリカを除く全世界に配給を広げる。
『鍵』の配給権をワーナーに5年契約の歩合制で売り、好成績をあげる。

(松竹)
『黄色いからす』『二十四の瞳』をソ連、中国に輸出して、それぞれ1800万円ずつ利益をあげるも、近年はやや低調。

(日活)
ロサンゼルスの東洋劇場で年間約50本上映する他、タイに35本、ブラジルに48本輸出し、香港のショウ・ブラザーズとは24本の契約を結んでいる。
また、1961年にはアメリカの配給会社「カンジ・ピクチャー」と年間12本の輸出契約を結ぶ。
主として東南アジアで強みを発揮し、石原裕次郎、小林旭のアクション物に人気がある。

(新東宝)
東南アジアからあがる収益が海外市場から得た収入の9割を占める。
香港、台湾、シンガポール等に1本360万円ほどで輸出。

以上、ざっと各社の状況を列挙してみましたが、ショウ・ブラザーズが日活映画の配給で儲けていたことや、東南アジアでの日活や新東宝作品の人気がこれらのデータからも伺えて、なかなか興味ぶかいものがありました。
最後に、1960年の邦画各社の総売上をご紹介して、本日のネタをおしまいにしたいと思います。

第1位 東映  97億9300円
第2位 日活  62億3800万円
第3位 東宝  47億8900万円
第4位 大映  45億9500万円
第5位 松竹  43億2700万円
第6位 新東宝 13億2400万円

おつかれさまでした。

付記:こちらにちょこっと香港に於ける日本映画に関する記述があります。

2005年5月13日金曜日

君の瞳に恋してるのにあの日にかえりたいなんて

〔ちょっとお耳に〕

なんだか身体の調子が悪いなあ、と思っていたら、今日、急須の底に卵産みかけの油虫(の死体)がこびりついているのを発見。
どうりで最近、お茶の味が妙に香ばしかったわけだ(違うよ!)。

さて、今日も新製品のご紹介。

いまだ衰えを知らぬ日本におけるレスリー人気でありますが、そんな中、新たなDVDがリリースされました。

君の瞳に恋してる
1985年、香港。馮世雄監督。張國榮、李麗珍主演。

このタイトルを聞くと、ボーイズ・タウン・ギャングのあの歌を思い出して、ついタコ踊りをしたくなってしまうわたくしなのですが、本作の原題は『為你鍾情』。
レスリーがロレッタ・リーと共演した新藝城のアイドル映画が、ようやく日本でも発売ざます。
この映画、今はなきCSチャンネル「スター・プラス」でかつてはしょっちゅう放映されておりまして、わたくしもその時に観ました。
バス停でママと一緒に並んでたロレッタをレスリーが見初めるのですが(記憶が曖昧なんだけどさ)、そのときロレッタが持っていたのが、やはり今はなき香港東急の紙袋だったような・・・・(やっぱりあやしい記憶)。
そういや、『僕たちは天使じゃない!(八星報喜)』で鍾楚紅(チェリー・チェン)が働いていたのも香港東急でしたね、たしか。
日系デパート全盛期を偲ぶ資料としても活用できそうです。
金鐘にあった松坂屋が出てくる映画なんてのはないのかしらん?

あの日にかえりたい
1985年、香港。黎應就監督。張國榮、倪淑君、林憶蓮主演。

「なんだい、今度は荒井由実かよ!」と言いたくなるところですが、こちらの原題は『龍鳳智多星』。
これもよくスター・プラスで放映されていました。
レスリーの女装(!)と、いかにも「アイドルやってまーす!」なサンディ・きゃぴきゃぴ・ラム嬢が見もの。
サンディの姉役の倪淑君は、『金玉満堂』にも出ていました。
一応、王家衛脚本です。

次は『衝激21』、お願いします。

2005年5月12日木曜日

邵氏巨星 零距離接觸

〔ほん〕



柏姜著、2005年5月5日、星島出版(香港)。

まだ購入していないのですが、先日発売された新刊本
このところ怒涛の勢いで発売されている邵氏本に、また新たな仲間が加わりました。
作者は、邵氏のデジタルリマスターDVDを出している天映娯楽の方です。
一応、内容をご紹介しておきます。

