2008年11月2日日曜日

禁じられた魔子 (その二)

〔ちょっとお耳に〕〔えいが〕

パッチモンとしては、ぎりぎりセーフなのか?

どうも。
トド@なんだか疲れたです。

今朝、渋谷で観てきた『Orzボーイズ!(囧男孩)』、お祖母ちゃん役を梅芳(侯孝賢監督や楊德昌監督作品でおなじみ)がやっていたのも、せんきちのお楽しみの1つですたが、監督はこの映画のためにアメリカで引退生活を送っていた梅芳をわざわざ台湾に呼び戻して出てもらったとの由。
今回、梅芳は金馬奨の助演女優賞にもノミネートされていますが、受賞するといいっすね。
黄韻玲が音楽担当なのも、個人的にはツボですた。
ちなみに、校庭の銅像を見てハナ肇を連想した方も多かったようですが(あっしもその1人)、この銅像はタレントの納豆(林郁智)をモデルにして作ったのだそうで、日本でも台湾でも考えることは同じだなあと思った次第(こちらに製作過程が)。

というわけで、前回の続き。
原題が判明(及び推定できた)映画を会社別に整理してみると、下記のようになりました。

東映
7. 1965 KU NO ICHI GESHO(くノ一化粧) 甲
26. 1966 DANI (ダニ)甲
37. 1966 KAWAIKUTE SUGOI ONNA(可愛いくて凄い女)甲
44. 1966 NYOHAN-HAKAI(女犯破戒) 丁
61. 1967 KAMO(かも) 甲
92. 1968 HISTORY OF JAPANESE TORTURE AND PUNISHMENT,THE (徳川女刑罰史?)丁
109. 1968 YORU NO AKUJO(夜の悪女)甲
130. 1969 INOCHI KARETEMO(夜の歌謡シリーズ 命かれても)甲
191. 1970 SEX AND LIFE (〔秘〕性と生活) 甲
256. 1971 TATTOOS OF HELL (徳川いれずみ師 責め地獄?)甲

日活
30. 1966 GATE OF FLESH(肉体の門) 甲
34. 1966 HUNTER'S DIARY, THE(獵人日記) 甲
48. 1966 UNHOLY DESIRE (赤い殺意)甲
54. 1967 BRUTE, THE (野獣の青春) 甲 
86. 1968 BRANDED TO KILLER (殺しの烙印) 甲
134. 1969 LADY HUNTER, THE (夜の最前線 女狩り?) 甲
150. 1969 WORSHIP OF THE FLESH, THE(艶説 明治邪教伝)甲 (配給作品)
199. 1970 TOKYO BATHS (女浮世風呂?) 甲(配給作品)
224. 1971 HAUNTED LIFE OF A DRAGON . TATTOOED LASS, THE (怪談昇り竜)甲

松竹
81. 1967 YORU O NERAE(日本ゼロ地帯 夜を狙え?) 甲
118. 1969 CURSE OF THE BLOOD (怪談残酷物語) 甲
127. 1969 HOUSE OF THE SLEEPING VIRGINS,THE(眠れる美女)甲 (配給作品) 
136. 1969 LOST SEX (本能)甲 (配給作品)

大映  
200. 1970 UKIYOE (浮世絵残酷物語)甲 (配給作品)

その他
23. 1966 ATSUI YORU(熱い夜) 甲
36. 1966 JOTAI RAKUIN(女体烙印) 甲
55. 1967 CHAINED WOMEN  (鎖の女)甲
62. 1967 KONJIKI NO HADA(金色の肌) 甲
79. 1967 VICE DOCTOR, THE (悪徳医 産婦人科日記)甲
94. 1968 JONE(情炎) 甲 
168.1970 KEGAREI (汚れ?) 甲

東宝の作品が1本もないのがミソですが、1965年から74年ということで、あたしゃてっきり日活ロマンポルノ満載のリストになるのかと思いきや、これも皆無なのでありますた。
思うに、1972年に入って香港のメジャー映画会社・邵氏が色情電影製作に本格的に乗り出したことにより、香港でのその手の映画の基準も若干緩和されたと考えられ、そんなこともあって、ロマンポルノにも待ったがかからずに済んだのでしょう。

で。

上記リストをざざっと見渡して気づくのは、東映の梅宮辰兄イ(『ダニ』『かも』『夜の悪女』『夜の歌謡シリーズ 命かれても』)と緑魔子たん出演作品(『くノ一化粧』『可愛いくて凄い女』『かも』『夜の悪女』)の意外な多さ。
夜シリーズは、香港当局から監視対象に指定されていたのでしょうか。

それから、石井輝男監督作品も健闘(?)しています(『徳川女刑罰史?』『徳川いれずみ師 責め地獄?』『怪談昇り竜』)。
『ならず者(雙雄喋血記)』が呉宇森監督に多大な影響を与えた他、『東京ギャング対香港ギャング』等のすぐれた香港ロケ作品を撮り、また、邵氏と東映の合作映画の監督にも白羽の矢が立ったことのある(結局はボツになりますた。こちらをご参照下さい)石井監督ですが、意外にも異常性愛路線以降の作品は香港での興行と相性が悪かったようです。
しかし、1973年の『ポルノ時代劇 忘八武士道』は、『肉林・浪子・快刀』の中文タイトルで、香港でも無事に上映されております。



「その他」は、いわゆるピンク映画ですが、香港でもかなり知名度のあった腋毛の女王(勝手に命名)・三原葉子の『金色の肌』がランクイン(違うって)しているのが、注目に値するでしょうか。
公開されていたら、けっこういい線いったのではないかと思います。

ところで、日活ロマンポルノの話が出たついでに、以前にもちらりと書いたことを、しつこくまた指摘しておきます。
香港と日本の色情電影を比較検討する際、必ずと言っていいほど「日本代表」として引き合いに出されるのがロマンポルノですが、邵氏の風月片のように、メジャー映画会社が売れっ子監督を起用して、ふんだんに金を掛けた時代物を撮る、という感覚は、むしろ東映のエロ時代劇に近いと考えられます。
また、邵氏がBirtie Tove(カタカナだとなんて書くのさ)を使って『丹麥嬌娃』や『女集中營』を撮ったのも、東映がサンドラ・ジュリアン(Sandra Jullien)やクリスチナ・リンドバーグ(Christina Lindberg)を呼んだ手法と非常に似たものを感じます。

以上、とりとめのないことをつらつらと書いてきました。
何か新たに気付いたことがありましたら、再びこちらで取り上げてみたいと思います。

(暫定終了) 

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