2021年10月11日月曜日

君は、金玫を見たか?

〔えいが〕〔ちょっとお耳に〕


彼女が金玫だ!

どうも。

いよいよ今週末に迫った「よみがえる台湾語映画の世界」の上映会。
先だって、張美瑤に注目せよ!な記事を書きましたが、実は今回(国際シンポジウム含む)3本の主演映画(『チマキ売り(燒肉粽)』『モーレツ花嫁 気弱な婿さん(三八新娘憨子婿)』『地獄から来た花嫁(地獄新娘)』)が上映される女優さんがいます。

彼女の名は、金玫。

詳しいプロフィールはこちらをご覧頂きたいのですが、実は不肖せんきち、昨年秋に彼女の生涯を追ったドキュメンタリー映画(『金色玫瑰』)を見ることができたので、その折のTwitterのつぶやきをほぼそのまま(誤字等は修正)こちらに転載して、彼女の紹介に代えたいと思います。

『金色玫瑰:金玫的電影人生』(2011年、毛致新監督)

台湾映画史に残る女優の一人・金玫のドキュメンタリー。
新竹出身の客家である彼女が、やがて台湾語映画の大スターになるも、台湾語映画の凋落と共に映画界を離れ……というその生涯を追う。
金玫の死後に製作されたため、残念ながら本人へのインタビューはないが、息子さんや郭南宏監督、林福地監督、黄仁氏等のインタビューと出演作品の映像により、彼女の生涯を辿る構成となっていた。エンドロールで知ったが、呉乙峰がプロデューサーを勤めていた。
シングルマザーの家庭で苦労して育った後、台北へ。
その後雑技団に加入して歌手デビュー後に結婚、子供にも恵まれるが夫の暴力により離婚、映画界に転身後、台湾語映画の売れっ子女優となる。だが、テレビと北京語映画の台頭により、台湾語映画の人気も急降下、彼女は中視に加盟してテレビへと向かう。
しかし、テレビドラマの製作環境に馴染めず、今度は製作者を目指す。
やがて再婚し、一男一女をもうけるものの夫の浮気で喧嘩が絶えず離婚、その後は子育てに専念する。
2000年代に入り、台湾語映画再評価の機運が高まると再び脚光を浴びることとなるが、2008年に末期癌であることが判明。
2009年の元旦、子供たちに看取られて静かに息を引き取った。享年69歳。

やはり台湾語映画の人気女優だった白蘭(『カミカゼ野郎  真昼の決斗』で千葉ちゃんとも共演)が北京語映画に転身したのに対し、なぜ金玫はそうしなかったのかと思っていたら、なるほど、テレビに行ったのですね。
あくまで私個人の好みですが、金玫のノーブルな雰囲気なら北京語映画でも十分いけたと思うので、この選択はちと残念な気がいたします。

あ、うっかり書き漏らしてしまいましたが、林福地監督とのロマンスもあったのでした。但し、林監督に妻子があったため、破局をむかえることになったのですが。
ちなみに、湯浅浪男(湯慕華)監督の『懷念的人』もガンガン引用されておりました。北京語吹替だけど、フィルムが残ってたからねー。(ここまで)


 ちなみに、金玫の出世作である『素蘭小姐要出嫁』(1963年)の同名主題歌は、「アキラのソーラン節」の台湾語カバーです。


それでは皆様、週末をお楽しみに!


おまけ:今回上映される7本(シンポジウム上映分含む)について、Twitterでもいろいろつぶやいているのですが、ややネタバレ気味のツイートもあるゆえ、こちらでは内緒にいたします。気になる方は、Twilogから検索してみて下さい(^―^)

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