目錄
1. 鄭佩佩 女俠「金燕子」
2. 劉家輝 從「光頭和尚」到「白眉道人」
3. 凌 波 為自己征戰的「花木蘭」
4. 姜大衛 我的「哥哥」
5. 狄 龍 永遠的大俠
6. 惠英紅 一位隨緣的武打影后
7. 林 黛 中國影壇之神話與傳奇人物
8. 樂 蒂 「中國最美麗的女明星」
9. 谷 峰 一顆永遠發亮的性格演員
10. 井 莉 惹人憐愛的「美少女」
11. 邵音音 柏姜心裡的「真英雄」
12. 黃卓玲 原來她是這樣的
13. 羅 莽 香港觀眾忽略了的功夫片國際偶像
14. 王 羽 迷人的「獨臂刀大俠」
15. 陳觀泰 好朋友的師伯
16. 許冠文 「他是天才?」「他不是天才?」
17. 汪 萍 天秤座VS天秤座
18. 林 沖 聚光燈以外,鑽石依然明亮
19. 李麗麗 不為藝術而「犧牲」
20. 甘國亮 我曾幻想要嫁給他
21. 吳宇森 「做兄弟・・・・・」
22. 蔡 瀾 你是我的偉大目標

許冠文と姜大衛が序文を寄せています。
YesAsiaでも購入できるようですが、ちと割高かも。
でも、他の製品とまとめ買いをして送料を浮かせば、割高分もチャラになるかな?

いずれにせよ、買わねば。

2005年5月11日水曜日

香港No.1スキャンダル・クイーン VS アヤパン

〔ちょっとお耳に〕

昨晩、「だるい」と書きましたが、その後寝床で激しい胃痛と吐き気に襲われ、七転八倒しながら朝を迎えました。
自重しないとね。

松坂慶子 華麗なる変身 性転換の夫人“妖艶

女優の松坂慶子(52)が主演し、14日に日本公開される香港映画「桃色」(ヨン・ファン監督)の記者会見が10日、都内で行われた。
かつて男性で性転換した日本人女性、梅木夫人を演じた松坂は、3000万円相当のイヤリングと黒のドレスとゴージャスな衣装で登場。「監督は美意識が高い方。すてきな役を演じられてうれしい」と笑顔。韓国のカリスマニューハーフで、若き日の梅木夫人を演じたハリス(30)は「松坂さんは大女優で生意気そうだなと思ったけど、お母さんのような、お姉ちゃんのような、友達のような方。尊敬します」と流ちょうな日本語で語った・・・・

関連記事は、こちら

さて、昨日もちらりとお知らせした『桃色』の記者会見の模様です。
やはり昨日のスポニチ紙面(芸能面)に広告が載っていましたが、主演の章小蕙(テレサ・チャン)には、

香港No.1スキャンダル・クイーン

とかいう冠が付いておりました。
そのノリでいくと、阿B(元ご亭主)は「香港の歌う借金王(以下自粛)」になりそうな気が・・・・。

ちなみに、お隣に載っていた広告は、アヤパンでおなじみ(?)『花と蛇2』。

スキャンダル・クイーン(バックに大物女優付き)とアヤパンの熱い対決、はたして、軍配はどちらに?

・・・・どっちでもいいけど。

2005年5月10日火曜日

つかれたので

〔しようもない日常〕

昨日、サモハン画像をご紹介の上、「くわしくは、また明日」なんて書きましたが、今日はなんだかだるいので、後日、体調のよいときに詳しい感想文を書くことにいたします。

どーもすいません。

とりあえず、『桃色』記者会見でもご覧下さい。

2005年5月9日月曜日

サモハン発見!

〔ちょっとお耳に〕



先ほど、國泰(キャセイ)の武侠映画『神經刀』(1969年、王天林監督)を観ていたら、サモハンが出ていました。
取り急ぎ、ご報告まで。

くわしくは、また明日。

2005年5月8日日曜日

テレサ没後10年

〔ちょっとお耳に〕

テレサ・テンさん没後10年 台湾で追悼の催し

台湾出身で、日本や中国大陸、香港などで人気があった歌手、テレサ・テン(中国名・鄧麗君)さんの没後10年の命日にあたる8日、台北郊外の金宝山墓地で追悼の催しが行われた。遺族のほか、「アジアの歌姫」をしのぼうと、日本を始めアジア各地から約300人が集まった・・・・

