〔テレビ〕
1979年4月14日、TBS・東映。小松範任監督。倉田保昭、沢井桃子、楊斯主演。
『Gメン'75』名物「香港カラテ・シリーズ」から。
いよいよ今回、あの草野刑事(倉田さん)の生い立ちが明かされます(前回はこちら)。
例によって、くわしいストーリーは、こちらからよさそうなのを見繕ってご覧下さい(「香港カラテ・サーガ」がおすすめ)。
麻薬密売組織(香港コネクション)に囚われた父を救うため、Gメンを裏切った草野刑事でしたが、実はこれ、潜入捜査だったのでした。
にしても、監禁されてシャブ漬けにされるわ、断崖絶壁から投げ落とされるわ、いくらなんでもこんな潜入捜査ってないと思うけど、それにもめげず無事生還(あんな高いところから落下しても無傷。おまけに医者にも行かずシャブ中克服)しちゃう草野刑事って、並の人間じゃないな。
しかし、この潜入中、草野刑事は父である孫老人(といいつつ、ほんとは日本人)が、実は麻薬精製の技術者であることを知ってしまうのでした。
草野刑事は絶望し父への怒りの念に萌えますが、もとい、燃えますが、孫老人は全てを打ち明ける手紙を彼に託します。
そこには、草野刑事の秘められた生い立ちがしたためられていました。
ということで、草野刑事の生い立ちの話になるんですけど、なんと彼は孫老人の実の子ではなく、戦時下の空襲で孤児になった中国人で、猛火の中で泣き叫んでいた彼(赤ん坊)を救い、我が子として育てたのが孫老人夫婦だったのでした。
そんな草野刑事の本名は、汪雲龍。
なんだかこんなものやこんな人を連想させる名前ですが、空襲で家族を亡くして泣き叫んでた赤ん坊の本名が、なんですんなりわかったんだか。
名札でも付けてたんでしょうか。
それとも、知り合いの中国人家族の息子だった、とか?
手紙を読んで孫老人の深い愛情(じゃあ、なぜ日本へ帰らずに子育て放棄しちゃったのさ)に気付いた草野刑事は、父を救うべく麻薬精製工場へ急ぎます。
しかし、時すでに遅し。
工場を爆破させた父は、瀕死の状態で横たわっていました。
で、ここでお邪魔虫・楊斯が登場、お楽しみカラテ対決になるんですが、びっくりしたのは組織のボスの愛人兼クラブ歌手兼カラテ使いだとばかり思っていたギャル・江秀蘭が、インターポールの潜入捜査官だったこと。
インターポールの捜査官って、芸達者&床上手じゃないと務まらないのね。
楊斯、今回は対決途中で片足を痛め、足を引きずりながらの奮闘です。
が、クライマックスではあれだけ痛そうにしていた足の負傷はどこへやら、思い切り全力疾走していました。
そして。
父の死を知った草野刑事は、中国人・汪雲龍として香港に留まり、難民救済に尽力する決心をするのでした(おしまい)。
んー。
なぜお父さんが中国人・孫として香港で生きなければならなかったのか、そして麻薬の精製に手を染めなければならなかったのかという疑問には、一つも答えていないわね。
それがきちんと描かれていれば、もっとお話に深みが出たと思うのだけれど。
さて。
前回、「虎豹別墅」を「麻薬密売組織のボスの邸宅」として大胆利用していたTBS&東映、なんと今回はあの有名レストラン
金島燕窩潮州酒樓
を、
ボスの弟が経営する舞廳(ダンスホール)
としてご利用なさっていました。
しかも、名前そのまんま(「金の島」と日本風に読んでいましたが)な上に、看板もそのまんま映ってるし。
香港での放映時に問題にならなかったのか、今さらながら心配になりましたです、はい。
(於:ファミリー劇場)
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