2009年12月31日木曜日

一見鍾申(意味不明) (その5)

〔えいが〕〔ちょっとお耳に〕


どうも。
トド@大晦日のテレビ、観る番組がないです。

さて、このネタを年内に終わらせるつもりだったので、一応最終回(前回はこちら)。
また新しいことがわかったら、逐次増補いたします。

・『勾魂黑薔薇』(1988年、冠人)と『野生之旅』(1989年、威華)

80年代末期に中條カメラマンが手がけた2作品。後者は監督作品ですが、よくよく調べてみると、どちらもいわゆる「成人映画(色情片)」らしいのです。
新東宝で映画修行を開始した中條カメラマンは、新東宝倒産後はピンク映画のカメラマンとして一本立ちを果たしますが、自身のキャリア後期になって再びその原点(?)に還ったのかとも思えますが、『跨世紀台灣電影實錄』(2005年、文建會・國家電影資料館)の1987年1月8日の項には、


國内色情片拍攝數量超過正統影片、新聞局電影處乃採釜底袖薪的方式、函告國内三家電影沖印片廠(中影、台北、大都)不得沖印色情影片、否則將依法辦理。


とあり、当時の台湾で「色情片ブーム」とでも呼ぶべき流れが起こり(旧ブログで取り上げたこの映画も1987年の製作)、前述の2作品もこの流れに乗って製作されたもののようであることがわかります(注)。
ただ、なぜこの時期にこんなブームが起きたのかに関しては不明で、いわゆる「黒電影」の果てに徒花のような色情片大豊作(?)があったのか、それとも何か他の理由があったのか、今後の解明が俟たれるところです。

といったところで、今回のネタ及び今年の拙ブログ更新はおしまい。
皆さま、良いお年を。

注:2作品の製作を手がけている鍾明宏なる人物は、この後『處女的誘惑』(1992年)という色情片も製作していますが、この映画の監督はなんと何夢華です。そういえば、郭南宏監督もそのキャリアの末期には色情片を手がけているようです。

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