2009年7月27日月曜日

最近DVDで観た映画

〔えいが〕〔しようもない日常〕

虎のぬいぐるみと死闘!

どうも。
トド@眠いです。

すでにいろいろな方がお書きになっていらっしゃいますけれど、いやあ、びっくらこきますた、ヤスミン・アハマド(Yasmin Ahmad)監督の訃報
石川県で撮影する予定だった次回作(『ワスレナグサ』)は、永遠に幻の映画になってしまうのでせうか。

さて。

最近の休日、せんきちは横着しておうちでゴロゴロしていることが多いので、その間に観たDVDのメモ。

『乾坤三決鬥(A Valiant Villain)』
1968年、台湾(中影)。陳洪民監督。田野、左艶蓉、葛香亭、魏蘇、他。

ならず者の周處(田野)が心優しい女性・十娘(左艶蓉)とその父(葛香亭)に出会って改心、村人たちを悩ませていた虎と孽蛟(下の写真を見てね。日本の皆さんの苦労の結晶です)を退治して過去の悪行を詫び、将軍に仕えてお国のために戦う、というお話。
八木正夫、三上睦男、黒石恒生が特技を担当しています(クレジットなし)。

これが孽蛟だ!

このお話の原拠は京劇でもおなじみの『除三害』だそうですが、粗暴だが心根は優しい男という田野演じる周處のキャラクターは、『冬暖』の彼の役柄と若干被っている気がいたしました。
ストーリー的には「ちょっといい話」のはずなんですけれど、オチが「改心して軍に入隊、お国のためにご奉公」という辺りが、いかにも中影的であります。
ラスト、出陣する田野のバックになぜか「ツァラトゥストラはかく語りき(Also sprach Zarathustra)」が大音量で流れます。
さては『2001年宇宙の旅』のパクリか?とも思いましたが、何か深ーい意図でもあったのかしらん?

『輕煙(Love Is Smoke)』
1972年、香港(文藝)。宋存壽監督。柯俊雄、胡燕妮、李湘、秦祥林、他。

えー、わかりやすく言うと、ボーイフレンド(秦祥林)の叔父さん(柯俊雄)と不倫の恋に落ちてしまう若い女性(胡燕妮)のお話。
ま、叔父さん、といっても、秦祥林の父親(出てこないけど)よりも10歳年下という設定なので、40そこそこのおっさんと20代の娘っ子との恋ってとこでしょう。

冒頭、とあるレストランに入ったヒロイン・馬珊(胡燕妮)が、店内でかつて不倫関係にあった裘謹(柯俊雄)を目撃、彼との出会いと別れを回想する、という筋立てで、このような場合、通常は冒頭の場面に戻って終わるはずなのですが、この映画ではなぜか戻らずに傷心の馬珊が中環の埠頭を1人歩く場面で終わります。

互いにためらいながらもずるずると深みにはまっていくのが不倫物のお約束ですけれど、馬珊の気持ちを知った裘謹がいきなりスケベ親父モードに突入、「オレのバズーガ暴発寸前(お下劣)」状態で馬珊に迫るのはいただけません。

「それ、どこで買ったの?」と思わず聞きたくなる李湘のド派手なストライプのジャケットや、緑色のタートルネックのセーターに同じく緑色のタイツ(スカートはグレーのミニ)をまとった「歩くクレヨン」状態の胡燕妮等、女優陣のありえねーファッションが見ものです。
また、裘謹の昔の恋人である台湾在住のやり手の女社長がなぜかおっぱい怪獣で、裘謹とハダカの商談を試みるという、余計なお世話のサービスカットもありました。

ちなみに、柯さんとテレママ、実際には同い年です。

追記:映画のタイトルは、コトが終わった後に柯さんが吸う煙草の煙に(寝タバコは危険です!よい子のみんなはマネしないでね!)、テレママが自分たちの恋を重ね合わせる(煙のように儚いってことね)ことから来ています。

『八番坑口的新娘(The Bride In The Fading GoLaser Goldmine)』
1985年、台湾(高仕)。金鰲勳監督。許不了、張艾嘉、他。

台北から九份に赴任した(というよりは、飛ばされた)お人好しの警官・江萬水(許不了)と、夫を鉱山事故で失った後精神に異常をきたしてしまった子持ちの女・阿鳳(張艾嘉)の不思議な縁を描いた作品。
「吳念真九份電影系列」(勝手に命名)の1本。

今ではすっかり観光地と化した九份ですが、この映画では「時代に取り残された、閉鎖的で陋習に充ちた町」として描かれており、かなりネガティヴな印象を受けます。

おなじみの石段。


昇平戯院。

町の人から蔑まれるのみならず、若い男たちの慰み者になって父親のわからない子供を身ごもる阿鳳(鳳と瘋が掛かっています)を張艾嘉が熱演していますが、彼女の都会的な持ち味とははっきり言って合っていません(たぶん、本人のたっての希望で演じた役だとは思いますが)。

しかし、精神障害者の親を持つ子供というのは、『Orzボーイズ!(囧男孩)』でもそうでしたけれど、基本的に行政は関与しないのでしょうか、台湾では。

何ともほろ苦いラストには、同じ吳念真&張艾嘉の『台上台下』と共通するものがありました。

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