現地報道は、こちら

テレサというと、わたくしが子供の頃に起こった「偽造パスポート事件」(ほんとは偽造じゃなかったんだけど)の記憶が強烈に脳裏に焼きついており、どちらかといえば「負」のイメージの強い歌手でありました。
しかし、再来日後に出した曲の相次ぐ大ヒットと、「金鳥」のCMで流れた彼女が歌う『何日君再来』によって、わたくしの彼女に対するイメージは徐々に変わっていったのでした。
その後、中華ポップスを聴くようになったわたくしは迷わずテレサの中国語曲CDを購入、彼女がいかに全世界の華人から愛されているのかを知りました。

昨年、テレサのお母さんも亡くなり、今頃はきっと天国で2人仲良く母の日を過ごしていることでしょう。

改めて、彼女のために祈りたいと思います。

2005年5月7日土曜日

但漢章(フレッド・タン)上映会

〔えいが〕

都内某所で本日「台湾のホラー番長?=フレッド・タン上映会」なる、但漢章(フレッド・タン)監督作品の上映会があるという情報をキャッチ、コソーリ潜入してきました。
以下は、そのちょっとしたメモです。

『離魂(Split of the Spirit)』
1987年、台湾(豊年)。但漢章監督。王小鳳、徐淑媛、呉少剛主演。
但監督の長編第2作。
恋人に裏切られ惨殺された女性・慧珠(徐淑媛)の怨霊が、やはり恋人に捨てられて自殺を図るものの未遂に終わった女性舞踏家・盧羚(王小鳳)に乗り移って復讐を行う、というサイコもの(こんなおどろおどろしいタイトルでVCDが!)。
霊幻道士(僵屍先生)』では乗り移る側だった王小鳳(ポーリン・ウォン)が、ここでは徐淑媛(ヴィナ・シュー。お2人とも現在アメリカ在住。徐淑媛は最近では『Jam』に出てましたね、たしか)の怨霊にとことん好かれる役どころでした。
生首ぶっ飛び鮮血ドピュー!や、目力ビームで炎炸裂!、怨霊空中浮遊といったブラボーな描写について、会場で配布された解説では但監督がかつて助監督としてついていた胡金銓(キン・フー)監督(『山中傳奇』『空山霊雨』)の影響を指摘していましたが、本作の製作を担当した羅維(ロー・ウェイ)の半端ホラー『悪魔の生首(心魔)』でも生首&池玲子が楽しげに飛んでいたので、その影響も多少はあったの・・・・かしらん?
共に男に裏切られた過去を持つ女性2人が、あの世とこの世という隔たりを超えて奇妙な絆で結ばれていくところにこの映画の面白さがあると私は思いますが、それはラスト近く、あの世から救い出された盧羚が自分の孤独を改めて痛感する場面で決定的なものになります。
あの世にあっても独り(慧珠)、この世にあっても独り(盧羚)であることを悟った彼女は、いったいどこへ行くのか・・・・。
謎を残したまま映画は終わるのでした。

『怨の館(怨女)』
1988年、台湾(中影)。但漢章監督。夏文汐、徐明、高捷主演。
但監督の遺作となった1本。
1988年の第2回中華民国台湾映画祭及び97~98年の台湾映画祭で上映されましたが、見逃しておりました。
が、いやはや、これはすごい、清朝末から日中戦争の時代まで、江南地方のとある女性(銀娣。夏文汐〔パット・ハー〕)の姿を描いた、張愛玲世界のめくるめく映像化でありましたよ。
銀娣の夫(障害者で阿片中毒。高捷〔ジャック・カオ〕)が、死して後も目に見えない形で残された妻子に影を落としていくところが、なんだかホラーっぽいっす。
息子の嫁は不細工で銀娣に疎まれたあげく肺病を患って死に(夫の姿とどこかダブります)、銀娣と息子は心の隙間を埋めるため、阿片に溺れていくのでした。
終盤、訪ねてきた兄夫婦(元はといえば、この2人が金目当てに銀娣を無理矢理結婚させた)から初恋の人・小劉の消息を聞いた銀娣が、阿片を吸いながら朦朧とした目で虚空を見つめる件が秀逸でした。

