2009年5月18日月曜日

安志杰(アンディ・オン)のおかあさん

〔ちょっとお耳に〕

母よあなたは偉かった。

どうも。
トド@「親小沢VS反小沢」などという安易な二項対立を作り出して大衆を扇動するテレビ政治にはもう飽き飽きだぜ!です。

新型インフルエンザ、水際阻止どころか集団感染の様相を呈してきましたけれど、あたくし、1度は罹っても仕方がない病気と覚悟を決めましたです。

さて。

安志杰(Andy On.日本語の検索に引っかかるよう、アンディ・オンとも書いてみる。アンディ・オン→オン・スイピン→ジュディ・オング→ジミー・ウォング……いいかげんにしろ!)のお母さんが往年の歌手・金燕であることは、知っている人なら知っている、知らない人は全く知らない情報ですが、この金燕がかつて

キャンディー・シュー

という芸名で日本でも芸能活動を行っていたことを知る人は、もーっと少ないのではないかと思います。
というわけで、本日はそのお話を。

キャンディ・シューこと金燕の日本デビューは、1969年11月。
デビューシングルは、「遠く消えた恋」(A面)と「恋はいじわる」(B面)のカップリング。
彼女の日本デビューを報じた『読売新聞』(1969年11月16日付朝刊)によれば、日本進出のきっかけは「ジュディ・オング(翁倩玉)の成功に刺激されて」とのことで、何ゆえにキャンディ・シューなる芸名になったかと言えば、

金燕(キンエン)

だと

禁煙(きんえん)

に間違われかねないため、急遽「Candy(キャンディ)」という英文名を付け、これに彼女の本名(許金燕)の姓「許(シュー。北京語読みね)」を足して、キャンディ・シューの誕生と相成った次第(上記記事による)。

さらに、'69年12月からは『11PM』(日本テレビ)のレギュラーになり、カバーガールも勤めたといいます。

こんな感じ?
(よりによって叶美香かよ)

このあたり、『オールナイトフジ』に出ていた梅艶芳と共通するものがあるような、ないような……。

現時点で判明した、日本における金燕のレコードは下記のとおりです(2009年5月23日・増補改定しました)。

(シングル)

・クラウン PW-78 1969年11月1日発売
A面:「遠く消えた恋」(タマイチコ作詞、中州朗作曲、荒井圭男編曲)
B面:「恋はいじわる」(島津ゆうこ作詞、中州朗作曲、荒井圭男編曲)

・クラウン PW-90 1970年5月1日発売
A面:「異国の人」(なかにし礼作詞、三木たかし作曲、高見弘編曲)
B面:「明日はきっと」(なかにし礼作詞、三木たかし作・編曲)

・クラウン PW-99 1970年12月25日発売
A面:「おもいでのビクトリア・ピーク」(星野哲郎作詞、米山正夫作曲、小杉仁三編曲)
B面:「ルビー・ナイト香港」(星野哲郎作詞、米山正夫作曲、小杉仁三編曲)

・クラウン CW-1152 1971年4月25日発売
A面:「華麗なる人生(ウハウハソング)」(芦川七三作詞、米山正夫作曲、重松岩雄編曲)
B面:「南の男と北の女の恋物語ナンダ!」(芦川七三作詞、米山正夫作曲、重松岩雄編曲)
※B面のみ。南利明とのデュエット(A面は南とサニー・シスターズによるもの)。

・クラウン PW-521 1971年5月25日発売
A面:「嘘もうれしいよ」(星野哲郎作詞、やまだ寿夫作曲、ささえいじ編曲)
B面:「わが心の台北」(星野哲郎作詞、やまだ寿夫作曲、ささえいじ編曲)

・クラウン PW-532 1972年9月20日発売 
A面:「BUS(バス)」(千家和也作詞、三木たかし作・編曲)
B面:「愛を叶えて」(千家和也作詞、三木たかし作・編曲)

(アルバム)

・クラウン LW-1214 1970年5月1日発売
A面:「異国の人」「恋はいじわる」
B面:「遠く消えた恋」「明日はきっと」
※シングルサイズ(17センチ)ダブルLP(クラウンシリーズ)。ジャケット特選シリーズ。

当初はポップス路線だったものの、後に演歌系の路線へとシフトした点や、三木たかしが作曲を手がけている点等、後の鄧麗君(テレサ・テン)との共通点を見出せますが、残念ながら、どれも大ヒット!とまではいかなかったようです。

陳和美による『異国の人』のカバー。

以上、安志杰のお母さん・金燕の日本デビューについて簡単にご紹介しましたが、デビュー曲の「遠く消えた恋」などは、今聴いてみてもけっこういい線いってるんじゃないかなあという気がいたしますし、日本で彼女の存在が忘れ去られつつあることに、不肖せんきち、なんとも残念な思いを抱いているのであります。

2 件のコメント:

胤雄(たねお) さんのコメント...

香港旅行で買った金燕のレコードを載せてみました。中文曲で、香港盤でした。

せんきち さんのコメント...

胤雄さん

お知らせありがとうございます。
拝見いたしました。