〔えいが〕
1978年、S・H・P、テレビ朝日。千野皓司監督。北村和夫、吉行和子、大空真弓、他。
どうも。
トド@昨日の歌舞伎座周辺はすごい人でした。
本題に入る前に、どーでもいい話を1つ。
今朝のフジテレビ『とくダネ!』。
「万博に行けば上海で人気の火鍋店のラム肉が味わえる」とぶち上げていましたが、その火鍋店とは、
小肥羊
のことでした。
…渋谷へどうぞ。
ということで本題。
先日観た映画のメモ。
澤地久枝のノンフィクション『密約 外務省機密漏洩事件』の映像化作品。
1978年にテレビドラマとして放映後、1988年に劇場用映画として公開されましたが、今回はその劇場公開版の再映です(詳しいストーリーはこちら。監督のインタビューはこちら)。
物語は3部構成で、第1部は新聞記者の視点、第2部は外務事務官の視点、第3部は女性作家の視点から見た事件をそれぞれ描いています。
記者が個人的に親密な関係にあった事務官から機密書類を入手したという経緯から、この事件は密約そのものの真相を問うのではなく、不倫関係にあった2人の個人的な事項に世間の興味が向かってしまったことは周知の通りですが、たしかに、第2部(記者を愛するあまりその要求に応え続けてしまった事務官に対し、書類が手に入った後は徐々にそっけない態度を取るようになったばかりか、秘密を守ると言いながら社会党の代議士に書類を見せてしまった記者)を観るかぎり、正直言ってこの記者は男としてどうよ?と思ってしまうのもまた事実。
しかし、それでもなお、個人的な問題と密約の問題は別にして追求されるべきではなかったかと、不肖せんきちは考えております。
ちなみに、第3部では女性作家が見た事務官の別の顔(法廷では「世間が一刻も早く自分のことを忘れて欲しい」と語りながら、判決後はインタビューや手記で記者の糾弾を続けた・法廷内では常に涙を流していたのに、(休廷中の)裁判所の食堂では知人女性と談笑していた・記者の前にも不倫関係にあった男性がいた)にも触れていますが、事務官への直接の取材が適わなかったため、裁判での主張が果たして真実だったのか否かについて、その真相は藪の中です。
真相といえば、第1部で記者がなぜ事務官と親密な関係になったのか、「酒の上でのなりゆき」と言ってしまえばそれまでなのでしょうが、その辺りが全く見えなかったのが不可解でした。
今回、外務省有識者委員会が密約の存在を認めるという絶妙のタイミングでの再映でしたが、密約問題自体に対する国民の関心の薄さを反映しているように、観客はまばらでした。
あれから40年近い歳月が流れてもなお、この国の国民の意識は残念ながらあまり変わっていないようです。
ところで。
ヒロインを演じていた吉行和子は、金大中事件に材を取った『兇悪の壁』(『非情のライセンス』第2シーズン第57話)でもヒロインを演じていました。
事件の陰に吉行和子あり。
次は村木局長でお願いします(もう無理か)。
0 件のコメント:
コメントを投稿