もしご存命であったなら、どんな作品を撮っていたことか、本当に惜しまれます。

2005年5月6日金曜日

奇妙な仲間 おいろけ道中

〔えいが〕

1970年、東宝。児玉進監督。夏木陽介、林与一、大原麗子、団令子主演。

おいろけコミック 不思議な仲間』に続く「仲間」シリーズ第2弾らしいのですが、前作は未見です。
鎌田敏夫が脚本を担当、『雨にぬれても』に限りなーく似たメロディのテーマ(八木正生作曲。男2人〔夏木、林〕に女1人〔大原麗子〕だからか?)にのって、男2人の珍道中が描かれます。

何かといえば「トルコ、トルコ」とお風呂の名前を連発する中米帰りの夏木陽介(アミーゴ顔)が、「いざ本番」となるとからっきし駄目で、東大卒のお堅いエリート・林与一が絶倫男だったというギャップはありがちですが、ドラムの音を聞くと発情してしまう林与一と死んだ亭主がドラマーだったという団令子が、ついムラムラきて一戦交えるくだりにはクスリといたしました。

大原麗子は、ちょこっとしか出てこないヒロイン。
でも、男心をくすぐる(であろう)おいしいキャラ。
演技のほうは、主に団令子が受け持っていました。

この他、タイトル(おいろけ道中)を地でいくお色気要員の女優さんたちが大挙出演(桑原幸子、浜かおる、三笠れい子、他)していましたが、外注中心というところがいかにも東宝らしいのでしょうか。
それも、文字通りお色気に特化した使い方。
三笠れい子なんか出てきたと思ったら、あっという間に裸になって、それでおしまいでした。
いくらなんでも、これって、ちょっと・・・・。

最後はド助平からいい人になっちゃった夏木陽介がやせ我慢を見せて、ゲームオーバー。
高い旅費払って日本に帰ってきたのに、ご苦労様でした。

(於:日本映画専門チャンネル)

2005年5月5日木曜日

自爆

〔とほほ事件簿〕

ここのブログ、今日の昼間はきちんと表示されたんですが、夜アクセスしたらまたうさぎと本文しか表示されません。
うーむ・・・・。

壱岐の78歳男性、自分でトラフグ調理して食べ死亡

5日午前6時30分ごろ、長崎県壱岐市内の病院から、「フグ中毒とみられる男性が死亡した」と壱岐署に通報があった。同署で死因を調べている・・・・

お正月はお餅、ゴールデン・ウィークはフグにご注意、ってとこでしょうか(違うよ)。
ここをよく読んで、くれぐれも素人調理はやめるようにいたしましょう。

後悔先に立たず。

どうでもいいけど、フグのから揚げ食いたい。

2005年5月4日水曜日

おかしい

〔えいが〕



昨晩から、ここの表示がうまくいきません。
というか、本文とうさぎ野郎は表示されるのですが、BBSやリンクは全く表示されず。
原因がよく分からないので、しばらくは放置プレイ(いつもこれだけど)でまいります。
あしからず、ご了承下さい。

ここんとこ、飲んだり食ったりしてばかりです。
ぼやぼやしていたら観た映画の感想文も書けずじまいになってしまったので、メモだけでも。

『愛の神 エロス』(2004年、仏・伊・ルクセンブルク・米・中国)
王家衛監督。張震、鞏俐、田豊主演。
主役2人もさることながら、あっし的には「田豊さんにスーパー仁君!」な1作。
『花様年華』の雷震(最近お身体の具合が悪いらしいけど、大丈夫かしら?)や『2046』の王琛もそうだったけれど、老明星の使い方が絶妙です。
男女の営みの声や、やたらに軋むベッドといった『2046』へと受け継がれていく描写も、必見。
そして、劉小姐とはいったい・・・・?
『好春宵』『薔薇處處開』『跟你開玩笑』等の国語時代曲の用いられ方にも、一考の価値ありです。

残りの2話(スティーブン・ソダーバーグ監督、ミケランジェロ・アントニオーニ監督)はカツラと裸族映画。
(於:シネスイッチ銀座)

『血煙高田馬場(決闘高田馬場)』(1937年、日活京都)
稲垣浩、マキノ正博監督。阪東妻三郎主演。
後半のクライマックス、ひたすらに疾走し、ひたすらに斬りまくる男・阪妻の姿を堪能。
久しぶりに大興奮しました。
長屋の人々の人間模様も楽しい。
(於:フィルムセンター)

