2009年6月14日日曜日

第1回世界映画祭 (大きく出たねえ)

〔えいが〕〔ちょっとお耳に〕


どうも。
トド@取り込み中です。

さて。

これまで、メインサイトやブログで、第1回日本国際映画祭アジア映画祭こちらこちらも)、そして"Asian and Pacific Film Show"といった、現代の日本では忘れられてしまった映画祭(といっても、アジア映画祭は亞太影展〔アジア太平洋映画祭〕として、今でも中華圏ではそれなりに影響力があるのですけれど)を取り上げてきますたが、今回はおそらく、日本で最初の国際映画祭である、

第1回世界映画祭

のご紹介をしたいと思います。

第1回世界映画祭が開催されたのは、1952年11月
主催は読売新聞社、後援が日本映画連合会(現・日本映画製作者連盟)、協賛が外務省、通産省(現・経済産業省)、文部省(現・文部科学省)でした。
この映画祭が開催されることになった詳しい経緯は明らかではありませんが、「大正力」と呼ばれた読売新聞社主・正力松太郎の暗躍……ではなくて、尽力が大きかったのではないかと考えられます。
映画祭開催に当たっては、

岡崎外務大臣、岡野文部大臣、池田通産大臣、藤山東京商工会議所会頭、城戸松竹副社長、永田大映社長、小林東宝代表取締役、佐生新東宝社長、大川東映社長、川喜多東和商事社長、池田日本映画連合会事務局長、安田読売新聞本社代表取締役

を最高顧問とし(肩書はいずれも当時のもの)、11月5日から10日までの6日間、日比谷の第一生命ホールで参加作品の上映を行い、その後の審査部会委員(メンバーは後述)による会議を経て最優秀作品賞であるパール賞の他、各部門賞を授与するということに決まりました。

参加作品及び上映日程は、次の通りです。

11月5日(水)
午後2時 『美女と闘牛士(Bullfighter and the Lady)』(アメリカ)
午後6時 『人生劇場』(日本)

11月6日(木)
午後2時 『生きる』(日本)
午後6時 『肉体の悪魔(Le Diable au corps)』(フランス)

11月7日(金)
午後2時 『現代人』(日本)
午後6時 『ミラノの奇蹟(Miracolo a Milano)』(イタリア)

11月8日(土)
午後1時 『大仏さまと子供たち』(日本)
午後4時 『それはすべて貴女に関係あること(Det gælder os alle)』(デンマーク)
午後7時 『大仏開眼』(日本)

11月9日(日)
午後1時 『清宮秘史(清宮秘史)』(香港…ですが、中華民国名義での参加だった模様)
午後4時 『超音ジェット機(Breaking The Sound Barrier)』(イギリス)
午後7時 『哀愁のモンテカルロ(24 Hours of A Woman's Life)』(イギリス)

11月10日(月)
午後1時 『別離(Intermezzo)』(アメリカ)
午後4時 『忘れられた人々(Los Olvidados)』(メキシコ)
午後7時 『罪ある女(Die Sunderin)』(西ドイツ)

日本、香港(中華民国)、アメリカ、メキシコ、イギリス、フランス、イタリア、西ドイツ、デンマークだけしか参加していないのに、

どこが世界映画祭なの?

というお叱りの声が聞こえてきそうですが(言っとくけど、オレのせいじゃないよ!)、参加作品の上映は一般の観客にも各回300名に限り無料で開放され、読売新聞企画部宛に往復はがきで申し込む、というシステムになっていました(各作品ごとに申し込み、応募者多数の場合は抽選)。

(てきとーにつづく)

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