2008年8月21日木曜日

台湾の横顔 (寶島三日)

〔ちょっとお耳に〕


どうも。
トド@おなかの調子悪いです。

最近、邦訳が出た故・張超英氏(元台北駐日経済文化代表処新聞組長)の口述による回顧録『宮前町九十番地』(邦題:国際広報官張超英―台北・宮前町九十番地を出て)。

その中に、張氏がメガホンを取った観光記録映画『寶島三日』(1961)が、1962年、フランスのマルセイユで開催された「第4回観光映画祭」で銀賞(第2位)を受賞した、という件があり、この映画のことが気になったせんきちは、手元にあった『跨世紀台灣電影實録』(2005年、文建會・國家電影資料館)でちょいと調べてみたところ、「1962年8月24日」の項に、


新聞局拍攝的觀光影片《寶島三日》、在法國馬賽舉行的第4屆馬賽遊覽國際影展中榮獲第二獎。


とあり、さらに、「1961年12月4日」の項には、


日本放送協會今日在日本電視站放映我國駐東京大使館所提供、新聞局所攝製的中華民國彩色片《寶島三日》。


とあって、どうやらこの映画がNHKで放映されたらしいことがわかりました。
そこで不肖せんきち、今度は国会図書館へ行って新聞縮刷版を調査、すると、12月4日ではなく3日の「日曜映画劇場」(総合テレビ。午前9:00~)において、『台湾の横顔』という邦題で放映されていたことが判明しました。
その日の『読売新聞』朝刊テレビ欄には、


日曜映画劇場
①世界のくにぐに『台湾の横顔』
②劇映画『スミス夫妻』(アメリカ映画)ヒチコック監督



とあるので、どうやらヒッチコック(Alfred Joseph Hitchcock)監督の『スミス夫妻(Mr. and Mrs. Smith)』との2本立という、今思えば「ありえねー!」組み合わせでの放映だった模様です。


このように、映画祭の詳細は不明ながら(ご存知の方いらっしゃいましたら、ご教示下されば幸いです)海外で賞も受賞し、日本でもテレビ放映されたこの映画、なぜか「台湾電影資料庫」(台湾映画のデータベース)にも収載されておらず、フィルムの所在も不明のようです。

観てみたいんだがなあ・・・・。

付記:ちなみにこの本、人名の誤植の多いのが難点で、廖祥雄を廖昭雄、祁和熙(台製のベテランカメラマン。『寶島三日の撮影を担当。後に『董夫人』のカメラも受け持ちました)を齋和凞とそれぞれ誤記しており、これらはなんとオリジナルである中文版からの誤り。
だいじょぶか、時報出版?

張氏の著書。

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