『闇の影法師』(1938年、日活京都)
稲垣浩監督。阪東妻三郎主演。
全体の約3割が欠損しているため、おおまかなストーリーはわかったものの、場面が急に飛ぶため、途中でつい睡魔に襲われ・・・・。
5分ほど前後不覚に陥りました。
轟夕紀子が可憐。
(於:フィルムセンター)

『海女の戦慄』(1957年、新東宝)
志村敏夫監督。前田通子、三ツ矢歌子、天城竜太郎(若杉光夫)主演。
前田通子の手ブラと、彼女をはじめとする女優陣(三ツ矢歌子、万里昌子〔昌代〕)のむっちりビキニ姿でお腹いっぱいな1本。
青木さやかは、この映画を観て正しい手ブラの仕方を学びましょう。
本作でヒーローを演じている天城竜太郎(若杉光夫。目ばり濃すぎ)は、後の『異常性愛記録 ハレンチ』では変態さんに変貌していました。
深夜、「東映チャンネル」で『ハレンチ』を観た後、「チャンネルNECO」に替えたらちょうどこの映画をやっていて、変態若杉とヒーロー若杉を同時に鑑賞することができました。
CSならではのお楽しみね。
(於:チャンネルNECO)

『キンキンのルンペン大将』(1976年、東映東京)
石井輝男監督。愛川欽也、坂口良子主演。
キンキンのキンキンによるキンキンのための映画。
とにかくキンキンの押し付けがましい演技が鼻に付き、最後までこの主人公に共感することができませんでした。
甲斐性がなくて女房に追い出されたのに、若い女の子に性懲りもなく恋をして結婚を夢見るバカ男の話。
家族を支えるためにソープ嬢になった女の子(上記の子とは別)に「こんなことすんな」と説教してる暇があったら、ちゃんと働くかルンペン道を究めてほしいものです。
お付き合いの企画だったためか、石井ワールドも低迷気味。
冒頭の金歯合戦(松井康子、三島ゆり子)と砂塚秀夫のオカマに少しらしさを感じましたが・・・・。
(於:チャンネルNECO)

ゴールデンウィーク中には、『PTU』を観に行きたいなあ。

2005年5月3日火曜日

新くノ一忍法

〔とほほ事件簿〕



今日は、ブラジル帰りのお友達と2年ぶりに会うため新宿へ。
紀伊国屋書店で「世界で最も美しい50人」が載っている『People』を買おうと思ったら、ありませんでした。
ついでに章子怡ちゃん(胃炎でダウン!)が表紙を飾っている『Newsweek』最新号を買おうとしたところ、これも売り切れ。
なんだかがっかりいたしました。

女忍者ナンバーワンが決まる 甲賀の里「忍術村」

女忍者ナンバーワンを決める「ミスくの一オーディション」が3日、滋賀県甲賀市甲賀町隠岐の甲賀の里「忍術村」であり、忍者の衣装を身につけた女性の奮闘ぶりが観客をわかせた・・・・。

今年で21回目というこのオーディション、今回は東京都江戸川区在住の自称・忍びの者(違うってば!)が「ミスくの一」に選ばれたそうです。
ただし、くの一には付き物(?)のお色気忍法の審査はなかった模様。

次はぜひ、「信濃忍法筒涸らし」の審査をお願いします。

2005年5月2日月曜日

カミカゼ野郎と白夫人に会ったら、バンコックで恋をしよう

〔ちょっとお耳に〕

土曜日・お好み焼き、日曜日・焼肉、と、食べまくっております(ついでに生ビールガブガブ)。
今日も刺身食って、ピーマンの肉詰め食って、モツ煮込みも食らいました。
お蔭様で体重もぐんぐん上昇中ですが、この年になると脂肪の付き方も若い頃とは違うものだなあ、と、ちいとばかり感心・・・・してる場合じゃないか。

