2009年4月16日木曜日

「尤敏ゆかりの土地巡り」在庫一掃セール (その三)

〔たび〕〔尤敏〕

葉牡丹の花、狂い咲き中。

どうも。
トド@「コンビニ」が「ポン引き」に聞こえるです。

前回の続き。

・プルデンシャルタワー(旧・ホテルニュージャパン)

赤坂(正確な住所は千代田区永田町)にそびえる外資系保険会社(&森ビル)の超高層タワー


ご存じの通り、かつてこの場所にはあるホテルが建っていました。

そのホテルの名は、ホテルニュージャパン。

1982年2月8日未明に起こった大火災で、多数の死傷者を出したホテルです。


この大火災の後(当然のことながら)ホテルは閉鎖するものの、新たな持ち主がなかなか見つからず、その後も長い間廃墟と化した建物が赤坂の目抜き通りに無残な姿をさらし続けることになりました(タワーの完成は2002年暮)。

そんな忌まわしい末路を辿ったホテルニュージャパンですが、1960年の開業当時はピッカピカの高級ホテルで、同年に東京で開催された第7回アジア映画祭(現・アジア太平洋映画祭)では開会式と授賞式、閉会式の会場に選ばれ、参加国(日本、インドネシア、台湾〔中華民国〕、香港、韓国、マラヤ、シンガポール、フィリピン)の映画人が一堂に会したのでありました。
当時の報道(『毎日新聞』『日本経済新聞』)による映画祭のスケジュールは、下記の通りです。

4月5日(火):午前10時から参加作品上映。午後5時からホテルニュージャパンで開会式。
4月6日(水):午前10時から参加作品上映。午後2時から総理官邸で岸信介総理の招待パーティ。午後6時から赤坂コパカバーナにて堀久作映連(日本映画製作者連盟)会長の招待パーティ。
4月7日(木):午前10時から参加作品上映。午後6時から椿山荘で日本映画6社招待のパーティ及び各国俳優交歓会。
4月8日(金):午前10時から参加作品上映。
4月9日(土):午後1時30分から作品賞受賞作品(『後門』)上映。午後5時からホテルニュージャパンで授賞式及び閉会式。

この第7回アジア映画祭で、尤敏は前年に続き2度目の主演女優賞を受賞、当時のニュース映画には鍾啓文と共にトロフィーを受け取る尤敏の姿が遺されています。

ところで、上記のスケジュールの内、赤坂コパカバーナとあるのは高級ナイトクラブの名称で、あのデヴィ夫人がお勤めしていたのもここだったそうです(現在はオフィスビルになっています)。
当時はコパカバーナの他にも、ニューラテンクオーター(ホテルニュージャパン地下)や銀馬車といったナイトクラブが大いに流行っていた時代で、『香港の星(香港之星)』に出てくるミカドもこの流れに乗ってオープンした巨大ナイトクラブでした。

(つづく)

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