2011年1月16日日曜日

夜の歌謡シリーズ おんな

〔橘ますみ〕〔えいが〕

肝心の「おんな」がなかったので、
やはり劇中で森進一が歌うこの曲を。

1969年、東映東京。鷹森立一監督。梅宮辰夫、野川由美子、橘ますみ、森進一、他。

どうも。
トド@激太り一直線です。

というわけで、2011年も既に半月ほどが過ぎましたが、「初春 橘ますみたん特集」でも(これ1本だけだけど)。

先月取り上げた『悪党ブルース』に続く、「夜の歌謡シリーズ」第8作。
例によって詳しいストーリーはこちらをご参照いただくとして、この映画における橘ますみたんの役どころは野川由美子演じる佐藤加津子の妹・雅美。
新宿でホステスをしている姉を追って鹿児島から姉の大好物である「辛子レンコン」持参で上京しますが、ホステスにしてはお堅い姉と違って貞操観念ゼロの雅美は、姉が思いを寄せる辰兄イ演じる卓也ともあっという間にベッドイン。姉のアパートを飛び出して卓也の部屋に転がり込み、彼の斡旋で新宿のヌードスタジオで働き始めますが、ホステスに転業したところで子宮外妊娠が発覚、その予後が思わしくなく敢え無く命を落とします。
雅美は梅毒(ぎゃあ!)に冒されており、子宮外妊娠も梅毒によるものだったのでした。

「夜の歌謡シリーズ」第2作『盛り場ブルース』では野川由美子と森進一がきょうだいでしたが、本作ではこれに橘ますみたんが加わり(野川由美子>ますみたん>森進一)、

親の顔が見たい

3人きょうだいになっております。

また、これまでは白木マリや八代万智子等が演じていた役柄(バーのママ。辰兄イと腐れ縁)に松井康子が登場、

脂肪分も大幅にアップ

して、パトロン役の遠藤辰雄との

こってり重量級対決

が楽しめます(楽しくないない)。

さて。

『悪党ブルース』ではますみたんを容赦なく殴り続けた辰兄イですが、この映画では野川由美子をぶん殴り、殴られた野川由美子はますみたんをぶん殴るという、

恐るべき暴力の連鎖

に陥っております(森進一にも殴られるし、ますみたん)。
しかし、若者がAVを本当のセックスだと思って困るとお嘆きの中高年の皆様(特におっさん)も、若い頃は女をびしばし殴って無理やり身体を奪い夢中にさせる辰兄イに憧れたであろうことは想像に難くなく、いつの世にも勘違いな人というのは存在していたのでしょうねえ、奥様。

そんなこと、誰も喜びませんから。

ところで、梅毒に冒されてあたら若い命を散らすこの映画のますみたんですけれど、いつどこで感染したのかは結局明かされないまま。
新宿のヌードスタジオで働いているときに移された可能性もありますが、鹿児島にいた頃23人の男と寝たと豪語する発展家の彼女のことですから、鹿児島で既に感染していた可能性も捨てきれず、そうなると、ますみたんから辰兄イ、さらに辰兄イから野川由美子へと移った危険性も出てくるわけで、

恐るべき感染の連鎖

になりそうな気配ざんす。

ま、いずれにしても、身体は大事にしたほうがいいなあ、としみじみ感じた映画でした(おいおい)。
でも、奔放な女が下半身の病気に罹って死ぬって『或る女』以来のパターンだけど、奔放な男だって同じような病気に罹るのにね。

不公平。

付記:名前があるのにいつまで経っても出てこない小松方正、最後にやっと刑事役で登場しました。怖いお客さんの役じゃなかったのか。

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