〔ちょっとお耳に〕
先だってビデオ録画に失敗した『亡命記』、今日の再放送でようやっと成功、ひさびさに再見いたしました。
しかし。
以前観たときには、まず、
文部省選定
と出た後で、
撮影協助 国際影片発行公司
の但し書きが入り、
松竹マーク
になったのですが、今回はいきなり、
松竹マーク
でした。
省略しちゃったの?
というわけで、再見後、以前ご紹介した「ロケ地メモ」と内容を照合、その結果、気付いたことを少し書きとめておきたいと思います。
S26~S33 ここまでは全て南京の設定。戦中。
S59 上海の設定。戦後、やむを得ず顔紹昌(佐田啓二)と離婚した左千子(岸恵子)が、娘・慧子を連れて日本へ引き上げる途中の映像。
S63~68 南京の設定。戦後、漢奸の容疑をかけられた紹昌が、国府軍から逃げ惑うさいの映像。
S EXTRA やはり南京の設定。鉄道の駅で、逃げ惑う紹昌。九龍鉄道の駅を利用か?
S 饅頭屋 これも南京。しかし、饅頭屋の主人の話す北京語がたどたどしいので、店頭は香港(永華スタジオ)、店内は日本国内で撮ったものか?
この他、一度は国府軍に捕らえられた紹昌が、護送用のトラックの荷台から逃走、川へ飛び込む場面も、兵士役の俳優の話す北京語の発音から考えて、どうやら香港で撮ったもののようです。
映画には、影佐禎昭がモデルと思われる小久保清忠(笠智衆)や、林柏生(華影〔中華電影〕の董事長でもありました)がモデルと思われる林伯成(佐分利信)が登場しますが、林が漢奸の罪で射殺されるのに対して、小久保は日本に帰って無事生き永らえるという、なんだか対照的な運命で、観ていて複雑な気分になりましたです、はい。
それから、紹昌と左千子の一人娘・慧子を演じていたのは、シリア(シリヤ)・ボール。
後のオリーブさんです。
ちょい濃い目の顔の蕭芳芳(子役時代のね)みたいでした。
付記:蕭芳芳といえば、11月11日(金)、広島で『廣島廿八』が上映されます。観たいなあ。
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