1962(61)年、台湾(自立)。李行監督。穆紅、魏平澳、戽斗主演。
毎日何となく観ている『純情きらり』。
今週はヒロイン・桜子を苛める金持ちお嬢様が出現、
ピアニストを目指す貧乏人 VS 意地悪ご令嬢
という古のキョンキョンドラマ『何も少女に起こらない』、じゃなかった、『少女に何が起ったか』のような図式に。
こうなったら、宮﨑あおいには、
紙のピアノ
で
ショパンの『革命』
を
弾いてもらうしかないわね。
今なら、こんな秘密兵器もあることだし。
というわけで、本題に入ります。
東京大学出の西医(本省人)と中国大陸からやって来た中医(外省人)のお隣さん同志がまき起こす騒動をコミカルに描いた、台湾版『南北和』。
台詞は北京語と台湾語のチャンポンです。
李行監督が中影で活躍するのは、この後のことになります。
電懋の「南北シリーズ」は、敵対する家同士の子弟が恋に落ちるというのが趣向の一つでしたが、こちらでも陳家(中医)の長男は黄家(西医)の長女と、次男は黄家の養女で黄家の長男の許婚とそれぞれ恋に落ち、一方、黄家の長男も陳兄弟の従妹とラブラブになるという、なんだかもうめちゃくちゃなことになっております。
ただ、電懋のような父親同士の意地の張り合いによる丁々発止のやり取りはなく、両家が対立することになるきっかけも、黄夫人が夫と陳夫人の仲を疑うという、いわゆる「省籍矛盾」とは全く関係のないレベルの話です。
それゆえ、本省人と外省人の間に横たわる深ーい溝も「なかったこと」になっており、陳家の当主がノー天気に
と言えば、黄家当主も
と答えるといったあんばい。
両家の子女の結婚にいったんは黄夫人が反対する、その理由も
外省人は、いつかは中国大陸に帰ってしまう人たちだから。
というものでした。
当時の政治状況を考えると、こうなるのも仕方がないかと思いつつ、しかし、李行監督はそれから20年以上経った『唐山過台灣』でも相変らず「咱們都是中國人」だったしなあとも思い、なんだか複雑な気分になりやした。
ま、内容はこんな具合でしたが、今は無くなってしまった台北の名所が出てくるのは、この映画の大きな魅力と言えましょう。
まずは圓山の兒童樂園と動物園(現・兒童育樂中心)。
そして、中華商場。
それから、3組のカップルがレビューを鑑賞する場面では、
こんな踊りが出てくるのですが、この映画の撮影当時、東宝歌舞団(NDT)が台北公演を行っていることから考えると、これって、ひょっとしたら東宝歌舞団なんでしょうかねえ。
ちなみに、音楽は後から別のものを被せたようで、
ゲイシャワルツ
が流れてました。
とほほ・・・・。
0 件のコメント:
コメントを投稿