さて、今月からさ来月にかけて、中華圏映画ファンの皆さまには見逃せない映画の上映・放映がございますので、そのご紹介なんぞを。

『香港クレージー作戦』
1963年、東宝。杉江敏男監督。クレージーキャッツ、浜美枝、淡路恵子、中尾ミエ主演。スカパー!「日本映画専門チャンネル」にて放映。
昨年も放映されましたが、またぞろ出番です。電懋の馬力(馬浩中。馬連良の息子)と、台湾から来日して芸能活動を続けていた林沖も出演しています。
杉江監督は、この他にも『お姐ちゃん罷り通る(香港三小姐)』『社長洋行記 正・続(三紳士艶遇)』『無責任遊侠伝(澳門風雲)』といった香港・マカオロケ作品を手がけています。
放映スケジュールは、 5月2日(月)0:00~、5月3日(火)8:00~、5月12日(木)17:20~、5月18日(水)7:00~、5月26日(木)12:00~。

『カミカゼ野郎 真昼の決斗(銀翼大決鬥)』
1966年、にんじんプロ・國光。深作欣二(張青)監督。千葉真一、高倉健、白蘭主演。スカパー!「東映チャンネル」にて放映。
日本・台湾合作映画。千葉ちゃん主演で、ついでに健さんも出てきます。共演の白蘭は、台湾語映画の大スター。
放映スケジュールは、5月4日(水)4:00~、5月21日(土)13:00~。

『モーガン警部と謎の男』
1961年、ニュー東映。関川秀雄監督。 ジョン・ブロンフィールド、鶴田浩二主演。スカパー!「東映チャンネル」にて放映。
当時、日本でも人気のあったアメリカのテレビシリーズ『モーガン警部』で主役(モーガン警部)を演じていたジョン・ブロンフィールドの来日に便乗して作られた1本。しかし、予算も時間もなかったため、劇中に登場するアメリカ(アリゾナ州ツーソン)や香港は、全て日本のどこか(ないしはスタジオ)という、とってもナイスな怪作です。
以前から(いろいろな意味で)とても観たかった作品だったのですが、今回ようやく放映されることになりました。
上映スケジュールは、5月8日(日)19:00~、16日(月)14:00~、21日(土)18:00~、27日(金)21:30~。

『ホノルル・東京・香港(香港・東京・夏威夷)』
1963年、東宝・電懋。千葉泰樹監督。宝田明、尤敏、加山雄三主演。三百人劇場で開催の「東宝娯楽映画のエース 千葉泰樹」にて上映。
日本・香港合作映画。ハワイ・東京・香港を舞台にした、ラブコメディ。
昨年12月にスカパー!「チャンネルNECO」でも放映されましたが、今度はスクリーンで尤敏の姿を拝むことができます。
上映スケジュールは、5月21日(土)18:15~、5月23日(月)14:30~、5月26日(木) 16:45~。

『白夫人の妖恋(白蛇傳)』
1956年、東宝・邵氏。豊田四郎監督。池部良、山口淑子(李香蘭)、八千草薫主演。東京国立近代美術館フィルムセンターで開催の「生誕百年特集 映画監督 豊田四郎」にて上映。
日本・香港合作映画。日本よりはむしろ香港や東南アジアでヒットした作品。後の邵氏単独作品『白蛇傳』や、また、本作と同じく円谷英二が特技を担当した『梁山伯と祝英台(梁山伯與祝英台)』と比較をしながら観る、というのも一興でしょう。
上映スケジュールは、6月9日(木)15:00~、7月3日(日)13:00~。

『バンコックの夜(曼谷之夜)』
1966年、東宝・台製・國泰。千葉泰樹監督。加山雄三、張美瑶、星由里子主演。スカパー!「チャンネルNECO」にて放映。
日本・台湾・香港合作映画。三百人劇場の千葉監督特集では取り上げられていなかったため、非常にがっかりしたのですが、なんと6月にNECOで放映するそうです。ありがとう、NECO。
寶島玉女」こと張美瑶が、加山雄三と共演したメロドラマ。少し『ローマの休日』的な趣向も入っています。
加山雄三の幼馴染にして張美瑶の親友という星由里子は、『香港の夜(香港之夜)』の司葉子(宝田明の幼馴染)と『香港の星(香港之星)』の団令子(尤敏の親友)を合体させたキャラクターのようにも思えます。
2003年、タイ映画祭で上映されたときのプリント状態は最悪でしたが、今回はニュープリントでの放映となります。
放映スケジュールは、未定。

いやあ、楽しみですねえ(むりやりなオチ)。